6月3日、国土交通省は、鉄道や航空機などの大規模な事故で、被害者の家族への情報提供や心のケアを含めた総合的な支援策を担う「支援室」を設置する方針を決めた。
平成21年度から、国交省では専門家や事故の遺族でつくる「公共交通における事故による被害者等への支援のあり方検討会」を設置、検討を重ねた。
平成22年度以降は、前年度、被害者遺族へのアンケートなどから明らかになった支援ニーズ等を踏まえて、遺族団体や支援団体の参画もえて、具体的な支援内容等について、有識者、行政関係者等も交えて、4回検討会を開催した。5月24日に開催された第4回検討会での意見を踏まえて、検討会としての取りまとめを行った。
検討会では、国交省に「公共交通事故被害者等支援室(仮称)」を置き、行政が被害者に寄りそい、事故直後の安否情報・事故情報の提供から、生活支援や精神的ケアなど中長期的な一貫したサポートを提供することを提言している。
事故の被害者をとりまく状況は一人ひとり異なり、抱える困難も異なる。そのため、もとめるニーズも異なる。多様なニーズに対応できる体制がもとめられる。
また、被害者に対して適切なタイミングで情報が提供されることが重要である。事故直後は現場や病院などが混乱していて、安否情報などが家族に迅速に伝わらないことがある。正確な情報が早く家族のもとへ届くよう、関係機関の対応の改善がもとめられてきた。
事故がなぜ起きたのか、自分の大切な人がなぜ被害者になってしまったのか、正確に知りたいと思うのは家族であれば当然である。事故原因についての情報や説明が正確に早く提供されることが必要である。
事故直後だけでなく、被害者や遺族が生活を立て直すには長い時間がかかる。経済的な問題だけでなく、心身のケアは継続的、長期的に必要となる。
そして、そのもとになるのは、事故に関係するさまざまな方々の被害者への理解と誠意のある姿勢だと思う。
今回のとりまとめを一刻も早く実現し、事故の被害者の支援に役立ててほしいと思う。
《参考》
「公共交通における事故による被害者等への支援のあり方検討会まとめについて」国土交通省(平成23年6月3日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000032.html
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