事故のあった踏切は、南海本線の羽衣と高石駅の間にあり、警報機・遮断機が設置された第1種踏切である。幅約2m、長さ約9mで、踏切がカーブの途中にあるため、線路の外側は脱線を防ぐため、内側よりも高くなっている。そのため、踏切道に起伏ができ、高低差が20~30センチあるという。
四輪車は通行止めのため、事故当時、障害物検知措置はなかった。また、非常ボタンは設置されていた。
目撃した人の話によると、男性が乗っていた車いすが踏切内に立ち往生していたという。列車の運転士が、約110m手前で、踏切内の男性に気が付き、非常停止をかけたが、間に合わなかったという。
高石市南海本線羽衣7号踏切 男性の来た方から
踏切内をみる。路面に高低差があり、歩きにくい。
2014年7月20日撮影
|
高低差のある踏切道の中で、車輪がレールなどに挟まったりしたのか、事故の状況は定かではないが、踏切に取り残された男性の恐怖は如何ばかりだっただろうと思うと、胸が苦しくなる。
羽衣7号踏切から列車の来た方(高石方面)を見る。
2014年7月20日撮影
|
南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業は、南海本線の羽衣駅から高石駅までの約3.1kmと高師浜線の約1.0kmで、鉄道を高架化することにより、13ヶ所の踏切を除却、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化により都市の活性化を図る事業だとされている。2019年度完成予定で、総事業費約550億円にのぼる。
高架化工事が進められている中で起きた今回の事故、残念で仕方がない。工事の間だけでも、踏切の幅を広げたり、路面を整備して通りやすくするとか、誘導員を置くこといったことはできないのだろうか?
羽衣7号踏切を斜め横からみると、起伏があるのがわかる。
右手に高架化工事途中の橋脚がみえる。
2014年7月20日撮影
|
車高の低い車が、踏切の凸凹した路面にあたって動けなくなることがあるというが、そのような状況が車いすにもあるかもしれない。
周辺は住宅街で、多くの人が生活道路として通行する。電動車いすの男性も日ごろから、この踏切を利用していたと言う。踏切道を管理する自治体や、安全装置を管理する鉄道事業者には、高架化工事を進めながら、既存の踏切の安全対策も十分考えてほしい。
最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をいのります。
《参考記事》
「車いす男性 踏切で死亡 大阪・高石 起伏で立ち往生か」2013年(平成25年)4月16日読売新聞
「電動車椅子の男性死亡 踏切で立ち往生? はねられ」2013年(平成25年)4月16日毎日新聞
0 件のコメント:
コメントを投稿