24日の報道によると、2008年春、東京電力が、福島第一原子力発電所で、同社の想定を上回る高さ15mを超える津波が遡上する可能性があると試算していたことがわかった。
しかし、「評価の必要がある」として、津波対策の強化には生かされなかったことがわかった。
東京電力によると、2002年7月文部科学省の地震調査研究推進本部が、房総沖を震源とする地震の発生確率などを公表したのを受けて、2008年に福島第一・第二両原子力発電所に到達する津波の高さを試算した。
明治三陸沖地震(1896年)と同程度の規模の地震が、福島県沖で起きたと仮定して、試算。その結果、第一原子力発電所の取水口付近で、高さ8・4~10・2mの津波が到達、津波は陸上に遡上して、1~4号機では高さ15・7m、同5・6号機では高さ13・7mに達すると試算していた。
最大5・7mという設計上での想定を上回り、場所によって15・7mまで津波が駆け上がると見積もられた。
福島第一原子力発電所では、冷却に必要な海水ポンプが海面から高さ4mのところにある。また、原子炉建屋は、高さ10mのところにある。今回の津波は、建屋付近では15mを超えるところもあった。
この試算は、東日本大震災4日前の今年3月7日、経済産業省原子力安全・保安院に報告された。これらの事実について、東京電力も保安院も公表しなかった。10mを超す3月11日の津波については、「想定外だった」という説明を繰り返していた。
東京電力が想定できたことに対して何ら津波対策をとらずにいたこと、原子力安全・保安院が規制機関として何も対応しなかったことの責任は重いと思う。
《参考記事》
「東電、福島第一で高さ15mの津波予測していた」(2011年8月24日22時14分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110824-OYT1T00991.htm?from=any
「震災前に10メートル超の津波試算東電、福島第一で」朝日新聞2011年8月24日
http://www.asahi.com/national/update/0824/TKY201108240503.html
「 福島第1原発:10メートル超津波 東電、直前に試算報告」毎日新聞2011年8月24日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110825k0000m040070000c.html
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