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2017年4月14日金曜日

那須で雪崩、高校生ら8名死亡~林野庁、雪崩危険個所に指定

 報道によると、3月27日午前9時20分頃、栃木県那須郡那須町湯本にある那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山をしていた高校生らが巻き込まれた。高校生らはスキー場のゲレンデ上部で登山中に雪崩に遭い、県立大田原高校の生徒7名と教諭1名が死亡、他に生徒と教諭の計40名が重軽傷を負った。

 那須高原署や消防、県教育委員会によると、現場では、3月25日から27日、栃木県高校体育連盟が登山訓練「春山講習会」を主催、県内七つの高校の山岳部の1,2年生が参加していたという。
 報道によると、27日午前6時に、雪による悪天候のため登山を中止したが、午前8時から生徒と教員の計48名で雪を分けて進む「ラッセル訓練」をしていた。参加7校が5班に分かれて、大田原高校が先頭で訓練していたようだ。
 宇都宮気象台は、26日午前10時半ころ、栃木県北部に雪崩や大雪の注意報を発表、注意を呼びかけていた。担当者は「未明からの約10時間で積雪となり、気温は比較的高い。雪崩が起きやすい環境だった」と話しているという。

 報道によると、林野庁は、現場一帯の那須岳国有林は「雪崩危険箇所」として指定していたが、栃木県は山岳関係者らに周知していなかったことがわかった。
 また、林野庁は国有林に立ち入る際は、入林許可の申請を求めていたが、講習会を毎年主催していた県高等学校体育連盟登山専門部は、少なくとも5年間は申請していなかったという。林野庁は「申請があれば、雪崩への注意を促すことができた」としている。

 林野庁などによると、1997年度に現場一帯を危険箇所に指定し、県に伝達したが、県は防災計画に明記したものの、県が独自に危険地域を図示しているHPには反映していなかったという。県は危険箇所を見直す方針。

 亡くなった大田原高校の生徒らは、雪をかきわけながら歩くラッセル訓練で、スキー場上部にある樹林帯を越えた標高の高い斜面まで登っていたとみられ、樹木などの障害物の少ない斜面で雪崩の直撃を受けた可能性があるという。他校の生徒は、雪崩の勢いが軽減される樹林帯の中や、さらに標高の低い場所にいて、重軽傷のけがですんだとみられている。

 生徒らが、春山登山の訓練をするのに那須岳が適していたかどうかなど、これから捜査されるのだろうが、林野庁の情報が、訓練を計画する高校体育連盟など、関係者に届いていなかったことが事実だとすれば、とても残念なことだ。

 訓練の計画にかかわる人たちは、多くの生徒の命を預かるのだから、訓練をする場所など、十分に調査して計画をたててほしい。そして、無理な訓練をしないでほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた生徒や教員の方のご冥福を祈ります。

《参考記事》
「那須8人死亡 現場は雪崩危険箇所 林野庁指定、県は周知せず」
2017年4月2日東京新聞 TOKYO Web
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040202000124.html

2015年9月2日水曜日

大阪市教育委員会、組体操の段数制限へ~児童・生徒の安全を優先

 報道によると、9月1日大阪市教育委員会は、市立小中高校の運動会で行われている組体操「ピラミッド」「タワー」の段数を制限することを決めた。全国で、組体操中の骨折事故などが多数報告されていることを受けて、規制に踏み切った。組体操の段数の制限は全国でもめずらしいというが、専門家からは、危険性が指摘されていた。

 四つん這いになって重なるピラミッドの高さは5段まで、肩の上に立って重なるタワーは3段までに制限することとし、市立幼稚園や特別支援学級も規制の対象にする。
 大森不二雄委員長は「組体操が運動会の華でありつづけて良いのか。『いくらなんでも』と言われないよう上限を設けた。実施にあたっては、安全性が確保できるか校長が慎重に検討し、不安を覚えたらやめていただきたい」と話しているという。

 ピラミッドの9段の高さは6~7mに達し、建物の2階相当、タワーの5段も3~4mに達する。
日本スポーツ振興センター(東京)によると、全国の組体操中の事故は2013年度、小学校で6349件、中学校1869件、高校343件起きている。骨折事故は小中高合わせて2千件を超すという。
 名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)によると、2004年から2013年度までの10年間に、全国で死亡事故の報告はないものの、障害の残るケースが19件あったという。内田准教授は
「感動や一体感ではなく、何よりも児童・生徒の安全が重視されるべきだ」と話している。
 
 内田准教授の著書によると、労働の安全衛生についての基準を定めた「労働安全衛生規則」(厚生労働省)は、高所での作業について定めている。ここには、床面からの高さ2m以上の高所での作業について、「墜落等による危険の防止」のために、細かな規制が定められている。長くなるが引用する。

 第五百十九条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある個所には、囲い、手すり、覆い等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければならない。
 2 事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

 内田准教授は、労働者である大人が2メートル以上のところで仕事するときには、ここまで厳しい管理が事業者に求められているのに、子どもたちが組体操という高所での教育活動に従事するときには、学校側には何の管理も求められていないと指摘する。

 組体操には「囲い」もない。「手すり」も「覆い」も「防網」もない。子どもたちは、つかまるところもない状況で、組体操という高所作業に取り組んでいるのだ。大人の労働の世界ではあってはならないことが、子どもの教育の世界では繰り広げられている。
 また、組体操の巨大化は、高所にのぼる子どもを危険にさらすだけでなく、土台となる生徒にかかる負担にも注目しなければならないという。
 内田准教授が、人間ピラミッドの基本形10段を例にして、土台(1段目)にかかる負荷量を計算した。
 それによると、10段(計151人)の場合、土台の中でもっとも負担が大きいのは、背面から2列目の中央にいる生徒で、3.9人分の負荷がかかる。中学2年男子(全国平均48.8kg)で約4人分計190kgの重量が、一人の生徒にのしかかっているというのだ。

 なぜ、それほどまでに危険な組体操をするのか。
戦後の一時期をのぞいて、「学習指導要領」から姿を消した「組体操」。2000年代に入って、再び取り組まれるようになり、巨大化・高層化した。また、低年齢化した。
 組体操を指示する教育者によれば、組体操の教育的意義は子どもが「感動」や「一体感」「達成感」を味わうことができることにあるという。しかし、その教育的意義に目を奪われて、危険性が見えなくなっているのではないか。子どもたちが信頼し合って巨大なオブジェを作り上げることの意義にばかり目がいき、リスク管理を忘れているのではないか。

 「感動」や「一体感」は、組体操を巨大化・高層化しなくても得られるのではないだろうか?運動会の演目で、感動を呼ぶものが危険であってよいはずがない。

 私は、子どもたちが運動会で元気に楽しそうに走りまわるのを見るだけで感動している。

≪参考≫ 
内田良(名古屋大学大学院准教授)著
「教育という病 子どもと先生を苦しめる『教育リスク』」 光文社新書
≪参考記事≫
「人間ピラミッド5段まで 事故防止へ、大阪市教育委員会が規制」2015年9月1日朝日新聞
http://digital.asahi.com/articles/ASH805CRNH80PTIL01P.html

2013年11月18日月曜日

学校での事件、事故の相談全国ネットワークが発足

 報道によると、いじめを原因とする自殺や、体罰など学校で起きている事件や事故に専門的な知識を持つ全国の弁護士が、被害者や遺族の相談を受け付ける窓口となる全国初のネットワークを発足させた。

 11月17日、16都道府県の弁護士約60人が加入する「学校事故・事故被害者全国弁護団」が発足した。引き続き全国から弁護士の参加を募るそうだ。
 
 (1)子供の権利を守る立場を貫く
 (2)被害者、遺族らの話に耳を傾けて心に寄り添う――
との2点を条件に弁護士を募るという。ベテラン弁護士からの推薦が必要だが、知識や経験は問わないとのこと。

 学校で事故や事件が起きても、事実関係を隠したり、自治体が設置した第三者委員会に問題があることもあり、被害者や遺族の納得のいく真相解明がなされていないこともある。
 
 学校で起きた事故や事件の事実関係を明らかにすることは、いじめや体罰、事故をなくすことにつながるはず。自殺や体罰、学校での事故が少しでも早く無くなるようにと、思う。

《参考記事》
「いじめ相談全国ネット始動 弁護士60人参加」 2013/11/17 17:54   共同通信
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013111701001720.html

「いじめ相談で弁護士が初の全国ネットワーク 11月発足へ」 2013/8/25 18:38  共同通信
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2500Q_V20C13A8CR8000/

2012年8月31日金曜日

徹底した事実の解明を~大津市の中学生の自殺

 
 昨年10月、滋賀県大津市で、いじめを受けていた市立中学2年生が自殺した。
 その後、学校が行った全校生徒に対するアンケートで、同中学校の生徒15人が、自殺した男子生徒が自殺の練習をさせられていたと聞いたと答えていた。
 しかし、男子生徒がいじめを受けていた状況を調査する必要がありながら、大津市教育委員会は、昨年11月の会見では、このアンケートの事実は公表せず、調査も打ち切った。

 市教育委員会は、男子生徒に対するいじめがあったことを認めたが、「いじめと自殺との因果関係は判断できない」として、最終的な判断は民事訴訟の結論を待つ構えもみせている。
 大津市は、再調査をするため、第三者委員会を設置し、委員は遺族側から推薦を受けた尾木直樹法政大学教授ら3人と、大津氏が関係団体に推薦を依頼した専門家ら3人が決まった。
 報道によると、大津市がまとめた第三者委員会についての要綱案では、第三者委員会の調査目的を「自殺の原因を考察すること」などとした。遺族側は、第三者委員会でいじめと自殺との因果関係を明らかにすることを希望したが、市教育委員会側は「裁判所が判断すること」として、最終的な判断については、民事訴訟の結論を待つ構えのようだ。

 協議の結果、要綱案には「いじめの事実を含め、学校で起きたことを明らかにし、自殺の原因を考察する」と明記、いじめの事実解明や学校の対応などを調査するとした。
 また、要綱案では、いじめや自殺の再発防止に向けた提言をまとめることも盛り込まれたという。

 なぜ、自分の大切に育ててきた子が、死を考えるまでに至ったのか、なぜ死ななくてはならなかったのか、ご両親は事実を知りたいと思うにちがいない。
 NPO法人「ジェントルハート」が一昨年、学校で事故にあった本人や子どもが自殺した遺族らに行ったアンケートによると、学校や教育委員会の事実調査が「適切」「ほぼ適切だと思う」と答えたのは、合計7.9%だったという。一方、第三者による調査委員会や調査機関を「必要」「条件が整えば必要」と答えた家族は合計76%にのぼった。

 大切な子どもたちの死を無駄にしないために、事実関係を調査し、二度と同じようなことのないように、いじめと自殺を防ぐ対策を講じてほしいと思う。

 
 
《参考記事》
「弁護士、いじめ経緯調査…大津第三者委」(2012年8月27日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120827-OYO1T00221.htm?from=main1
「いじめ調査、成果に差 自殺解明、各地で第三者委設立」(2012年8月25日朝日新聞デジタル)
http://digital.asahi.com/20120825/pages/national.html
「大津中2自殺 『原因を考察』明記 市第三者委要綱案」(2012年8月21日京都新聞)
 
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120821000019
「『自殺の練習させられた』生徒が指摘、教委調査せず」2012/07/04 02:00   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012070301005696.html

2011年12月28日水曜日

柔道事故で賠償命令~部活動で高次脳機能障害

2004年12月、横浜市立奈良中学校で、柔道部の男子生徒(当時中学3年生)が男性顧問の教諭に柔道の技を掛けられて重傷を負った。その後、脳に後遺症を負った。神奈川県警は07年7月に傷害容疑で顧問の教諭を書類送検したが、横浜地検は嫌疑不十分として不起訴処分にした。その後、横浜第1検察審査会が不起訴不当としたが、同地検は09年12月、再び不起訴とした。生徒と両親は07年12月、顧問と横浜市と神奈川県に損害賠償を求めて、提訴した。

 報道によると、12月27日、この裁判の判決が横浜地裁で言い渡され、森裁判長は判決理由の中で「男性のけがは、教諭の掛けた技で脳の静脈を損傷したのが原因」と因果関係を認定した。「教諭は技を中止するなどの義務があったのに怠った」と学校側の過失を認め、賠償を命じた。

自分の首も支えられないほどふらふらになるまで練習させられ、技をかけられて投げられると、頭をぶつけなくても回転加速度が起こり、急性硬膜下血腫やびまん性軸索損傷を発症するという。首が座らない赤ちゃんを激しく揺さぶった場合(1秒間に3~4回くらいの激しい揺さぶり)、首を支点に頭が激しく揺さぶられると、脳と頭蓋骨がずれて急性硬膜下血腫やびまん性軸索損傷を発症するが、これと同じことが柔道事故でも起きているということがわかった。

 
 
  報道によると、日本スポーツ振興センターは毎年、「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」を発表している。学校事故などを研究する名古屋大学の内田良准教授が、この発表を集計したところ、2010年度までの28年間で、少なくとも全国で114人が死亡していることがわかった。競技人口当たりの発生率は、他競技に比べ突出し、年平均4人が亡くなっていた。
死因分析では、技を掛けられた時の衝撃などにより、頭部外傷が生じて死に至ったケースが中学は約8割、高校は約6割に上っていた。

 当時中学の柔道部員だった男性の父親で「全国柔道事故被害者の会」の会長でもある小林さん(65歳)は、「実態から目がそむけられたことで、多くの被害を生んだ。裁判所の公正な判決を事故防止の出発点にしたい」と語り、「欧米で事故を防げて、柔道発祥の日本でできないはずがない。二度と子どもの命をないがしろにしたくない。国も学校も、指導者も保護者も、危機意識を強く持ち、安全対策を勉強しなければならない」と訴えている。

 中学校では、平成24年度から武道が、1,2年次男女とも必修になり、剣道・柔道・相撲の中から、各中学校が選択して授業を行う。各都道府県の教育委員会では、柔道経験の豊富な体育教員が少ないため、教員の講習会を開いている。
中学での柔道事故の死亡確率が(10万人あたり)、2.376人と次に多いバスケットボールの0.371人と比べて、突出して高いといわれている。

 柔道事故を防ぐため、全国柔道連盟では、2013年度から柔道の安全な指導ができる資格者制度をつくることを決め、新たに指導者になるには、30~40時間の講習と試験が必要になる。
しかし、現在の指導者は3時間で資格が取得できる。また、学校の教員は、特例措置ですべて資格が取得できるという。
 一方、事故が起きたら、第三者委員会をつくり、事故原因を調べ、再発防止策までつくるべきだと、小林さんらは訴えている。
柔道事故の犠牲をなくし、安全に子どもらが柔道を学べるよう、関係する機関や指導者には安全な指導とは何か考えてほしい。

《参考記事》
「責任認定なぜ7年も」 2011年12月28日朝日新聞神奈川版2011年12月28日
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001112280005

「奈良中柔道事故訴訟きょう地裁判決、父「事故防止の出発点に」/横浜」
カナロコ 12月27日(火)5時0分配信
  ◆奈良中柔道事故 2004年12月、横浜市立奈良中学校で、当時中学3年生の柔道部員の男子生徒が男性顧問に技を掛けられ重傷を負い、後に脳に後遺症を負った。県警は07年7月に傷害容疑で顧問を書類送検したが、横浜地検は嫌疑不十分として不起訴処分とした。その後、横浜第1検察審査会が不起訴不当としたが、同地検は09年12月、再び不起訴とした。生徒と両親は07年12月、顧問と同市と県に損害賠償を求め提訴した。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111227-00000005-kana-l14

「中学柔道事故で賠償命令、横浜 県と市に計8900万円」共同通信2011年12月27日
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122701001137.html

2011年7月5日火曜日

来年度から中学武道必修~求められる柔道の安全指導

 7月5日(火)の朝日新聞オピニオンには、来年度から始まる中学の武道必修化について意見が寄せられていた。
 愛知県がんセンター総長の二村雄次さんは、がん治療の最前線で働くかたわら、柔道家としても知られ、名古屋大学柔道部師範として、学生を指導する。

 その二村さんによると、1983~2009年度の27年間で学校で柔道をしていて亡くなった生徒が110人もいたという(名古屋大学内田良准教授のデータ)。中学37人、高校73人、大半はクラブ活動中だった。また、けがも多く、軽度のものも含め、後遺症が残る障害事例は同じ期間に275件あった。

 二村さんによると、死亡した学年は中高とも1年生が5割を超えており、初心者が多いこと、受け身などの基本技術が未熟な子供への無理な指導や、体調が急変した際の対処の仕方がよくなかったケースもあるという。

 一方、中学では、武道の必修が2012年度に迫っており、生徒は男女とも剣道・柔道・相撲から選択して履修するが、柔道を選択する生徒が多いとみられている。二村さんは、柔道経験の豊富な体育教師の絶対数が足りない、各都道府県の教育委員会では、中学教員の講習会を開かれているが、日程が短いと指摘する。二村さんは対策として ・補佐役に外部講師を招く ・けが防止のために、ある程度体力をつけてから、投げ技を教えたらどうかと語る。
 
 事故を防ぐ手立ても考えられてはいる ・全日本柔道連盟医科学委員会では、頭部外傷発生時のマニュアルを作成 ・同連盟安全指導プロジェクト特別委員会は、冊子『柔道の安全指導』を改訂 ・2013年度から指導者資格制度を始める
 
 そういった対策を講じても、不幸にして事故が起きた時は、第三者による柔道事故調査委員会を設置して、原因を突き止め、再発防止策までつくるべきだと、二村さんはいう。
 
 昨年設立された「全国柔道事故被害者の会」では、二度と被害者を出さないために安全指導を徹底するよう訴えている。

《参考》
7月12日(火)、横浜市奈良中柔道部でおきた柔道事故の裁判で、証人尋問が行われる。
当時15歳の男子生徒が講道館杯優勝の柔道部顧問との乱取りで投げられ急性硬膜下血腫を発症。現在も重篤な高次脳機能障害を抱える。
場所:横浜地裁101号法廷(最寄駅 みなとみらい線「日本大通り駅」直近)
証人尋問:脳神経外科医2名 柔道家1名
詳しくは、全国柔道事故被害者の会ホームページ
http://judojiko.net/

2011年6月29日水曜日

東日本大震災の遺児、長期的総合的支援が必要

 28日、あしなが育英会は、5月末までに一時金を申し込んだ東日本大震災で親を亡くすなどした遺児1120人とその保護者の被災状況などについて、申し込み書類の内容を分析、まとめた内容を公表した。

 一時金を申し込んだ遺児のうち、両親がいない世帯が全体の2割にのぼる。申し込みのあった707世帯のうち、母子家庭は49%、父子家庭は30%、両親がいない世帯は19%であった。
 また、保護者の仕事を調べたところ、正規雇用は37%で、無職や休職中とした保護者も3割を超えるという。
 また、同会が副田義也・筑波大学名誉教授(社会学)とともに分析した結果によると、震災の遺児は小学生以下の割合が4割を超えており、物心両面から長期的に支援が必要だとしている。

 あしなが育英会では、どちらかの親が死亡または行方不明などの0歳から大学院生までの子供を対象に、特別一時金を支給しており、27日までに、計1325人に計8億3890万円を送金した。

《参考》
あしなが育英会 http://www.ashinaga.org/

《参考記事》
NHKクローズアップ現代NO.3063 「震災遺児をどう支えるか」 6月27日放送
「震災遺児の世帯、2割が『両親なし』 あしなが育英会が分析」  2011/6/28 10:17 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E1908DE0EAE2E4E0E2E3E39180E2E2E2E2?n_cid=DSANY001

2011年4月3日日曜日

あしなが育英会、東日本大震災で緊急対応措置

 あしなが育英会は、3月22日、東日本大地震・津波で親を失った0歳から大学院生までに「特別一時金」の支給を決定した。同会は、病気や災害、自死(自殺)で親を亡くした子どもたちを物心両面で支える民間の非営利団体で、遺児の進学支援のため、奨学金を貸し出すなどしている。

 報道によると、今回の東日本を襲った大地震で、保護者が亡くなるか行方不明になり、「あしなが育英会」に、返済の必要のない特別一時金の給付を申し込んできた子どもは、86人に上ることが分かった。うち15人は両親をともに失ったという。同会は、今回の震災の被害で、遺児がさらに増えるとみて、職員を被災地に派遣し、実態の把握につとめているという。

 特別一時金を申し込んだ86人の内訳は、小学生21人、中学生10人、高校生25人、大学生・専門学校生23人で、就学前の子も3人いた。また、父親を失った子供は54人、母親を失った子供は10人にのぼった。

 両親ともに亡くした15人の子供のうち、最も多いのは高校生で7人、大学生・専門学校生は6人、小学生が2人だという。

 特別一時金は、未就学児10万円、小中学生20万円、高校生30万円、大学・専門学校・大学院生は40万円を給付。
 同会は「地震発生が平日の昼間だったため親と離れて学校にいた子供が多く、遺児がかなり増える可能性がある」と考え、給付金制度を設けた。40年以上になる同会の遺児支援・あしなが運動で初の措置となる。

 同会は、一時金を申し込んだ宮城、岩手両県の8家庭を訪問、子供の置かれた状況も調べた。 父親を津波で亡くし、母親と子ども2人が残された家庭や、高校生の兄妹だけ残され避難所を転々としてやっと会えたという家庭もある。
 家や家財が流され、遺児たちは勉強道具も失って新学期を迎えるのも容易ではない。学びたいという遺児たちの願いをかなえることができるよう、各種の奨学金をはじめ、各方面からの支援策をのぞみたい。 

《参考》
「東日本大地震・津波への緊急対応措置について」 あしなが育英会
http://d.hatena.ne.jp/ashinagaikueikai/20110322/1300868171

「震災遺児86人を把握 あしなが育英会、特別一時金給付へ」
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E2E3E2E6948DE2E0E2E6E0E2E3E39191E2E2E2E2?n_cid=DSANY001

2011年2月28日月曜日

卒業式の歌

 3月は、卒業式のシーズンだ。
 卒業生が歌う卒業式ソングも、以前は「仰げば尊し」が多かったが、今は卒業生が選曲する学校が増えているらしい。

 徳島新聞では、県内の国公私立の全中学校(87校1分校)に取材したところ、もっとも歌われる曲は、「旅立ちの日に」で、34校だったという。
 「旅立ちの日に」は、1991年、埼玉県秩父市立影森中学校の校長だった小嶋登さんが作詞し、音楽担当だった高橋浩美教諭が曲を作った。翌年、音楽教師向けの専門誌に掲載されると、全国の小中学校などに広まった。
 
 その他には、「道」(EXILE)、「旅立ちの日に…」(川嶋あい)、「ありがとう」「YELL」(いずれも、いきものがかり)「桜ノ雨」(absorb)など、Jポップの人気アーティストの曲が並ぶ。


 今春、伊藤翼君は元気でいれば、友人たちとともに中学校を卒業するはずだった。未来を夢見て、大きくはばたくはずだった。何事にも前向きだったという翼君は、さまざまな困難を乗り越えて、きっと、社会に貢献する人になっていたにちがいない。
 その翼君は、2008年5月、諏訪市のJR中央東線の遮断機のない踏切で、特急スーパーあずさに撥ねられて亡くなった。事故から半年後、踏切には遮断機が設置された。
 友人たちから尊敬され慕われていた翼君が、なぜ踏切事故で突然この世を去らねばならなかったのか、ご両親は今も問い続けている。

 翼君の事故については、
 「踏切事故の現場をたずねて」 http://tomosibi.blogspot.com/2009/07/blog-post.html
 「諏訪市武津踏切、遮断機設置へ」 http://tomosibi.blogspot.com/2008/09/blog-post.html

《参考》

「旅立ちの日に」 (小嶋登作詞 高橋浩美作曲)から

白い光の中に  山並みは萌えて
遥かな空の 果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い 空に心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
勇気を翼にこめて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して

(略)

今 別れの時 飛び立とう 未来信じて 
はずむ若い力 信じて
この広い 大空に

《参考記事》
「卒うた変わる定番 県内中学校、Jポップ上位 」 2011/2/28 10:26  徳島新聞
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/02/2011_12988564302.html

2010年11月14日日曜日

教育費の負担割合、過去10年で最高

 報道によると、日本政策金融公庫が今年度、国の教育ローンを利用している世帯を対象に実施したアンケートによると、家庭の年収に占める教育費の割合が4割近くに上ることがわかった。負担の割合は、この10年で最高となった。景気が低迷する中、年収が減少し、とくに収入が低い世帯で負担の割合が大きくなっているという。

 アンケートは7月に郵送で実施し、2、3月に国の教育ローンを利用した世帯のうち、5409世帯からの回答を集計したもの。
  
 調査結果によると、小学校以上の子供の在学費用の割合は、世帯年収に対して平均37.6%で、2009年度から3.9%増えた。2009年度の世帯の平均年収が592.6万円から20万円近く減って572.5万円となった一方、授業料や通学費、教科書代などが増えているという。

 年収200万円以上400万円未満の世帯の在学費用は166.7万円で、年収に対する負担の割合は56.5%にのぼり、他の年収世帯層の負担の割合が、2~3割台なのに対して、負担が大きい。年収800万円以上の世帯の在学費用は、237.8万円で、年収の高い世帯層ほど、教育費が高いこともわかった。
 高校入学から大学卒業までにかかる1人あたりの費用も、1059.8万円で、2009年度から52.1万円増えた。

 教育費をねん出するため、各家庭が節約に努めており、旅行やレジャー費、外食費などが削られていることもわかった。
 日本では、世界でも類を見ないほどに、子どもの教育費の負担が大きくなったことは、OECDの調査結果でも明らかになっている。
 9月に発表されたOECD(経済協力開発機構)の調査によると、教育費の私費負担の割合は、日本は33.3%、OECD各国の平均は17.4%で、日本は平均の2倍近くにのぼる。

 次の時代を担う子どもは社会全体で育てていくものと考えるなら、教育費の公的負担の割合を高めるべきだろうと思う。また教育費の家計への負担を減らし、教育費以外への支出を増やすことは、長い目で見れば、景気回復にもつながるだろうと思う。 

《参考記事》
「教育費、世帯年収の37% 負担割合、過去10年で最高」    2010年11月14日3時0分 http://www.asahi.com/national/update/1113/TKY201011130244.html?ref=any

2010年10月27日水曜日

私立大学の4割が赤字

 報道によると、15日、日本私立学校振興・共済事業団のまとめで、私立大学の226校で、赤字だったことがわかった。2009年度、経営状況をしめす帰属収支差額が赤字の大学は、私立大学の4割に近く、1997年度に比べ、5倍近く増加したという。

 調査は、私立大学595校のうち580校が回答しており、大学の規模が小さい大学ほど、経営が厳しく、学生数1000人未満の大学では、65%の大学が赤字だそうだ。
 私立大学580校の収入合計(約3兆2334億円)の内訳は、学生の納付金が77%をしめる。国などの補助金11%、入学検定料などの手数料収入は3%となっている。

 私立大学・短期大学は、大学・短大の約80%を占め、大学生のおよそ75%が学んでいる。私立大・短大が教育と学術研究において重要な役割を担い、国民の高等教育を受ける権利を保障してきた。
 9月に発表されたOECD(経済協力開発機構)の調査によると、教育費の私費負担の割合は、日本は33.3%、各国の平均は17.4%で、日本は平均の2倍近くにのぼる。また2007年、日本は、教育機関への公的支出(奨学金をのぞく)が国内総生産(GDP)に占める比率が、3.3%だった。(今回発表されたのは、2007年の調査のため、10年度からの高校授業料実質無料化などの公的支出はふくまれない)

 政府は、私立大学等経常費補助金(私立大学助成)を削減するのではなく、増やすことで、私立大学の研究・教育の質を向上させ、国民の学費負担を減らし教育をうける機会を保障する必要があると思う。
 
《参考記事》
「私大の4割、226校赤字 97年度の5倍、不況が影響」
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101501000933.html

2010年9月8日水曜日

教育への公的支出の拡大を~OECD調査

 報道によると、2007年、日本は、教育機関への公的支出(奨学金をのぞく)が国内総生産(GDP)に占める比率が、3.3%だったことがわかった。7日、経済協力開発機構(OECD)が発表した調査の結果、明らかになった。

 比較可能な主要28カ国中、国や自治体が支出する教育支出の各国の平均は、4.8%なのに対して、日本は最低だった。アイスランドの7%が最も高く、北欧諸国なども高い。一方、私費負担分を含めた日本の教育投資はOECD平均値を上回っており、公的支出の不足を家計が埋め合わせている結果になっているという。

2010年6月23日水曜日

ボート転覆事故、問われる県や委託業者らの危機管理体制

 春に入学したばかりの中学一年生にとって、友人との交流の場となり、楽しい思い出を残すはずの自然体験学習が、暗転して痛ましい事故の記憶に置き換えられてしまった。
 朝、元気に玄関から出かけるのを見送ったのを最後に、突然変わり果てたわが子と対面しなくてはならなかった中学生のご両親の心痛はいかばかりだろうか。ご両親のことを思うと、本当に何と書いてよいかわからない。
 
 転覆したボートに取り残されて亡くなった女子中学生の告別式が、22日行われた。中学生が所属していた吹奏楽部の演奏に、多くの友人が涙したに違いない。

 報道で事故当時の状況が分かってくるにつれ、大雨・洪水・強風・波浪などの注意報が出される中、なぜ、「県立三ケ日青年の家」所長や校長が、訓練を実施したのだろうかと疑問がわいてくる。

 事故については、運輸安全委員会の船舶事故調査官が現地入りして、所長ら関係者から事情を聞くなどして、原因の究明にあたると言うことだ。
 訓練実施の判断は誰がどのようにしたのかや、転覆した後なぜ生徒の安否確認がおくれたのかなど、危機管理が十分だったかどうか、今後、調査されるのだろう。

 静岡県では、2004年から、県の文化・運動施設などの効率的な運営をめざして、民間業者に委託する「指定管理者」制度を導入し、現在44の施設で、「指定管理者」で運営しているということだ。「県立三ケ日青年の家」も今年、4月から、「小学館集英社プロダクション」(東京都千代田区)に運営を委託していた。

 今回の事故の前にも、他の施設で事故が起きているという。業務を委託する県は指定管理者の危機管理体制は十分か、スタッフの技術はどの程度なのか、チェックする義務があるのではないだろうか。

《参考記事》
「ボート転覆で死亡、西野さんの告別式しめやかに」
(2010年6月23日09時27分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100622-OYT1T00785.htm?from=nwlb

「指定管理者の問われる危機管理 県内の施設で事故相次ぐ」
2010年6月22日中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20100622/CK2010062202000143.html?ref=related

2010年6月19日土曜日

教育への公的支出の拡大を~文部科学白書

 報道によると、18日、文部科学省は同省の取り組みをまとめた「文部科学白書」を発表、初めて教育費の問題をとりあげた。「日本は国際的にみて家計の教育費負担が大きく、公的支出が少ない」と強調、「教育に十分な資源を振り向けることが喫緊の課題」だという。

 高校卒業後の進路について、親の年収別に調べたところ、3年前のデータで、年収400万円以下の家庭では大学進学率が31%なのに対し、年収1000万円を超える家庭では大学進学率が62%となっていることがわかった。年収の差によって教育機会の格差が明確になっているとしている。また、毎年行われている全国学力テストでは、いずれの教科でも、親の収入が高いほど、平均正答率も高い傾向になっている。

 また、白書の特集では、教育費について、子ども1人が幼稚園から高校まで公立、大学は国立に通った場合、約1千万円、すべて私立に通った場合は約2300万円かかることがわかった。「子ども2人が私立大学に通っている場合は、勤労世帯の可処分所得の2分の1超を教育費が占める」と、家計への負担の重さを強調しているという。

 教育支出に占める私費と公費の負担割合の国際比較では、日本は大学などの高等教育段階では私費が7割、公費は3割(先進国平均=私費3割、公費7割)と、家計への負担が重い。政府支出に占める教育支出の割合が先進27カ国中最下位だということだが、すぐに先進国並みに…とは言わない。大学への補助金を増やすなどして授業料を値下げするなど、家計への負担を減らし、教育費以外への支出を増やせるようにしてほしいものだ。そうすれば、日本の経済にとってもよい効果があるのではないだろうか。

 日本は、明治維新後、近代的な国家をつくるため、教育に何よりも力を入れてきたはずだ。すべての国民が教育を受け、読み書き計算ができ自分で問題解決できる力を持つことが、産業を支え国の発展につながると考えて、明治の政府は、日本全国津々浦々小学校を建てて、子供たちを教育してきたはず。

 日本の近代化をみてもわかるように、教育は個人にとって利益となるだけではなく、国の発展、ひいては国際社会の発展と平和を支えるものではないかと考えると、国民が経済的な理由で教育を受ける機会を失うことのないように、教育の予算をふやすことが必要ではないかと思う。

《参考》
「平成21年度文部科学白書の公表について」 文部科学省 平成22年6月18日
6月末刊行予定の文部科学白書について、要旨が発表されている
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/06/1294984.htm

《参考記事》
・「日本は家計の教育費負担大きい」文部科学白書が特集    2010年6月18日朝日新聞
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201006180281.html

・白書 教育への公的投資充実を   6月18日 10時57分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100618/t10015198071000.html

2010年4月9日金曜日

天窓から児童転落、事故の教訓生かされず

 報道によると、8日、霧島市溝部町麓の陵南小学校で、男児児童が、校舎屋上にある天窓から転落して、頭蓋底骨折のけがを負った。
 屋上には、2か所天窓があり、授業で屋上を使うことがあるのに、防護柵などはなく、学校側は「天窓に児童が乗るとは思っていなかった」と話しているという。

 2008年6月、東京都杉並区で、天窓から転落して児童が死亡した事故の後、文部科学省は、天窓に乗らないよう児童へ周知徹底することや防護柵設置を促していた。これをうけ、霧島市教育委員会では、各学校に通知していた。

 しかし、同教育委員会は、2008年9月、同小の天窓を調査・確認した際、屋上の出入り口が施錠してあることから「子どもが屋上に上がることはない」と判断、防護柵設置などの安全対策は取らなかったという。同教育長は事故があって初めて、屋上が授業に使われていたことを知ったという。

 同校校長は、「屋上を使うのは短時間だけなので、十分気をつければいい、と考えていた。認識不足だった」と話している。

 半球状のアクリル製の天窓は、非常に弾性が強く、網入りガラスと組み合わせて半球を作ると、空気ばねになり、実験でダミー人形を乗せるとトランポリンのように弾むという。事故の専門家は、このような事故を防ぐには、乗り越え不可能な柵をつくるとか、アクリルドームや網入りガラスを透明にして下が見えるようにするなど、子供自身が危険を察知できるようにすることが必要だと説いている。

 子供は大人が思いもよらない行動をとることがある。子供の目線に立って、想像力を働かせて子供の行動を検討し、学校の安全対策を考える必要があると思う。

《参考記事》
児童転落の霧島市立陵南小 「天窓ない」と県教委に回答
(2010 04/09 10:57)
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=23221

2010年3月23日火曜日

学童保育の事故も情報収集と分析を

 独立行政法人国民生活センターは、 学童保育に関して行ったこれまでの調査研究から、各自治体の実施状況や、子どもの生活環境が狭く混雑していること、ケガ・事故情報の収集・分析体制が未整備であることなど、安全面での問題をあきらかにしてきた。
 しかし、このような状況を改善し、安全を確保するには、市区町村や施設現場の努力だけでは限界があり、都道府県や国の広域的な取り組みと連携が必要だとしていた。

 そこで、昨年8月から11月に、都道府県と市区町村を対象に、学童保育サービスの実施状況、予算措置状況、ケガ・事故への取り組み、利用者への情報提供、連携状況など環境整備に焦点をあてて調査が行われた。

 それによると、自治体間で、運営費補助など財政支援をはじめとする学童保育サービスへの取り組みや実施状況の格差があることがわかった。また、学童保育の指導員数の把握、ケガ・事故の報告など、市区町村との連携が不十分であることもわかった。

 同センターでは、「狭く過密な学童保育の生活環境下のケガ・事故は共通性も高い」とし、「国や都道府県レベルで事故原因の分析を行い、予防のために必要な予算措置を取る必要がある。」と指摘。また、「消費者へ情報提供するなどの改善が求められる」としている。

 なお、同センターでは、「学童保育サービスの環境整備に関する研究会」(座長 松村祥子 放送大学教授)を設置して、検討を重ね、学童保育サービスの社会的基盤としての環境整備などに向けて、提言をまとめた。
 学童保育が放課後、「子どもたちがいきいき育っていくための安全な生活の場」となるよう、事故やケガのないように、事故の情報を集め、原因を調べ、予防対策を講じてほしいと思う。

《参考》
独立行政法人国民生活センター 報道発表資料
「学童保育サービスの環境整備に関する調査研究-都道府県の取り組みに大きな格差-(概要)」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100317_3.pdf

2009年11月19日木曜日

OECD、日本の経済政策について提言

 18日、経済協力開発機構(OECD)は、政策フォ-ラムを開催し、アンヘル・グリアOECD事務総長が、『日本の政策課題達成のために:OECDの貢献』と題する提言を発表した。

 OECDは、日本の経済政策について初めて包括的な提言を発表、鳩山内閣が導入するとしている「子ども手当」についても、見直しが必要だとする見解を発表した。また所得格差是正のため、納税額から一定額を差し引く税額控除による減税や、所得が課税最低限に達しない人たちへ給付金による支援を組み合わせた「給付付き税額控除」などを導入することも必要だとする。

 鳩山内閣が導入予定の所得制限を設けない子ども手当は、中学生までの子どもを持つ世帯に1人当たり月2万6千円の子ども手当を支給すると、5.5兆円の財源が必要となる。半額支給する予定の初年度10年度は2.7兆円が必要となる。少子化対策としての効果を疑問視する見方もある中、その目的と効果について、検討する必要があるといえる。

 子どものいる全世帯に一律に子ども手当を給付するのではなく、低所得の有子世帯の給付を増やし、税や社会保険料の負担を減らすようにすべきである。広く薄くではなく、現状を的確に把握して、必要なところに十分な対策をとるべきではないだろうか。

 また、教育費などにかかる負担は、義務教育である中学までよりも、高校や大学、専門学校に通う時期のほうが大きいと感じる。現在、16歳から22歳の子どもがいる世帯には一人当たり63万円を所得金額から差し引く特定扶養控除がある。政府税制調査会の中には、この額を圧縮してもよいのではないかという委員もいるが、高校・大学に通う子どもを持つ世帯の負担が増えることには賛成できない。

 政府は、高校に関しては、授業料を無償にするという政策を掲げている。しかし、高校生の3割が通う私立高校の授業料は公立高校の数倍で、初年度は制服や設備費などの負担がある。また、高校では、通学のための交通費や修学旅行費用・部活費などの負担も大きい。就学援助や返済義務のない奨学金を増やし、私立に通う生徒の負担を減らすため私学助成などを増やすことが必要である。
 
 また、現在の私立大学の授業料は、1970年代初めからすると、10倍近い。
 一方、国立大学の授業料は、昭和50年(1975年)に、初年度納入金が4万6千円だったのが、平成21年度には、初年度納入金が81万7千800円(東京大学)である。歴代政府は、私立との授業料の差を縮めるとして、国立大学の授業料の値上げを続け、今は私立の授業料に近い額になってきている。

 このように、高校や大学に通う子どもの世帯の負担は増している。歴史的といわれる不況の中、志のある若者が進学や将来への夢をあきらめることのないよう、教育や税制の改革が必要ではないかと思う。

《参考》
11月18日OECD東京センターが開催した政策フォーラムの資料
『日本の政策課題達成のために  OECDの貢献』
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20091118contributionjpn.pdf

2009年11月15日日曜日

小学生の図書館利用増える?

 13日、文科省が行っている「社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要」によると、小学生が図書館で本を借りる冊数が、前回よりも増えていることがわかった。

 図書館に登録している小学生の数は、前回よりも減っているが、一人当たりの貸し出し冊数は増えている。文科省は、図書館の数が増えていることに加え、小学校で「朝の読書」運動などが広がっていることが、児童が本を読む機会を増やしていると見る。

 また、私の自宅の近くの小学校では、2000年ころから、お母さんたちが子供たちに絵本を読んで聞かせるボランティア活動をしている。学校では、学年ごとに、お母さんがたに本を読んでもらう日をつくっている。
 このような読み聞かせなどを通じて、子供たちに本を読んでもらう楽しさや自分で読むおもしろさを味わってもらうことが、本を好きになるきっかけになる。

 一方、司書が配置されている小学校は全体の6割で、担任を持つ教諭が司書の仕事をしているところも少なくない。子供の想像力をのばし、学力の向上を支えるためには、図書室の蔵書を充実させ、子供に読書のアドバイスをしてくれる司書の配置が必要だと思う。

《参考記事》
図書館利用、過去最高 小学生は年間35.9冊  2009年11月13日19時46分
http://www.asahi.com/national/update/1113/TKY200911130349.html?ref=any

「社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要」(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/11/12/1286560_2.pdf