2014年7月26日土曜日

乗用車と電車が衝突・脱線~千葉県流鉄流山線の踏切事故

 報道によると、7月11日午後2時5分ころ、千葉県流山市と松戸市を結ぶ流鉄流山線の踏切で、線路内に入ってきた乗用車と2両編成の電車が衝突し、1両目が脱線した。
 踏切は、小金城趾駅と幸谷駅の間にあり、警報機・遮断機はない。幅は1.5mくらい、長さも4mくらいだろうか。現地に行って驚いたのは、踏切の周辺が住宅地だということだった。東京に近い住宅地の松戸市に、いまだに警報機も遮断機もない踏切があることに驚いた。
 乗用車は電車に衝突したあと、電車に約30m引きずられて大破した。乗用車に乗っていたのは、踏切のすぐ前に住む夫妻で、車内から救出されたものの、亡くなった。

千葉県流山市流鉄流山線の踏切。警報機や遮断機がない。
事故のあった午後2時ころ。 2014年7月23日撮影。
警報機・遮断機のない踏切の手前では、電車の運転士は警笛を鳴らすことになっている会社が多いと思うが、今回の事故の際、事前に鳴らしていたかどうかわからない。
 
 
 また、踏切の手前はカーブしている。列車の運転士からは踏切がどの程度の距離からみえるのだろうか。線路内に入って来た乗用車に気付いて急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。
 車庫から出ようとする乗用車からは、家のフェンスなどで列車の来るのが見えにくい。
 危険だから、踏切に警報機などを設置してほしいと住民の方から要望が出されていたという。

 ダイヤを見ると、列車の本数も1日上下144本あった。事故のあった昼間の時間帯では1時間に上下各3本ある。1時間に6本、平均10分毎に列車が踏切を通過する。朝6時・8時台は、1時間に上下10本の電車が、警報機も遮断機もない踏切を通過する。平均して6分おきに、電車が通過する計算になる。
列車の来た小金城趾駅の方角を見る。乗用車が
止まっていたところからは、電車の来るのが見えにくい。
                        2014年7月23日撮影

乗用車が列車が通過するのを待っていたところ。路面には、電車が
脱線したときの衝撃のせいか、ひびが入っているところがある。
                            2014年7月23日撮影
事故のあった踏切の前後にも第4種の踏切が2か所あった。住民の方が生活に必要としている踏切で、ここを渡らないと外に出られない。踏切を通行する人は少ないかもしれないが、運行本数が増えた鉄道にとって、いったん踏切で事故が起きれば、重大な問題になる。それなら、通行者の多少にかかわらず、警報機や遮断機を設置すべきではないかと思う。
 
 運輸安全委員会は、この事故の調査のため、鉄道事故調査官を派遣した。事故調査がすみやかに行われ、事故の再発防止に役立てられるよう、願うばかりだ。
 最後になりましたが、亡くなられたご夫妻のご冥福を祈ります。

《参考記事》
「衝突した乗用車の夫婦死亡 千葉・流山線」
毎日新聞 7月12日(土)0時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140712-00000001-mai-soci

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