報道によると、2012年10月22日午後2時10分ころ、大阪府豊中市服部元町にある、阪急宝塚線北ノ口踏切で、73歳の女性が、雲雀丘花屋敷発梅田行き普通電車(8両)に撥ねられて、亡くなった。
北ノ口踏切は、曽根駅と服部天神駅の間にあり、曽根駅から来ると、線路が右へ大きくカーブした先にある。第1種踏切で、警報機・遮断機が設置されている。しかし、車両通行止めで車両が通行しないからか、障害物検知装置はない。また、非常ボタンも設置されていない。幅は2.2m、長さ8.6mで、歩行者専用である。
事業者の事故の届出によると、事故当時、電車が時速55kmで北ノ口踏切に差し掛かった際、踏切道手前82mで運転士が女性を発見、非常停止の措置を取ったが、間に合わず、女性と接触、踏切を約28m過ぎて停止したとある。
阪急宝塚線北ノ口踏切 2014年4月26日撮影 |
阪急宝塚線北ノ口踏切。線路の外側の方が内側よりも高い。
事故から1年半経つが、踏切道の改善はされたのだろうか?
2014年4月26日撮影
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北ノ口踏切から普通電車の来た方、曽根駅方面を見る。
左へ大きくカーブしている。 2014年4月26日撮影
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お年寄りが酸素ボンベを引きながら歩いたり、手押し車を押しながら、凹凸があるところを渡るのは、歩きにくいと思う。車輪ががたがたとして進みにくいと思う。
ここは、運転士から見ても危険だ。カーブを曲がったと思ったらすぐに踏切があり、運転士が踏切内で人が取り残されているのを発見しても、すぐに電車は止まれない。
電車が踏切の手前で安全に止まれるように、障害物検知装置を設置し、踏切内に取り残された人を検知して電車が自動的に止まれるようにすべきだと思う。多くの事業者は、障害物検知装置は車両を検知するための装置で、人を検知する設定をしていないという。
しかし、踏切を通行するのは、車両ばかりではない。北ノ口踏切のような、住民に必要な生活道路では、お年寄りや子どもを連れた人、児童や生徒も通行する。すべての通行者が踏切内で、取り残された際に、通行者を検知して、電車が止まれるようにすべきではないのか。
踏切内に取り残された人を発見したときに、運転士に知らせる非常ボタンも設置すべきだと思う。踏切に設置されていれば、取り残されたお年寄り本人だけでなく、踏切の近くにいる通行者が、非常ボタンを押して、電車を踏切の手前で止めることができるのではないか。
事故が起きて尊い命が奪われる前に、ひとつひとつの踏切を点検して、必要な装置を設置したり、歩道の凹凸をなくすなど、早急にできる対策に取り組んでほしいと思う。
最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福を祈ります。
《参考記事》
「73歳女性はねられ死亡 阪急宝塚線」毎日新聞2012年10月22日