2011年9月13日火曜日

JR越後線第二下原踏切事故の遺族、JR東日本に損害賠償請求

 2010年8月19日午前7時ころ、柏崎市橋場町にあるJR越後線第二下原踏切で、近くに住む小学校5年生の児童が普通電車に撥ねられて亡くなった。児童は、夏休み中、朝早くトレーニングのため、自宅周辺を自転車で走り、帰宅する途中、踏切を横断しようとして列車に撥ねられたとみられている。
  2011年7月20日、亡くなった児童の両親は、踏切を管理するJR東日本に対して、損害賠償をもとめる訴えをおこした。

 訴状によると、事故当時、第二下原踏切には、警報機・遮断機がなく、音声警報装置や電光表示板も故障していた。
 また、児童が来た側は、列車の来た方角の線路の周辺に草が高く茂っており踏切から列車の来る方向が見えにくいこと、過去にも踏切で女性が撥ねられて亡くなっているため付近の住民からは安全対策をのぞむ声があったこと、また踏切周辺には集会所や商業施設があり、住民が生活道路として踏切を頻繁に利用していることなどから、踏切警報機の設置などの安全対策が求められていたのに、JR東日本は、故障していた音声警報装置を放置し、警報機や遮断機をつけずにいた。

 児童の両親は、踏切に少なくとも踏切警報機が設置されていれば、児童は列車の接近を知ることができ、事故は発生しなかったとしている。
 事故後、JR東日本に対して児童の両親は、なぜ事故が起きたのか説明してほしいと要望してきたが、JR東日本からは事故の説明がなされていないという。
 JRのマニュアルでは警報機などの無い第4種踏切では、運転士は踏切の手前で警笛を鳴らすことになっているが、両親が踏切で調べたところによると、警笛を鳴らさない運転士もおり、両親は、「息子は見通しの悪い踏切で列車の接近に気付かなかったのではないか、せめて警報機があれば息子は事故に遭わなかったのではないか」と語る。

 事故後、JR東日本は事故のあった第二下原踏切に警報機・遮断機の設置を決めたことからもわかるように、JR東日本自身が、この踏切が危険な踏切であることを認識していたともいえる。にもかかわらず、児童の不注意が事故の原因であるかのように主張して、JR東日本が今回の踏切事故についてなんら責任がないようにふるまうのは、児童の両親からすると納得がいかないことだろうと思う。

 踏切は、高速でしかも圧倒的な重量の危険な列車が通過するところである。踏切を管理する者は、踏切を利用せざるを得ない地域住民や児童、生徒が安全に通行できるように、安全対策を講じる義務があると思う。JR東日本には、亡くなった児童の両親に対して納得のいく説明をしてほしい。そして、踏切の十分な安全対策と事故の再発防止策を講じることをのぞみたいと思う。

《参考》
柏崎市第二下原踏切の事故については、拙ブログの以下を参照してください
「踏切事故の現場をたずねて~新潟県柏崎市JR越後線第2下原踏切」
http://tomosibi.blogspot.com/2010/11/2.html
「柏崎市の第2下原踏切、警報機・遮断機設置へ」
http://tomosibi.blogspot.com/2010/12/blog-post_16.html

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