2012年2月29日水曜日

JR阪和線杉本町駅東口、完成まぢか

悲惨な踏切事故が相次いだ杉本町駅に、ようやく駅東口が完成し、東西にエレベーターが設置される。
 3月11日(日)始発から、運用が開始される予定で、3月9日(金)には完成を祝って、記念式典が行われる。(詳細については「JR杉本町駅東口設置推進の会」ホームページ)
 駅西側にしか改札口がない杉本町駅から、開かずの踏切を通らずに駅の東側に出ることは、駅を利用する大学の先生方や学生、地元住民の方々をはじめ、多くの方がたの願いだった。

 駅の東側に改札口がないため、どうしても踏切を渡って西口にまわらねばならない。しかし、ラッシュ時は列車本数が多く、踏切は遮断機が降りたままで、「自分が乗車する予定の列車が来るのに、踏切が開かなければ乗りそびれてしまう」と、踏切の前で焦るという。
 台風でダイヤが乱れ、なかなか開かない踏切がさらに開かなくなり、しびれを切らして、列車が接近しているのを気付かず降りている遮断機をくぐって、踏切に入り列車に撥ねられて亡くなった方もいる。

 そんな踏切事故をなくすため東口を設置し、駅をバリアーフリー化しようと、大阪市立大学で教鞭をとる先生方や学生・関係者・地元住民の皆さんが、JR西や大阪市に要望して、ようやく昨年6月から東口を設置する工事が始まった。

 踏切の事故をなくすには、踏切そのものを無くすことだという。しかし、踏切を無くすための鉄道立体化を進めるには莫大な費用と年月がかかる。その間に再び事故が起きないように、すぐできる踏切の安全対策を講じることが必要だと思うし、すぐにできる対策があった。

 悲惨な踏切事故が再び起きないよう、一刻も早く駅の東口設置工事が完成すること、そして将来JR阪和線の鉄道高架化が実現するようにと思う。

新しい駅舎の杉本町駅が見える。
駅の左に見えるのは大阪市立大学
(JR杉本町駅東口設置推進の会提供)

完成間近の杉本町駅東口。右に行くと事故のあった踏切がある。
(JR杉本町駅東口設置推進の会提供)

駅バリアーフリー化をめざし、東西口にエレベータも設置される
(JR杉本町駅東口設置推進の会提供)














《参考》
拙ブログでは、以下で杉本町駅の踏切事故と踏切を取り上げた
「踏切事故の現場をたずねて~JR西日本阪和線杉本町駅構内」
http://tomosibi.blogspot.com/2011/02/jr.html

《参考》
「JR杉本町駅東口設置推進の会」
http://homepage3.nifty.com/muratak/higashiguchi.html
FCブログ「歩こう大阪!おおさか東住吉」では、工事の進捗状況がわかる
「JR阪和線杉本町駅「東口」設置改修工事進捗状況」
http://walkosaka.blog42.fc2.com/blog-entry-392.html

2012年2月28日火曜日

踏切の門扉施錠せず~JR神戸線明石踏切事故

2月17日、明石市のJR神戸線西明石駅構内にある社員専用踏切で、特急列車とトラックが衝突し、乗客ら9人が負傷するという事故がおきた。
報道によると、JR関係者への取材で、踏切近くにある構内進入用の門扉が数年前から施錠されておらず、誰でも出入りできる状態だったことがわかった。門扉には、電子式の鍵がつけられていたが、無施錠のままだったという。

今回事故を起こしたトラックも、この門扉から入り、商品を納入した帰りに踏切を渡ろうとして特急と衝突した。JR西日本は「電子式の鍵は壊れており、改良修理中だった」としているそうだ。
インターホンで社員に所属と用件を伝えると、遠隔操作で鍵が解錠され門扉が開けられる仕組みだったが、数年前から鍵は使われなくなったという。

JR西によると、現場の踏切は、駅構内の車両基地などに出入りする社員や業者専用で線路と並行する国道2号から入ることができる。門扉は、国道と踏切との間にある鋼鉄製でスライド式になっている。2003年に軽乗用車が誤って踏切内に入り、電車と衝突する事故が起きたのを機に設置された。

関係者によると、関係者以外の立ち入り禁止や左右確認などを注意喚起する看板があったが、遮断機や障害物検知装置はなかった。JR西によれば、この踏切は関係者専用で、法律的には「踏切」ではないという。

しかし、特急などが数多く通る本線で、しかもすぐそばを国道が並行して入っているため、誤って一般の車両が入ってきかねない踏切に、なぜ、遮断機が設置されていなかったのだろうか?
社員や関係者専用の踏切と言っても、特急などには一般の乗客が多数乗車している。万が一、列車がトラックと衝突した衝撃で列車が脱線などすれば、多くの乗客に被害が及ぶと思う。
JR西には、今回の事故を機に、社員専用通路として使われているすべての「踏切」を点検してほしい。そして、「踏切」が、列車運転本数が多く特急など早い列車が通る「踏切」である場合には、警報機や遮断機を設置するなどの安全対策を至急講じてほしい。

《参考》
運輸安全委員会は事故調査の進捗状況をホームページに公表し、現場の写真などを掲載した
「西日本旅客鉄道㈱山陽線鉄道人身事故の進捗状況」2012年2月22日
http://www.mlit.go.jp/jtsb/flash/jrwsanyo_120217-120222.pdf
《参考記事》
「踏切の門扉施錠せず 誤侵入の危険性 明石・特急衝突」2012/02/20 16:50 【神戸新聞】
http://www.47news.jp/news/2012/02/post_20120220165436.html




2012年2月22日水曜日

アメリカ原子力規制委員会、メルトダウンを想定して対応

 報道によると、21日アメリカの原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後、委員会内部で行ったやり取りを記録した議事録を公開した。
 この中で、アメリカ当局が、事故発生から5日後には、最悪の事態を想定すると、1号機から3号機まですべてメルトダウンする可能性もあるとして、日本政府が付近の住民に出した避難・屋内退避指示よりも広い範囲の勧告を行うよう提起していたことがわかった。

 21日、アメリカ原子力規制委員会は、東日本大震災が発生した昨年3月11日から、10日間にわたる委員会内部の緊急会議のやりとりを記録した3000ページ以上におよぶ議事録を公表した。

 福島第1原発の敷地周辺から、放射性セシウムが検出されたことから、同委員会は原子炉内部で部分的な炉心損傷が起きている可能性があるとして、幹部が避難勧告を発電所から半径50マイル(約80km)に出すべきではないかと委員会に進言していることがわかったという。

 また、議事録では、同委員会のヤッコ委員長と日本に派遣された担当官とのやりとりが記され、日本に滞在するアメリカ人の避難について検討していたことがわかるという。
 アメリカの福島第1原発事故直後の対応が詳細に記されているということだが、先日、日本の政府が議事録を作成していなかったことと比べると、驚く。日本では、原子力災害対策本部などの議事録が作成されていないため、政府の事故直後の対応がどうだったのか、検証できない。これから、事故直後のメモなどを参考にして議事録を作成するということだが、メモでは、細かなところが不明確になりかねない。
 原発事故に関するさまざまな会議には、記録をとるための人員を配置して、やりとりを正確に記録してほしいと思う。事故にどう対応したのかを検証することは、今後同じような事故を防ぐために役に立つと思う。

《参考記事》
「米当局 メルトダウンを想定して対応」NHKニュース222 1930
K10031999211_1202221928_1202221かkっかっこhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20120222/k10013199921000.html

『「必要なのは水、水だ」 米、福島原発事故時の対応公開 』2012年2月22日21時57分
http://www.asahi.com/international/update/0222/TKY201202220646.html

2012年2月19日日曜日

ライターによる火災、幼い子が犠牲に

2月14日、東京都板橋区で、幼い女の子が住宅の火災で亡くなった。警視庁は、死因は二人とも、一酸化炭素中毒とみている。

火事が起きた時、母親は二人を残して買い物に出かけて不在だった。高島署によると、3階の居間のこたつ付近が激しく焼けており、付近にライターが落ちていたという。落ちていたライターは、子どもの火遊びを防止するための機能がついていない子どもでも点火が簡単にできる旧型のものだったという。

高島署はライターの火遊びが火事につながった可能性があるとみて、調査をしている。しかし、子どもが使いにくくした「CR(チャイルドレジスタンス)」機能のない使い捨てライターは、昨年9月から販売が禁止されている。

東京消防庁によると、2006年から2010年に、12歳以下の子どもによる火遊びの火災は328件あり、7人が死亡、125人がけがをした。火事の原因の7割がライターを使ったものだったことから、子どもが点火しにくいライターを販売するよう求められ、昨年使い捨てライターは販売規制されたばかりだった。

旧式のライターが回収されずにまだ販売されているのだろうか?そうであるならば、ライターを製造販売する業者は回収する方法を早く検討して回収してほしい。また、家庭でも、古い型のライターが残っていないか調べ、あれば処分する、また新しい型であってもライターを子どもの手の届かないところにおくこと、子どもに火遊びが危険であることを教えるなど、大人は幼い子どもを守る努力をしてほしい。
《参考》
拙ブログでは、以下で取り上げました
「ライター火災、消費者庁などが全国調査実施 」2010年4月4日
http://tomosibi.blogspot.com/2010/04/blog-post_04.html

(独)製品評価技術基盤機構は、子どものライターなどの事故について注意喚起している。
「子どもによるライター等の事故の防止について(注意喚起) 」2011年9月22日
http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs110922.html

《参考記事》
「死亡は幼い姉妹 火元近くにライター 東京・板橋の火災」朝日新聞2012年2月15日11時49分
http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY201202150151.html

「CR機能なしライター きょうから販売規制 園児に絵本で呼び掛け」 東京新聞2011年9月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20110927/CK2011092702000029.html

特急とトラックが衝突~明石踏切事故

報道によると、2月17日午後4時50分ころ、兵庫県明石市のJR神戸線西明石駅付近の踏切で、特急とトラックが衝突し、乗客8人とトラック運転手の計9人が軽傷を負うという事故がおきた。
特急は倉吉発京都行きの特急列車「スーパーはくと10号」(5両編成、乗客146人)で、踏切に進入してきた2トントラックと衝突したという。

JR西によると、現場は西明石駅から東に約800mの位置にある業務用の踏切で、車両のメンテナンスをする網干(あぼし)総合車両所明石支所の敷地内にあり、JR関係者以外は立ち入りできないという。列車が時速約100kmで踏切を通過しようとした際、運転士が踏切内に進入したトラックに気付き非常ブレーキをかけたが、間に合わず、先頭車両などにぶつかった。JR西は、事故当時、踏切に遮断機は設置されていないが、警報機は鳴っていたとみている。
国土交通省の運輸安全委員会は、18日鉄道事故調査官2人を現地に派遣し、現場周辺の調査に入った。また、兵庫県警は、トラックの運転手が、現場の踏切を通ったのは初めてで、不慣れだったのではないかとみている。

この踏切では、過去に2度同様の事故が起きていることもわかった。2003年と2006年に列車と車両が接触する事故が起きていた。JR西は対策として、警報ボタンを設置したという。警察の調べに対してトラックの運転手は、「警報音は聞こえたが、遮断機もなく、列車は来ないだろうと思った」と語っている。
現場の踏切には警報機だけで、遮断機が設置されていないという。 特急などの速度の速い列車が通過する踏切には遮断機が設置されるべきではないだろうか。

《参考記事》
「特急とトラック衝突、乗客ら9人けが 明石のJR神戸線」朝日新聞2012年2月18日
「県警が特急車両を検証、事故調は現地調査 明石踏切事故」朝日新聞 2012年2月18日
 
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201202180033.html
「西明石駅踏切事故 過去に2度、同様の事故」日本テレビ2012年2月18日
http://news.livedoor.com/article/detail/6291188/

2012年2月2日木曜日

JR飯山線踏切事故から1年

 2011年2月1日午後0時12分ころ、新潟県津南町上郷寺石の大根原踏切で、JR東の社員が車を誤って踏切内に誘導したため、車と列車が衝突し運転していた男性が亡くなった。

 踏切は、事故当時朝から遮断機が故障し警報が鳴ったままだったため、通行者があるとJRの社員が踏切の遮断機を手で上げていた。JRの社員は、遮断機を上げて車を踏切内に誘導したところ、長野発十日町行普通列車(1両)が来て車と衝突、車に乗っていた男性が死亡した。

 JR社員が車を誘導する際に、列車の運行状況などの安全確認を怠ったとみられているが、当時は大雪のため、踏切周辺は雪が壁になり2.4mに達していた。そのため、見通しも悪かったという。  

 国土交通省の運輸安全委員会は、事故後、事故調査を行っており、事故調査報告書は作成中である。(ホームページhttp://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1794

 
 列車は自動車よりも何倍もの重量とスピードがあるのだから、もし車や人と列車が衝突したら、人や車はひとたまりもない。そんな危険な踏切の遮断機を上げる際には、係員はダイヤや列車の運行状況などを確認してほしい。

 
 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福を祈ります

《参考記事》
「飯山線踏切事故から1年 JR東社長ら現場で冥福祈る」 新潟日報2012年2月1日
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/

2012年2月1日水曜日

阪神大震災でも議事録作成せず

  報道によると、阪神大震災など過去の大災害の際に設置された非常災害対策本部の会議でも、議事録や議事概要が作成されていないことが、内閣府防災担当の資料でわかった。
 昨年4月の公文書管理法の施行前とはいえ、自民社会さきがけ政権や自民公明政権の時代から、記録が残されていないことがわかった。公文書管理法では、政策決定の過程が確かめられるよう、会議の文書作成を義務付けている。
 非常災害対策本部は、国土庁長官(当時)や防災相トップが務める。1995年の阪神大震災、2000年三宅島噴火、2004年新潟県中越地震など7回設置された。いずれも議事録や議事概要がなかった。阪神大震災では、首相の緊急対策本部も設置されたが、この会議の議事録や議事概要もないことがわかった。
 会議で決定した事項や各省庁からの報告資料は残っているが、詳細な発言のメモはなくこれらの会議の議事録の復元は困難だということだ。

 また、国土交通省も、東日本大震災で設置した三つの会議の議事録を作成していなかったことを明らかにし、昨年3月11日から11月28日まで62回開いていた会議の議事録を、メモなどをもとに作成するという。

 災害時の対応がどうだったのか後から検証し、今後の対策に役立てられるよう、記録をとることは何よりも大切なはず。政府の重要な政策決定の過程が記録されず、会議の内容が公開されないのは、国民に対する「背任行為」(福島県双葉町井戸川克隆町長の発言)と批判されても仕方ない。

《参考記事》
「阪神大震災でも議事録つくらず 防災相トップの対策本部」 朝日新聞2012年01月31日
http://www.asahi.com/politics/update/0131/TKY201201310641.html