厚生労働省が示した症例471人のうち、66人は、救急搬送や入院が必要な重篤な症例で、一時意識不明に陥った例もあった。また、日本アレルギー学会には、1000件を超す症例が報告されているそうで、被害件数は、増える可能性もあるという。症例は、全身の腫れや呼吸困難などで、小麦アレルギーのなかった人でも、アレルギーの原因物質が目や鼻の粘膜などに毎日少しずつ付着することで発症することがあるという。
症状は、問題の石鹸をやめると改善に向かうが、根本的な治療方法はみつかっていない。北海道など13都道府県で、被害弁護団が結成され損害賠償をもとめる訴訟が提起されている。
各地の消費生活相談センターには、14日現在、健康被害の相談が936件寄せられているという。
悠香が自主回収を決めたのは、今年5月で、2009年10月の日本アレルギー学会で被害の報告があってから、1年半余りたっている。その間にも、2010年9月厚労省には、医療機関から症例の報告があり、健康被害を把握している。
しかし、2010年10月以降、悠香がホームページなどで石鹸購入者に注意喚起する際に、症例がでたことが明記されなかったという。そのため、石鹸の危険性が購入者に伝わっていなかったのではないかと思われ、購入者が石鹸の使用を中止しなかったことが、被害が広がった原因とみられる。
今年5月に、悠香が自主回収を決め、商品名が公表されると、各地の消費者センターには、健康被害の相談件数が増え、約900件にのぼった。
石鹸の販売者が購入者に症例などを説明し、具体的に注意を喚起していれば、このような重篤な被害を出さなくてすんだかもしれない。また、厚労省ももっと早く対応すべきだと思う。販売者を信用して購入した消費者に対して、このような事実を正確に誠実に説明することが、会社に対する本当の信用や利益につながると思う。
なお、以下で、診療可能な施設情報や小麦アレルギー情報が掲載されている。
「小麦加水分解物含有石鹸『茶のしずく』を使用したことにより発症する小麦アレルギーに関する情報センター」http://www.allergy.go.jp/allergy/flour/003.html
《参考》(2011年11月16日追加)消費者庁ホームページ
「小麦加水分解物含有石鹸に関する情報」
http://www.caa.go.jp/safety/index10.html
《参考記事》
『茶のしずく石けんで66人重篤 アレルギー症状471人』朝日新聞2011年11月15日
http://www.asahi.com/health/news/TKY201111140569.html
『「茶のしずく石鹸」でアレルギー』NHKニュース 2011年11月15日 18時44分
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