2005年3月15日、踏切事故で75歳の母を失いました。母の出遭った事故がどうして起きたのか知りたい説明してほしいと各方面に求めてきました。
しかし、航空・鉄道事故委員会は死傷者数が事故調査の対象にあてはまらないと言って事故調査をしませんでした。
事故を起こした鉄道事業者は、事故から4ヶ月後、社内調査の結果を報告書の形で発表しました。
そこでは、事故を起こした踏切保安係らが日頃から内規違反をして、遮断機を上げ下げしていた状況を把握する会社の体制が不十分であったため、会社は開かずの踏切の実情を知らなかったと言い切りました。
私たちは、事故を起こした鉄道会社の組織的な問題点を明確にするよう、検察や航空・鉄道事故調査委員会にもとめてきましたが、いずれもこの問題に取り組みませんでした。
2008年秋、運輸安全委員会が発足する際、鉄道事故の調査対象が拡大され、「鉄道係員の取り扱い誤り又は車両若しくは鉄道施設の故障、損傷、破壊等に原因があるおそれのあると認められるものであって、死亡者を生じたもの」が、あらたに調査対象に加わえられました。
しかし、鉄道会社側に、事故の原因があるのか通行者側に問題があるのかは、調査してみなくてはわかりません。死亡者の生じた事故は重大事故であり、すべて調査すべきだと思います。
すべての踏切事故を調査することで、事故原因や安全対策の問題点が明らかになり、今後の安全対策を講じるうえで役立つと思います。
悲惨な踏切事故は鉄道事故の4割近くをしめています。お年寄りや子供の踏切事故のニュースを見聞きするたび、胸がしめつけられ、事故当時のことが思いだされます。
このブログでは、悲惨な踏切事故をどうしたらなくせるのか、事故調査のあり方や、事故防止のあり方、私たちをとりまく状況など、日頃考えたことを書いています。
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