毎年、受賞予測を発表し、的中した実績のある民間研究機関・オスロ国際平和研究所が、3日、ウェブサイト上の予測リストを更新、それまでランク外だった「憲法9条」がトップに上がった。
これまで、同リストにはフランシスコ・ローマ法王が筆頭候補だったそうだ。3日付けで「憲法9条」が法王と交代した。
報道によると、オスロ国際平和研究所長のハープウィケン氏は、
「中立や不可侵、平和主義につながる原則を掲げる憲法9条は、軍事的な紛争解決が多用される昨今において重要であるにもかかわらず、十分に光が当たっていない」と話しているという。
戦争の放棄を定めた憲法9条をノーベル平和賞に推した「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・神奈川県相模原市)には、今年4月に、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から推薦を受理したという連絡があり、「憲法9条」は正式に平和賞候補になっている。
事務局のホームページによると、憲法9条に平和賞授賞をもとめる署名は10月2日時点で、41万人分集まっているということだ。
戦後70年、日本が他国と一度も武力衝突を起こさずに来たのは、憲法9条の存在が大きい。
憲法の理念を守ろうとする人たちと、憲法の中身を変質させ戦争ができる国にしようとする人たちとのせめぎあいの中で、守られてきた平和主義。それは、日本だけでなく、世界中の人たちが共感できるものにちがいない。
先の戦争で失ったたくさんの命。その尊い犠牲を忘れず、戦争を無くし平和な世界をつくるのが、戦後に生きる私たちのつとめではないかと思う。その中心に、憲法をすえていこうと思う。
≪日本国憲法から、前文と第2章第9条を抜粋≫
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。≪以下のホームページから署名ができます≫2014年10月8日追加
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
http://nobel-peace-prize-for-article-9.blogspot.jp/
以下のキャンペーンのリンクからネット上で署名ができる仕組みに
http://www.change.org/p/
≪参考記事≫
「9条、なぜノーベル賞トップ予測『戦後の歩みに共感』」朝日新聞2014年10月7日10時28分
http://digital.asahi.com/articles/ASGB64J07GB6PTIL010.html
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