2011年7月2日土曜日

首都圏の鉄道、節電対策の内容検討を

 報道によると、東日本大震災後、節電のため、駅の照明や案内板などが消灯され、視覚障害者の方から、明かりを頼りに歩くことができなくなったなどの声が視覚障害者協会などに寄せられているという。

 日本眼科学会の推計によると、良い方の矯正視力が0.5未満の視覚障害者約164万人のうち、明かりを頼りに歩く弱視者は約145万人にのぼる。
 ある全盲の方が、駅のエスカレーターがとまっているので、階段でホームに行ったところ、普段と違う場所から乗車することになり、ホームと列車の間の隙間が広かった。広さの違いに気付かず隙間から転落した。隙間の幅の違いを知らせてくれていたらと、語っているという。

 聴覚障害の方にも、影響が大きい。電光掲示板が消えたので、音声アナウンスだけになった駅もあり、ダイヤが乱れても気付けないことになる。
 
 どれだけ照明を落とすと安全でなくなるのか、行政と障害者団体などが協力して調査する必要がある。
 案内板などを消灯するならば、駅員やホワイトボードなどを配置して、運行情報などを伝えるべきだと思う。また、エスカレータなども地下鉄駅などの高低差が大きいところは動かしてほしい。

 鉄道各社が節電に取り組む昼間の時間帯は、朝のラッシュを避けて外出する高齢者や障害を持った方、親子連れなどが多い。節電によって、駅が使いづらくなり、外出しにくくならないように配慮してほしい。

《参考記事》
「車内冷房・ダイヤ・照明…首都圏の鉄道、節電へ試行錯誤」 2011年6月14日17時0分 (宮嶋加菜子、永田工)
http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY201106140232.html

『渇電 首都圏の夏 4 障害者「駅使いづらく」』 日本経済新聞(夕刊)2011年6月30日(木)

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