2018年5月20日日曜日

西武池袋線池袋第8号踏切の事故~人も検知する装置を

 2017年2月9日、西武池袋線の池袋と椎名町の間にある池袋第8号踏切で、お年寄りが電車に撥ねられて亡くなった。手押し車を押しながら、踏切を渡っていたところ、転倒したとみられている。
 特急や急行はスピードを出すため、遠心力で脱線しないように、カーブの外側を高くしてある。そのため、踏切がカーブの上にあると、傾斜ができる。また、線路が複線だと、この傾斜が二回出来る。踏切道が波打つようになる。高 齢者、車いすに乗る人、ベビーカーを押す人、自転車に乗る人らにとって、歩きにくいところだ。
 国土交通省関東運輸局が作成した「踏切通行安全カルテ」によると、池袋第 8 号踏切は、過去 5 年間に 2 回事 故が起きている「事故多発踏切」である。
写真1 2017年2月15日 池袋第8号踏切

 池袋第 8 号踏切は幅約 6 メートル、長さ約 10 メートルである。踏切は、警報機・遮断機のある 第 1 種踏切。非常ボタンも設置されている が、事故当時は押されなかった。また、障害物検知装置も設置されていたが、倒れた人を検知しなかった。
 昨年(2017 年)事故直後の 2 月 15 日、私が踏切を訪れた際には、 作業員が踏切の白線などの塗り替えをしていた。(写真1)


写真2 2018年5月15日池袋第8号踏切に設置されている新しい検知装置
  西武鉄道によると、2017 年 6 月から、池袋第8号踏切に、新しい障害物検知 装置を設置して実証試験を行っているという。この装置は踏切道の地面から 13 センチメートル の高さにレーダを設置し、転倒した人も面で検知 しようというもの。実証試験を 1 年間実施し、安全対策に活かそうとしている。(写真2)

 踏切を利用するのは、自動車だけではない。池袋第8号踏切のように、生活道路として周辺の住民が買い物に行ったり、病院に行ったりする際に利用されているところも多い。(写真3)
写真3 2018年5月15日 池袋第8号踏切 路面に凹凸がある
 踏切を通行する人が凹凸につまずいて転んだり、動けなくなった時、踏切の異常を検知して、電車の運転士に知らせる方法をぜひ、考えてほしい。
 運転士が電車を減速したり、踏切の前で電車を停止させることができれば、踏切に取り残された人は助かるかもしれない。
 
 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。
2018年5月15日 池袋第8号踏切に設置されている非常ボタン(右)


《参考》
〇西武鉄道「踏切の安全対策について」 西武鉄道 第 17-021 号(2017 年 6 月 13 日)

  https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2017/20170613fumikirianzen.pdf
〇「 踏切事故 高齢者に危険 浮き彫り」東京新聞2017年12月27日
  http://www.tokyo-p.co.jp/article/tokyo/list/201712/CK2017122702000137.html#print