報道によると、11月17日、東急田園都市線の二子玉川駅(東京都世田谷区)で、視覚障害のある男性が持っていた白杖(はくじょう)を挟んだまま、電車が発車していたことがわかった。男性は白杖を手放したため、けがはなかったが、白杖は折れたという。
報道によると、17日午後4時45分ごろ、駅ホームにいた視覚障害者の男性が、白杖の一部を車内に入れ、車両内にいた乗客に「この電車は各駅停車か急行か」と尋ねたところ、乗客の返事がなかったため、男性は乗るのをあきらめてドアから離れた際、ドアが閉まったという。この停車していた押上発中央林間行き下り電車は、男性の白杖を挟んだまま、次の二子新地駅(川崎市)まで運行された。
当時、車掌はモニターで男性が車両から離れるのを確認したが、白杖が細くて見えなかった。また、ドアに物が挟まったことを感知するセンサーも反応しなかったという。二子玉川駅には、今年度中にホームドアを設置する予定だという。東急電鉄は「ホームドアを設置するだけでなく、社員教育を徹底して再発防止に努めたい」としている。
駅のホームは、視覚障害者の方のとっては、「欄干のない橋」と同じだという。点字ブロックが設置されているとはいえ、人にぶつかったりすると方向がわからなくなったりするという。狭くて危険なホームが多く、転落事故も後をたたない。一刻も早くホームドアを設置してほしいものだ。
<参考記事>
「田園都市線が白杖はさみ発車 男性けがなし」毎日新聞2017年11月29日東京朝刊