2014年7月25日金曜日

明石砂浜陥没事故、4被告の上告を棄却

 2001年12月、兵庫県明石市で、人工の砂浜が陥没、巻き込まれて女児が死亡するという事故が起きた。
 報道によると、7月22日、最高裁小法廷は、業務上過失致死罪に問われていたこの事故当時の、国と市の担当者ら4被告の上告を棄却した。禁錮1年、執行猶予3年とした1,2審の判決が確定した。
 この決定で、砂浜を所有する国土交通省の姫路河川国道事務所の元幹部2名と、砂浜を公園にしている明石市の元幹部の2名が有罪になった。
 国の元幹部は、「砂浜を使用しているのは市であり、国に安全管理責任はない」と主張した。
 しかし、決定は「国は市と陥没対策に取り組むなどしており、安全管理が市だけに委ねられていたとは言えない」と指摘、事故を予見できなかったとする元幹部の主張も退けた。

   朝霧歩道橋から陥没事故のあった大蔵海岸を見る。 
   向こうに見えるのは、明石海峡大橋。2014年7月21日撮影
   朝霧駅からのびる歩道橋では、2001年7月21日の明石市主催夏祭りの花火を見ようと、海浜公園に降りようとする人と駅に向かう人とが歩道橋で密集し、身動きが取れなくなった。歩道橋の上では、多くの人が、むし暑い中に閉じ込められて、群衆雪崩が発生、子ども9名を含む11名が亡くなった。けがをした人は247名にのぼった。
 夏休みに入り、家族で花火を楽しみにして、訪れた人が多かったのだろう。
市や警察が、朝霧駅から見物に来た人を歩道橋とは別の方向へ誘導して迂回させ、歩道橋に人が集中しないよう規制を適切に行っていれば、事故を防げたに違いない。
 また、歩道橋の設計にも問題があった。階段は片側にしかないため、降りる人も、上る人も同じ一つの階段に集中し、危険だ。広い公園だから、階段の用地がないということではない。手抜きとしかいいようがない。
  公園には、陥没事故で亡くなった女児をモデルにした像がたっている。
  カラフルな球体は、明石歩道橋事故で犠牲になった
  11名の方のモニュメント。
                                 2014年7月21日撮影
13年前に起きた悲しい事故を思い起こすとき、さまざまなイベントを行う自治体や関係者には、二度と同じような事故を起こさないよう、十分な安全対策を考えてほしいと思う。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
朝霧駅から歩道橋を見る。歩道橋の先には右側に下りる
階段がある。                    2014年7月14日
《参考》拙ブログでは、以前に明石歩道橋事故について、取り上げた。
ラベル「明石歩道橋事故」を参照
《参考記事》
「明石砂浜事故、4被告の上告棄却…有罪確定へ」読売新聞2014年07月24日 19時05分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140724-OYT1T50087.html

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