警察によると、木之本踏切の警報機・遮断機は、正常に作動していたという。
11月23日、木之本踏切に行った。木之本踏切は、JR北陸線木之本駅のホームのそばにあった。警報機・遮断機のある第1種踏切で、非常ボタンも設置されていた。木之本駅には各駅電車は停車するが、特急は高速で通過する。駅を出て踏切を渡ると、国道に出るために信号がある。踏切の長さは20m位で幅は8~9mはあるだろうか。
踏切道は駅と国道を結び、北陸自動車道の木之本インターチェンジも近くにあるためか、車両の通行が多かった。歩行者用の路側帯は両脇にあるが、それぞれ1mもなく狭い。歩行者は車をよけながら、踏切を渡らねばならない。
写真① JR北陸線木之本踏切。左に見えるのは、木之本駅のホーム。手前の
線路が下り線。男性はこちら側から踏切に入ったが、線路を渡りきれなかったらしい。
下りの特急は右側から来て、木之本駅を高速で通過する。2014年11月23日撮影
|
木之本踏切を渡って100mほど先に信号があるので、車両が踏切と信号の間に多く入ってしまわないように、この日は、警備員の男性が車両の誘導にあたっていたが、SLの運行のない日は、警備員が踏切に立つことはないという。
写真② 木之本駅に到着したSL北びわこ号。2014年11月23日撮影 |
写真③ 路側帯にU字型の柵がある。 2014年11月23日撮影 |
写真④ 木之本踏切を通過する下りの特急電車。 2014年11月23日撮影 |
後進しようと、電動車いすを操作しているうちに、早い特急電車は踏切に来てしまう(写真④)。
男性がどちらの路側帯を通行していたのかわからないが、いずれにしても狭い路側帯を車両に注意しながら、踏切を通行するのは大変だ。
電動車いすの事故は、(独)製品技術評価基盤機構が事故調査にあたる。また、今度、消費者庁の消費者安全委員会も、新しく電動車いすの事故を調査することを決めた。
調査にあたる委員会には、男性の乗っていた電動車いすが製品として問題がなかったかどうかだけでなく、踏切の安全対策に問題はなかったかどうかも調査して、事故が減るよう、対策を検討してほしいと思う。
急速に高齢化が進んでいるという日本。お年寄りは、一人で自立して行政や周囲に頼らずに生きていくように言われている。また、お年寄り自身もなるべく人に迷惑をかけないように、子供らの負担にならないようにと懸命に生きている。電動車いすや手押し車などに頼って必死に歩いて買い物や通院に出かけるお年寄りが増えている。そんな中、町の中はバリアフリーが十分進んでいるとは言いにくい。とくに踏切やホームでは危険が大きいと感じる。
高齢者に「自立せよ」というばかりではなく、自立して安心して生きていけるよう住みやすい環境をつくるべきではないだろうか。
最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福を祈ります。
≪参考記事≫
「特急と衝突、車いすの男性死亡 誤って進入? 長浜の踏切 /滋賀県」朝日新聞大阪2014年10月25日
http://digital.asahi.com/article_search/detail.html?keyword=%E6%9C%A8%E4%B9%8B%E6%9C%AC%20%E8%B8%8F%E5%88%87&kijiid=A1001220141025M-SI-1A-014&version=2014112605
0 件のコメント:
コメントを投稿