ここでは、2012年11月5日、電動車いすに乗っていた女性が特急電車に撥ねられて亡くなった。事業者の報告によると、事故当時、特急電車は、踏切を時速110kmで通過している。
報道によると、旧庄本踏切で、電動車いすのそばに女性が倒れているという110通報があった。豊中南署の調べでは、女性(79歳)は、歯の治療を終えて帰宅する途中だったようだ。
旧庄本踏切には、遮断機、警報機があり、非常ボタンと障害物検知器が設置されている。踏切の幅は約2.5m、長さ約8mくらいだろうか。
事業者が運輸局に提出した事故報告の「概況」欄には、「担当運転士は、通過中に電動カートに乗車していた当該女性は確認していない」と記入されている。特急電車の運転士は、女性に気付かずに踏切を高速で通過していたらしい。
阪急神戸線旧庄本踏切 2014年4月26日撮影 |
旧庄本踏切 踏切道が線路に対してななめに交差している。
ななめに黄色線が引いてあるが、歩道といえない。2014年4月26日撮影
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また、線路は踏切の前後の道に比べて高いため、電動車いすで通行しようとすると、走りにくいのではないだろうか。
踏切が開くのを待っていた女性が、何らかの理由で、踏切内に進入してしまい、梅田行きの特急電車(8両)の7両目側面に接触したが、なぜ進入したのかはわかっていない。
この事故は、製品事故として、メーカーから連絡が入り、(独)製品評価技術基盤機構(以下NITEと略)が、事故の際に女性が乗っていた電動車いすの調査を行っている。
このNITEの事故情報の「事故原因」欄には、
「当該製品が踏切内に進入した原因は不明であり事故原因の特定には至らなかったが、当該製品は、前進・後進等の捜査に対して正常に反応し、ブレーキ機構にも異常は認められてなかったことから、製品に起因しない事故と推定される」とある。
なお、このNITEの情報には、製品が原因とされる事故ではないため、メーカー名の記載はない。また、亡くなった方の個人情報の記載もない。そのため、事故発生日と事故発生地の情報から、この事故情報が、旧庄本踏切の事故と推測した。
なぜ、事故が起きたのか、十分調査されないまま、危険な踏切が放置されていないだろうか。
この旧庄本踏切に立ってみると、そんな思いが大きく膨らんでくる。
最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。
《参考記事》
「踏切事故 車椅子の女性はねられ死亡 阪急神戸線」2012年11月5日(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20121105k0000e040167000c.html
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