2011年8月31日水曜日

国交省「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成22年度)」を公表

 8月29日、国土交通省鉄道局は「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成22年度)」を公表した。
 人や物資を大量、高速、かつ提示に輸送できる鉄軌道は、国民生活に欠くことのできない交通手段である。
 しかし、一たび、事故が発生すると多くの犠牲を生み、利用する人々にとっても重大な支障をきたすなど甚大な被害を生じるおそれがある。このため、国交省は、安全対策を総合的に推進し、国民が安心して利用できる安全な鉄道にする必要があると、「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報」(以下、「情報」と略)の冒頭でのべている。

 今回公表された「情報」では、「第8次交通安全基本計画」(計画期間平成18年度~22年度)の達成状況と、新たに定められた「第9次交通安全基本計画」(計画期間平成23年度~27年度)に基づく国土交通省の業務計画についてもふれている。

 「第8次交通安全基本計画」では、平成17年4月に起きた福知山線列車脱線事故のような事故を二度と起こしてはならないという思いから、乗客の死者数0をめざした。その後、平成18年から22年まで5年間、乗客の死者数は0である。

 また、平成17年3月に起きた東武伊勢崎線竹ノ塚踏切事故のあと、国交省や鉄道事業者などが踏切道の改良や高架化、踏切事故撲滅キャンペーンなどに積極的に取り組んだ結果、平成17年に比べて平成22年は、踏切事故が約3割減少した。
 しかし、相変わらず、第3種踏切(警報機あり、遮断機なし)、第4種踏切(警報機・遮断機ともなし)では、第1種踏切(警報機・遮断機ともあり)に比べると、事故のおきる割合が高くなっており、これらの踏切の安全対策や開かずの踏切への対策が急がれる。(「情報」P14)

 第9次交通基本安全計画に基づき国土交通省が定めた業務計画の中で、鉄道交通の安全について、平成23年度に講ずべき施策として以下の項目が新しく加えられたり、重視されるなどした。

○鉄道事故等の原因究明と再発防止 …事故等調査技術の向上に努め、過去の事故等調査結果を公表するなど、事故等の防止に対する啓発活動を行う
○被害者支援の推進 …交通事故被害者等支援の在り方などについて検討を行う
○鉄道交通の安全に関する知識の普及…利用者等への安全に関する正しい知識の浸透

 国交省や鉄道事業者の鉄道の安全確保と安全性向上への地道な取り組みによって、悲惨な事故が減ってきているのだろうと思う。鉄道事故や踏切事故が無くなるように、そして尊い犠牲がすこしでも無くなるようにと思う。

《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成22年度)の公表」国土交通省鉄道局平成23年8月
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo08_hh_000029.html

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