2010年5月24日月曜日

踏切事故の現場をたずねて~秩父市大野原黒谷7号踏切


 5月15日(土)、午前8時15分ころ秩父市大野原にある踏切で、秩父市栃谷に住む高校1年生が、登校途中、列車に撥ねられて亡くなる事故が起きた。
 
 22日、高校生が亡くなった現場に立った。たくさん、花束が供えられていた。亡くなった高校生はきっと多くの友人や後輩に慕われ、先生がたに可愛がられていたのだろう。何よりも息子を大切に育ててきただろうご両親や家族に心から愛されていたに違いないと思った。

 現場は、秩父鉄道の和銅黒谷駅と大野原駅の間にある踏切で、警報機・遮断機はなく、車止めのポールや注意を促す標識が設置されているのみである。線路は複線で、列車の来た方向はまっすぐのびて、踏切内に立つと見通しはよかった。一方、反対の大野原駅方面はカーブしており、列車の来るのがわかりにくい。

 また、踏切手前は、道の両脇に民家のブロック塀があり、列車が来るのが見えない。踏切入口に立つと、黒谷駅方面へ150メートルほど先にある第1種の踏切が見え、警報機の音が聞こえるので、かろうじて、この踏切でも列車の来るのがわかる。

 踏切手前は下り坂になっており、自転車ではブレーキをかけないと、そのまま一気に踏切に入りかねない。 事故の後、踏切にそのまま進入しないよう、踏切前に工事現場で立ち入りを防ぐために置くようなバーが3本置かれたが、これがなければ、止まらずに踏切を横断してしまうと思った。(写真上)

 報道によると、高校生の通う高校では、5月15日は創立記念日だったという。確認していないが、土曜日で列車が踏切を通過する時刻が平日と異なっていたのだろうか。高校生はこの時刻は列車が来ないと思って入ってしまったのだろうか。

 高校生が渡った状況は詳しく分からない。しかし、近隣は宅地化が進み、近所には大型電気量販店やスーパーマーケットもある。買い物や通学に、お年寄りや子供も通る踏切なのだから、安全対策を講じてほしい。
 この踏切は線路は複線で踏切道も長い。また、急行も通るのだから、列車の接近を知らせる警報機や遮断機がないと安心して渡れないと思う。

 私は、残念ながら亡くなった高校生のことをニュース報道でしか知らない。

 現場に立って、高校生がどんな思いでここを通ったのだろうと思いながら、二度と同じような事故が起きないでほしいと願うことしかできない。
 
(写真左は、高校生が入った入口から踏切を見る。写真右は、踏切入口から列車の来た黒谷駅方面を見る)
《参考》
事故当時のニュースについては、当ブログの以下ページ参照
http://tomosibi.blogspot.com/2010/05/blog-post_16.html

 

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