2009年6月22日月曜日

踏切事故の現場をたずねて~東行田桜町踏切

2008年10月9日撮影
:秩父鉄道桜町踏切(第4種)

 
 2008年9月27日朝、中学2年生が中学の部活に行く途中、踏切で急行列車に撥ねられて、亡くなった。第4種踏切で警報機も遮断機もない。写真のように踏切の標識とポールがたっているだけである。秩父鉄道では、2005年以降5件踏切事故が起きている。いずれも、第4種踏切である。

 
 ニュース写真で見たこの踏切は、私が知っている開かずの踏切とは異なり、とても貧弱に見えた。どうしてこのような踏切があるのかと思い、なぜ、事故が起きたのかと思い、現場に行ってみようと思った。
 
 10月9日、JR熊谷駅で秩父鉄道に乗り換えた。駅員さんに踏切の場所を尋ねて、事故のあった桜町踏切に行った。報道によると、近くには、中学校があり、通学路には遮断機のある踏切の方を使うよう言われていたそうだ。しかし、中学生や住民には、第1種の踏切の方より、こちらの方が近道で、車が通らないので安全と思われていたのかもしれない。

 
 中学生が来た方から、事故のあった踏切に近づくと、急行列車が来た方(写真左側)は、民家があって見通しが悪いと思った。また、踏切入口に立つと、列車が来た方はカーブしていており、左の方に第1種踏切があるのが見える。もちろん入口に立てば、100mくらい離れた第1種踏切の警報音が聞こえる。しかし、警報音がしていても、まだ列車が見えないと踏切を渡ってしまいかねない。

 秩父鉄道は、国交省の統計によれば、第3種(警報機はあるが遮断機のない踏切)や第4種踏切が残っている割合が、他の中小民鉄に比べ多く、約300ある踏切のうち、三分の一は第4種踏切である。駅員さんによれば、秩父鉄道は財政的に苦しく、踏切保安設備を整備できないのだという。
 
 駅に戻り、急に訪ねるのは悪いと思ったが、亡くなった中学生のお宅を訪ねてみようと思った。

 事前に連絡していなかったので、お留守ではないかと思ったが、お母さんが在宅していたので、上がらせてもらい、お焼香させていただく。お母さんがお子さんの話をしてくださった。いつもは慎重な子がなぜ、踏切を渡ったのかわからないと、お母さんは語る。

 その後、この踏切には、行っていないので、どのような対策がとられたかわからない。
通学に使われている踏切ならば、遮断機や警報機を設置する等、何らかの対策をとるべきではないかと思う。

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