田上市長は、平和宣言の中で、安倍政権による集団的自衛権の行使容認について懸念を示す文言を入れることを明らかにした。
田上市長は「安全保障の現状を明確に伝えるために集団的自衛権という言葉を入れたほうが伝わりやすい」と語った。一方、広島市の松井一実(かずみ)市長は宣言に盛り込まない考えを示した。
長崎平和宣言は、被爆者や大学教授ら14人が委員を務め、田上市長が委員長を務める起草委員会での議論をふまえて、市が作成する。
田上市長は、集団的自衛権行使容認をめぐる議論を機に、国民の中で平和に対する不安や懸念が広がっており、政府はそういった国民の声に真摯に耳を傾けるべきと要請するという。
広島平和記念公園に残された原爆ドーム。2012年12月1日撮影 |
原爆投下後の広島市、原爆ドームの周辺の写真。 広島平和記念資料館にて。 2012年12月1日撮影 |
同じ1日、広島市の松井一実市長は、6日の広島原爆の日に読み上げる平和宣言の骨子を発表した。しかし、集団的自衛権の行使容認については、言及しない考えだが、戦後69年間憲法の平和主義のもとで戦争をしなかった事実を重く受け止めて、これからも平和国家として歩むことを訴えるという。
また、核保有国に対しては、非人道的な脅しで自国をまもろうとすることをやめ、信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくりを訴えるという。
昭和22年の広島市平和宣言は、
「戦争の惨苦と罪悪とを最も深く体験し自覚する者のみが苦悩の極致として戦争を根本的に否定し、最も熱烈に平和を希求するものであるから」と、
原爆の惨禍をもたらした戦争を否定し、「永遠に戦争を放棄して世界平和の理想を地上に建設しよう」と訴える。
69年前の夏の暑い日、きのこ雲の下で、一瞬のうちに、何が起こったのかもわからずにこの世を去ることになった人々を思い、二度と戦争を起こさないと誓うこと。戦争による大きな犠牲の上に、私たちがたどり着いた結論は、この後に大切に伝えて行かなくてはならないと思う。
《参考記事》
「広島市平和宣言(昭和22年)」広島市ホームページ
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1111795443652/index.html
「(社説余滴)平和宣言の原点に返れば」朝日新聞2014年7月22日
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11257622.html
「平和宣言で長崎市、行使容認に懸念表明へ」朝日新聞2014年8月1日
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11278521.html
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