報道によると、2013年12月5日、広島市安佐北区白木町秋山のJR芸備線無連地(むれんじ)第2踏切で、介護福祉施設の車が広島発三次行き普通電車(2両)と衝突して、車を運転していた介護施設職員の女性と、乗っていたお年寄りが亡くなった。同乗していたお年寄りの妻も重傷を負った。
事故後、広島テレビが、事故がなぜ起きたのか、警報機・遮断機のない踏切がいかに危険か検証、ドキュメンタリーとして放送した。
この番組によると、現場は、遮断機・警報機のない第4種踏切で、電車が来た方はカーブしているため、見通しが悪かった。電車が無連地第2踏切に近づくと手前で、警笛を4秒鳴らすが、鳴り終えるとすぐに踏切に着く。 踏切入口から電車が見えにくいため、カーブミラーが設置されていたが、朝や雨の時などはミラーが曇っていて、電車が来るのが見えにくいこともあったという。番組では、踏切の手前で、車から助手席の人が車から降りて、電車が来るかどうか確認する場面もあった。
事故の前に、付近の住民からはJRに対して、踏切に警報機を設置してほしいという要望が出されていた。
また、報道によると、40年前にも、踏切でバイクに乗った近くに住む女性が、電車に撥ねられて亡くなる事故が起きており、女性の夫がお地蔵さんを踏切近くに建てていた。
事故後、付近の住民や警察、JR西日本広島支社などで、安全対策について検討した。その結果、今年5月になって、JR西日本は、現場の踏切に、警報機と遮断機を設置することを決めた。
番組が放送される前は、JR西日本の担当者は、「遮断機や警報機の設置には、3,000万円かかる」「設置には、交通量などを考慮して決める優先順位があり、無連地第2踏切は優先順位が低かった。」などと、ニュースで語っていた。
事故から半年も経たずに、このような安全対策を決めた背景には、住民のみなさんの強い要望や、広島テレビはじめ各社の報道の力が大きいだろうと思う。
しかし、事故が起きて尊い命が奪われてから、安全対策を考えるのではなく、変化しているひとつひとつの踏切の実態を把握して、積極的に事故を未然に防ぐ対策を講じてほしいというのが、正直な気持ちだ。
最後になりましたが、亡くなられたお二人の方のご冥福を祈ります。
《参考記事》
「介護送迎、2人衝突死 遮断機ない踏切 1人重体−−広島」
毎日新聞 2013年12月07日 大阪夕刊
http://mainichi.jp/area/news/20131207ddf041040025000c.html
「安全過疎 取り残された危険な踏切」 2014年5月26日放送 広島テレビ制作
http://www.ntv.co.jp/document/back/201405.html
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