2011年7月15日金曜日

東京電力福島第一原発、廃炉まで数十年

 報道によると、東京電力と原子炉メーカーは福島第一原発の廃炉に向けて、中長期的な工程表を検討していることがわかった。
 早くて3年後の2014年度に、福島第一原発の使用済み核燃料プールから、十分冷やした燃料の取り出しをはじめ、10年後をめどに原子炉内の燃料をとりだし始めるという。とりだした燃料は敷地内の共用プールに移すことを検討する。
 共用プールの改造や燃料の輸送容器の製造などが必要となる。
 そして、原子炉を解体して撤去するまで全体で数十年かかるという。

  この工程表をつくるには、スリーマイル島原発事故を参考にしたという。しかし、福島第一原発事故では、炉心溶融(燃料が溶けて原子炉圧力容器の底に落ちる)が、三つの原子炉で同時に起き、原子炉建屋が水素爆発した。また、圧力容器は損傷が大きく、注入した冷却水が漏れ続けている。溶けた燃料は圧力容器内にたまっているだけでなく、格納容器内にも漏れ出たとみられている。
 そのため、損傷している部分を調べてふさぐことが必要となる。溶けた燃料を原子炉から取り出すにも、あらかじめ、燃料の保管場所を用意しなくてはならない。
 原子炉建屋の燃料をとりだす装置が、水素爆発で壊れているため、その補修も必要となるという。さまざまな技術開発が必要だとされるが、何年かかるかわからない。
 
 その間、原発周辺の避難している住民の方々はどこでどのように暮らしたらよいのか。途方もなく長くなるかもしれない避難生活の年月を思うと、何と言葉をかけたらよいかわからない。避難生活を送る人たちが不便がないように、事業者は十分な補償をしてほしい。また行政は各地に避難している人たちに必要な情報を提供し、心のケアにも努めてほしい。
 
 一刻も早く、被災された方々が元のような平穏な生活ができるように…と願わずにいられない。
 
《参考記事》
「福島第一廃炉まで数十年 東電の中長期工程案」朝日新聞2011年7月9日
 http://www.asahi.com/national/update/0709/TKY201107090574.html?ref=any

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