2006年7月31日、ふじみ野市の市営「大井プール」で、排水口に小学校2年生の女児(当時7歳)が吸い込まれて亡くなった事故から5年がたった。事故のあったプール跡地には、高畑市長らが献花に訪れた。
事故当時、排水口に取り付けられている防護柵がはずれていた。又、この流水プールには、排水口が一か所しかないため、思いのほか水を吸い込む勢いが強く、子供が中に吸い込まれると、出られなくなった。防護柵が外れていると通報された監視員が、工具などをとりに行っている間に、女児がすいこまれ、亡くなった。監視員が工具をとりに行く間、プールの中の人たちにプールから上がるよう指示することもなかった。
事故後、プールの監視体制の問題や施設の設計上の問題などが指摘され、全国のレジャープールや学校プールで施設などで、施設の点検が行われた。
報道によると、事故を機に発足したNPO法人「日本プール安全管理振興協会」(本部・横浜市)は、事故から5年となるのを機に、遺族の同意を得て、7月31日を「プール安全の日」、同日から1週間を「プール安全週間」とし、啓発を続けることにしたという。
同協会の北條龍治理事長は「全国で施設が改修されたが、人的な安全管理上の問題は改善されていない」と指摘する。
事故後、埼玉県公園緑地協会は、今まで実施してきたプールの安全管理手法をもとに、今年度、「レジャープール管理者養成プログラム」を創設、先月と今月の2回、初めて講習会を開いたところ、58人が聴講、同市の担当係長も参加したという。
また、専門家の中からも、プールの安全性を高めるため、独自に調査して、ふじみ野市に報告する動きもあった。
報道によると、7月20日、ふじみ野市役所で、公益社団法人「日本技術士会」の「子どもの安全研究グループ」(佐藤国仁会長)は、専門家の知見をもとに、施設や構造の問題点を独自に検証し、高畑博市長に報告書を渡した。
この中で、①配管の吸水口が1カ所で、吸い込まれる危険が高い、②起流ポンプの非常停止ボタンが監視室とプールサイドにないなどの問題点を指摘、「人による安全維持に依存しない設備と機械による安全設計を常に考える必要がある」としているという。報告を受けて、ふじみ野市は吸水口を中心に、学校プールを再点検することを決めた。
プールや遊園地など、夏休みに、多くの子供がおとずれる施設では、施設の設計や設備に、危険なところがないか点検してほしい。家族で楽しい思い出をつくる夏休みが、悲しい出来事で覆われることのないよう、施設を管理する人々には十分、運営や管理に問題はないか再点検してほしいと思う。
最後になりましたが、亡くなられた小学2年生のお子さんのご冥福を祈ります。
《参考》
「大井プール事故における再検討報告書」平成23年2月ふじみ野市
http://www.city.fujimino.saitama.jp/profile/policy/pool_jiko/saikento_houkoku.pdf
《参考記事》
「プールの悲劇 風化防ぐ/各地で啓発や講習」 2011年07月29日朝日新聞/埼玉
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001107290003
《参考》
「ふじみ野のプール事故死:日本技術士会が市に検証報告書 /埼玉」 2011年7月23日毎日新聞
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20110723ddlk11040280000c.html
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