2012年10月29日月曜日

阪急宝塚線の踏切で事故、73歳の女性が死亡

 報道によると、22日午後2時10分ころ、大阪府豊中市服部元町にある阪急宝塚線北ノ口踏切で、73歳の女性が、普通列車(8両編成、雲雀丘花屋敷発梅田行)に撥ねられ、搬送先の病院で亡くなったことがわかった。

 踏切は長さ8.6m、幅2.2mで歩行者専用、警報機・遮断機が設置されているという。女性は呼吸器系の病気を患っており、外出時には、酸素ボンベを乗せたキャスター付きの台車を引いていた。この日も台車を引いて踏切を渡っていたという。渡っている途中で遮断機が下りてしまい、踏切内に取り残されたとみられている。女性の夫によると、女性は踏切近くの服飾店に行く途中だった。

 女性が引いていた台車のキャスターが、レールの間に入って動かなくなったということがないだろうか。私の住む町の私鉄の踏切でも、レールの間に小学生の足が入ってしまい、抜けなくなるということがあったそうで、その後、ここの鉄道事業者は、レールに足が入らないよう、ゴムを敷いて隙間を細くした。
 
 遮断機が開いたと思ったら、すぐに閉まってしまう「開かずの踏切」などでは、上記のような方々は、踏切に入ったら渡るのに時間がかかるから、渡るのがこわいと思う。しかし、踏切を渡らなくては、線路の向こうの商店や施設に行かれないから、開くのを辛抱強く待って、開いたら、急いで渡らねばならないのだと思う。お年寄りが警報機の音にせかされて、急いで渡ろうとして転んだり、レールに車いすの車輪を挟まれたりすることもある。

 また、現場の地図を見ると、列車の来た方角は急なカーブになっており、列車の運転士からは、踏切を渡る女性が見えにくいかもしれない。安全に止まれる距離からは踏切の状況が見えないのであれば、カーブのもっと手前から、踏切の状況がわかるようにすべきではないだろうか。

 新聞のニュースだけでは、女性が亡くなった踏切の細かな状況は定かではないが、この女性のように台車を引いたり、車いすに乗った方やベビーカーを押して踏切を渡る方が、安全に渡れるよう、対策を講じてほしいと思う。

《参考記事》
「73歳女性はねられ死亡 阪急宝塚線」毎日新聞 10月22日(月)21時29分配信【石戸諭】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121022-00000091-mai-soci

2012年10月14日日曜日

東電原子力改革監視委員会、初会合開く

 10月12日、東京電力は、原子力部門の改革を監督する第三者委員会「原子力改革監視委員会」の初会合を開いた。 
  先月11日、東京電力は、社外の専門家による第三者委員会を立ち上げ、福島第一原発事故の反省を踏まえて、原発の安全対策を強化し、廃炉や除染技術を向上させることにした。
 第三者委員会のメンバーには、アメリカ原子力委員会(Nuclear Regulatory Commission、略称:NRC)の委員長だったデール・クライン氏のほかに、日立製作所の原子力技術者出身で経営コンサルタントの大前研一氏、元名古屋高検検事長で国会事故調査委員会の委員を務めた桜井正文氏らが参加している。

 この第三者委員会の初会合が、12日開かれ、検討テーマを提出した。報道によると、常に最悪の事態を想定して事故防止対策を講じる取り組みを強化することや、人材育成手法の見直しも重点項目に挙げられたという。
 また、東京電力の広瀬直己社長をトップとする特別チーム(原子力改革特別タスクフォース)は、津波や過酷事故の対して、「事前に対処は可能だった」と指摘した。今年6月の社内事故調査報告書をまとめた時点では、東京電力は「結果的に備えに甘さがあったが、できる限りのことは尽くした」としていたが、これを否定する認識を示した。

 原子力改革監視委員会の委員長に選ばれたデール・クライン氏は、日本経済新聞の取材に対して、福島第1原子力発電所の事故の責任は、東京電力にあると指摘、「安全文化を経営トップから組織の隅々まで浸透させねばならない」と答えている。
 クライン氏は、原発事故の安全対策や事故対応について、「規制当局と東京電力は、大きな過ちを犯した」と強調し、「違った対策をとっていれば事故は防げたという事実を受け入れることが重要だ」と指摘した。今後策定される再発防止策の効果を検証するとともに、社員一人一人が「安全に責任を負っている自覚を持つべきだ」とも訴えている。
 
 クライン氏は、また、日本の経産省が、NRCがアメリカ同時多発テロ後策定した安全指針「B5b」()を導入していれば、福島第1原発事故は防げたと断言しているともいう。官民挙げた過酷事故への備えが必要だとしている。
 アメリカでは、電力会社が、事故や運転の情報を共有する業界団体、アメリカ原子力発電運転協会(Institute of Nuclear Power Operations、略称:INPO)がある。INPOは、規制当局の基準を上回る安全策をとりいれているという。クライン氏は、日本にもINPOのような組織が必要だと提案している。

 原子力発電の規制にかかわる官庁や東京電力が国民から信頼を回復し、同じような事故を二度とおこさない組織をつくっていくには、さまざまな改革が必要なのだと思う。時間をかけて、改革に取り組んでもらいたいと思う。

《参考記事》
「東電原子力改革委が初会合 危機対応 米国流を導入」日本経済新聞2012年10月13日朝刊
「原発事故『対処可能だった』東電タスクフォースが見解」朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/TKY201210120529.html
「原発テロ対策『B5b』松永前経産事務次官『記憶にない』」2012.5.16 19:49 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120516/dst12051619500011-n1.htm

2012年10月1日月曜日

消費者事故の調査機関、発足へ

 10月1日、身の周りで起きる製品事故や食品被害の原因を調査する「消費者安全調査員会」(消費者事故調)が発足する。食品による窒息事故やエレベーター事故など、これまで調査機関を持たなかった消費者事故に対応する。刑事責任の追及とは別に、原因を究明して事故の再発防止に役立てるのが目的。

 常設の機関としては、航空、鉄道、船舶の事故を調べる国土交通省の運輸安全委員会がある。新設される消費者事故調では、エレベーター事故、プール事故、公園遊具による事故、誤飲窒息、健康食品中毒、医療・介護施設での事故、エステトラブルなど、運輸安全委員会が担当する対象を除くすべての消費者事故を扱う。

 「消費者安全調査委員会」の委員は、首相が任命、専門家らでつくる「事故調査部会」の調査報告に基づいて事故原因を特定、関係省庁に意見を述べ、首相に措置を求めて勧告できる。
 また、事故現場に立ち入り、証拠を集め、関係者に事情を聴取し、資料の提出を求めることもできる。調査を拒めば、罰則が科すこともできる。被害者や遺族が、事故を調査してほしいと申し立てられる仕組みも整えられた。事務局の機能は、消費者庁消費者安全課に設置される「事故調査室」が担う。

 
  事故の原因を、事故の背景要因までふくめて解明し、事故調査の結果を公表し、事故の教訓を事故の再発防止と安全のために生かす。それが、理不尽に命を奪われた方がたの尊い命をを生かすことだと思う。

 
《参考記事》
「消費者事故調きょう発足 原因究明、問われる実力」日本経済新聞2012/9/30 18:14
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG21051_Q2A930C1CR8000/
「消費者事故調あす発足 エレベーター、食品窒息事故…再発防止」
産経新聞 9月30日(日)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120930-00000062-san-soci