報道によると、東京電力福島第1原子力発電所の事故で、大気中に放出された放射性物質は、西日本や北海道にも拡散しているという解析結果が日米欧の研究チームによってまとめられ、アメリカ科学アカデミー紀要電子版に発表されることがわかった。
研究では、文部科学省は、汚染の広がりは、長野・群馬県境でとどまったとの見解をしめしたが、以西でも「わずかだが沈着している可能性がある」と指摘しているという。
アメリカ宇宙研究大学連合の安平哲平研究員らの研究チームは、汚染物質の拡散を20キロ四方で計算するシステムを使い、事故後の天候や雨を加味してシミュレーションし、文科省の測定値を補正して3月20日から4月19日までの沈着量を算出した。分布状況は、文科省の観測傾向と一致したが、岐阜県や中国・四国地方の山間部で、原発由来の放射性物質が沈着している可能性が示されたという。また、北海道にも広がりを見せている。
研究チームは、ただちに人体への影響がある量ではなく、除染が必要なレベルではないとするものの、放射性物質が最も多く放出されたとみられる3月19日までのデータがないため、解析の対象に含まれていないため、実際の沈着量は見積もりよりも多めの可能性が高いとしている。
もっとも拡散量が多かったとみられる時期のデータがないため、このシミュレーションの沈着量は少ない可能性があるという。場所によっては、放射性物質が集まり溜まっているところもあるかもしれない。政府は、全国の都道府県でより詳細な土壌の調査と分析をしてほしい。
《参考記事》
「福島原発のセシウム拡散状況、研究チームがシミュレーション」
2011.11.15 Tue posted at: 09:11 JST (CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30004587.html
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