2015年11月8日日曜日

第10次交通安全基本計画(中間案)についての意見

 交通安全基本計画は、交通安全基本法に基づき、陸上、海上及び航空交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定めるものだ。
 現在、内閣府では、平成28年度から始まる第10次交通基本計画の作成に向け、作業が進められている。これまでの中央交通安全対策会議での検討を踏まえて、中間案がまとめられ、11月6日、公聴会が開催された。
 この公聴会には、関係する各省庁と各都道府県・政令指定都市の担当者も傍聴した。
 私も幸い公述する機会をいただいたが、公述する時間が8分と短いため、問題を絞って意見を述べさせていただいた。(公聴会で述べたことをまとめたので、以下に掲載します)
 なお、昨年9月に、内閣府は意見聴取会を開催して、交通事故被害者団体などから、交通安全基本計画にたいする意見を聴取、踏切事故遺族の会「紡ぎの会」も意見を述べさせていただいた。

~~~~第10次交通安全基本計画(中間案)にたいする意見~~~~
                                       平成27年11月6日
1.中間案の理念について
(1)事故を無くすには、なぜ事故が起きたのかを調査することが必要であり 各交通おける事故  調査体制を充実させることが肝要です
従って「理念」に「事故調査体制の充実」という項目を設定し、大きな目標に挙げることが必要です
(2)事故情報は当該事業者だけでなく、技術者や研究者、市民等各方面で共有されるべきと考えます。そのため「事故情報の共有・公開」という項目をたてるべきと考えます。
又、公的機関や鉄道事業者等、専門機関の事故調査にあたり、事故当事者の個人情報は直接個人を特定できる情報以外の情報は制限せず、情報公開すべきです。事故情報は再発防止や類似事故の未然防止という公益性があり、交通安全に資するものです。

2.「第3章踏切道における安全
(1)踏切事故が毎年300件前後起き、100人前後の方が踏切で死亡しています。しかし、25年度26年度と事故は300件を下回り、死亡者も100人を切りました
なぜ事故が減少したのか検討し、どんな対策が効果をあげたのか検討するならば、一層事故を減少させることができます。「平成32年度までに踏切事故件数を平成27年度と比較して約5割削減することをめざす」と目標を設定すべきです。(86ページ「目標」踏切事故件数約1割減に対して)
2)踏切事故の多くは鉄道事業者と踏切道管理者が協力すれば防止できます。今後の踏切道における交通安全対策を考える上で「道路管理者と鉄道事業者が協力し踏切安全通行カルテを作成・公表」(中間案89ページ)は有益です
具体策の実現にあたり、予算の後押しをお願いします。
3)被害者支援について、鉄道交通及び道路交通では、項目をとり詳細に記載されていますが、踏切交通については記載がありません。踏切道も鉄道交通のように、公共交通事故の被害者である場合は、支援の対象と考え、対策を講じるべきです
従って「被害者支援の実施」という項目をたてていただきたいと思います。
                                                          以上
≪参考≫
 内閣府は、この第10次交通安全基本計画(中間案)に対する国民からの意見を募集している。意見募集の締め切りなどについては、内閣府ホームページ
http://www8.cao.go.jp/koutu/kihon/keikaku10/kaisai.html