6月11日、住吉踏切に、事故のあった時間と同じころ行ってみた。
踏切は、幅4m長さ10mほどで、警報機・遮断機が設置され、非常ボタン、障害物検知装置が設置されていた。車両は一方通行で、路側帯(歩道)は片側にしかない(下の写真1)。
住吉踏切は、平成19年に、国交省が、全国の踏切から抽出した緊急対策が必要な踏切1960か所のうちの一つで、「開かずの踏切」だった。
事故のあった5日は全国的に天気が荒れ模様で、ときおり激しく雨が降る日だった(写真2)。
お年寄りが踏切を渡っていたときに、雨がどの程度降っていたか、参考にした記事には書かれていなかった。しかし、午後4時ころは、踏切道が登下校の児童や生徒、買い物帰りの人などで混雑する時間帯だったと思われる(写真3)。
写真1 品川区豊町3丁目にあるJR横須賀線住吉踏切
お年寄りはこちらから踏切に行った。2014年6月11日撮影
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写真2 お年寄りが亡くなった6月5日も雨が降っていた。
2014年6月11日撮影 |
写真3 夕方は、踏切が開くのを待つ人が多い。高架になって
いるのは、東海道新幹線の線路。 2014年6月11日撮影 |
踏切の道路が狭い上に、通行する人が多く、狭い歩道を大勢の人が行きかう。亡くなったお年寄りは、踏切を渡っていたら警報機が鳴りだしたので、あわてて後戻りをしたが、踏切内に取り残されて、事故に遭ったのではないかという。混雑する踏切内で、取り残されてしまったのだろうか。
住吉踏切は下り坂になっていた。上には、
新幹線の線路がある。2014年6月11日撮影 |
補助26号線は、品川区から板橋区まで、総延長28kmの都道。現在、品川区二葉1丁目から都立大崎高校の部分は地下道とする難工事が行われている。
工事中の仮設道路は、道路幅約3m歩道約1.5mと狭い。その上、仮設の住吉踏切の歩道は、もっと狭くなっている。この道路は、周辺の小・中学校、高校の児童や生徒が通行する通学路だが、今日は、工事の現場や踏切に誘導員を見かけなかった。
この補助26号線の工事が完成すれば、住吉踏切は廃止され、バリアーフリーの歩道橋ができる予定だ。しかし、その立体化工事の最中に起きた事故に、やり切れない思いが募る。
狭くなった踏切の混雑する時間帯に、誘導員は配置されていなかったのだろうか?すぐそばに学校や地区センターがあり、お年寄りや小さいお子さんを連れたお母さんたちも通行する踏切に、なぜもっと安全対策をとらないのだろうか?
豊町の住民のみなさんが、区役所やスーパー、公共施設などがある大井町駅方面に行くには、この踏切を通らねばならないのに、通行する人たちの安全が確保されていないのではないか…
なぜ事故が起きたのか、事故の調査をする必要がある。事故調査をすることで、事故の原因がわかり、安全対策も検討できると思う。
事業を行う行政や事業者には、立体化工事が完了するまで事故はあってはならないという決意を持って、安全対策を講じてほしい。
最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福を祈ります。
《参考記事》
「踏切ではねられ70代?女性死亡 品川のJR横須賀線 /東京都 」朝日新聞2014年6月5日
http://digital.asahi.com/article_search/detail.html?keyword=%E8%B8%8F%E5%88%87&kijiid=A1001120140606MTKG-1A-009&version=2014060802