2011年4月3日日曜日

あしなが育英会、東日本大震災で緊急対応措置

 あしなが育英会は、3月22日、東日本大地震・津波で親を失った0歳から大学院生までに「特別一時金」の支給を決定した。同会は、病気や災害、自死(自殺)で親を亡くした子どもたちを物心両面で支える民間の非営利団体で、遺児の進学支援のため、奨学金を貸し出すなどしている。

 報道によると、今回の東日本を襲った大地震で、保護者が亡くなるか行方不明になり、「あしなが育英会」に、返済の必要のない特別一時金の給付を申し込んできた子どもは、86人に上ることが分かった。うち15人は両親をともに失ったという。同会は、今回の震災の被害で、遺児がさらに増えるとみて、職員を被災地に派遣し、実態の把握につとめているという。

 特別一時金を申し込んだ86人の内訳は、小学生21人、中学生10人、高校生25人、大学生・専門学校生23人で、就学前の子も3人いた。また、父親を失った子供は54人、母親を失った子供は10人にのぼった。

 両親ともに亡くした15人の子供のうち、最も多いのは高校生で7人、大学生・専門学校生は6人、小学生が2人だという。

 特別一時金は、未就学児10万円、小中学生20万円、高校生30万円、大学・専門学校・大学院生は40万円を給付。
 同会は「地震発生が平日の昼間だったため親と離れて学校にいた子供が多く、遺児がかなり増える可能性がある」と考え、給付金制度を設けた。40年以上になる同会の遺児支援・あしなが運動で初の措置となる。

 同会は、一時金を申し込んだ宮城、岩手両県の8家庭を訪問、子供の置かれた状況も調べた。 父親を津波で亡くし、母親と子ども2人が残された家庭や、高校生の兄妹だけ残され避難所を転々としてやっと会えたという家庭もある。
 家や家財が流され、遺児たちは勉強道具も失って新学期を迎えるのも容易ではない。学びたいという遺児たちの願いをかなえることができるよう、各種の奨学金をはじめ、各方面からの支援策をのぞみたい。 

《参考》
「東日本大地震・津波への緊急対応措置について」 あしなが育英会
http://d.hatena.ne.jp/ashinagaikueikai/20110322/1300868171

「震災遺児86人を把握 あしなが育英会、特別一時金給付へ」
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E2E3E2E6948DE2E0E2E6E0E2E3E39191E2E2E2E2?n_cid=DSANY001

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