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2022年6月6日月曜日

東大阪市 近鉄奈良線 瓢箪山第2号踏切~電動車いすの方が亡くなった事故

  2021年12月9日午後4時ころ、電動車いすに乗って瓢箪山2号踏切を渡ろうとしていた高齢の男性が、下りてきた遮断機に電動車いすがあたり、踏切内に横転し、大阪発奈良行きの普通電車に撥ねられて亡くなった。

  この踏切には、警報機・遮断機がある。車両が通行できないせいか、障害物検知装置はない。踏切の長さ約8m、幅約2m。国土交通省が指定する「踏切安全通行カルテ」で、「事故多発踏切」として抽出されている。

 この踏切道はカーブ上にあるため、線路のカーブ外側が内側より高くなっている。そのため路面が凸凹している。12月の夕暮れ時は、足元が暗く凹凸がわかりにくいと思う。また、瓢箪山2号踏切のある瓢箪山駅から枚岡駅までの間は勾配が大きい。

 そして、通行止めのポールが設置されているが、遮断桿が下りると、ポールよりも下に来る。そのため、閉じ込められたとき、棹を向うに押して出ようと思っても、向こうに動かないので、出られないことが分かった。

 車に乗っていて、「踏切内に閉じ込められたら、棹をゆっくり押して外に出てください」と踏切に掲示されているが、ここでは、外に出られない。


          東大阪市 近鉄奈良線 瓢箪山2号踏切   2022年5月23日撮影

 近所にすむ小学生の母親は、踏切を通学路として使っているという。凹凸があり、歩きにくい踏切では、高齢者や障害のある方々にとっては、危険度が大きいと思う。一刻も早く対策を考えてほしい。

 高齢者は自動車の免許を返納するよう求められ、自動車の運転をやめる人が増えている。その結果、自動車に代わる移動手段として電動車いすが普及してきているせいか、電動車いすの事故は増えているという。安全に乗って、自由な移動ができるよう、踏切も対策が求められると思う。

 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

《参考》

2021年12月9日毎日新聞

電動車椅子の男性が電車にはねられ死亡 東大阪・近鉄奈良線踏切 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

  





2018年3月31日土曜日

電動車いすも検知を~兵庫県高砂市JR神戸線東川踏切~

 2月11日、高砂市米田町島にあるJR神戸線の東川踏切に行った。
 ここの踏切で、1月12日午後3時半ころ、ハンドル型電動車いすに乗って、踏切を渡っていた女性が普通電車に撥ねられて亡くなった。報道によると、近くにある防犯カメラには、女性が遮断機の下りる前に踏切に入り、線路上で約30秒間、車いすの操作をしたり、手を上げたりして立ち往生しているような姿が映っていたという。

 
JR神戸線東川踏切 女性は向こう側からこちらへ渡ってきた。
こちら側の上り線の線路上で立ち往生していたという。
2018年2月11日撮影
東川踏切は、第1種踏切で警報機、遮断機、障害物検知装置、非常ボタンが設置されている。長さは約10mで幅は2.4mから2.9mある。JR西日本によると、障害物検知装置はループコイル式で、電動車いすが小さいため、この検知装置が検知しなかったという。

 ループコイル式の検知装置というものをはじめて見た。雪の多い地方などで、車を検知するために埋設されるというが、雪があまり降らない関西の高砂市でなぜループコイル式が埋設されているのかはわからなかった。
JR神戸線東川踏切 踏切の北側(上り線側)から、踏切内を見る。
ループコイル式の検知装置が埋設されているという。
2018年2月11日撮影
踏切のそばには、ショッピングセンターがある。日曜日のこの日は、この踏切を渡って買い物に行くのか、大勢の人が行き来する。子供をつれたおかあさんや、ショッピングカートをひくお年寄りや、自転車に乗った人々が行き来する。また、車両も狭い踏切を行き来する。
 また、自治会や高砂署・高砂市・小学校PTAによる通行規制があった。車両は日・土・祝日以外の7:30~8:30と13:00~17:00は通行禁止である。また、近くには「見守りカメラ」が設置されていた。電動車いすの女性が通行した日は、平日の午後で車両の通行がなく、電動車いすで渡るのが容易と思われたかもしれない。
見守りカメラが設置されていた。2018年2月12日撮影。

JR神戸線東川踏切 踏切の南側(下り線側)から、踏切内を見る。
交通規制の看板が見える。        2018年2月12日撮影
 高砂署は、女性が乗っていた電動車いすに不具合はなかったとみており、女性が操作を誤ったために、踏切内に取り残されたとみている。しかし、電動車いすに乗っている女性を検知装置が検知して電車の運転士に踏切の状況を伝えていれば、事故を防げたのではないだろうか?
 踏切を通行するのは、車両だけではない。さきほども書いたが、お年寄りや子供連れの人、自転車で買い物に来る人などが通行しており、踏切は生活道路になっている。
 これらの人たちが踏切で取り残されたとき、検知して、電車を減速したり、踏切の手前で停止させるなど、人の命を守る安全対策を講じてほしい。

<参考> 拙ブログでは、この事故の報道について、以下の記事で書いた。
「電動車いすの女性死亡~JR神戸線東川踏切」
https://tomosibi.blogspot.jp/2018/01/jr.html

2015年4月1日水曜日

電動車いすの事故~もとめられる安全対策

 ハンドルのついた電動車いすの事故が相次いでいる。報道によると、過去3年間に起きた事故13件の重傷・死亡事故のうち、10件までが同じメーカーの製品に集中していることが、消費者庁の消費者安全委員会の調査でわかった。事故の頻度は、他社の製品の10倍以上で、製品の構造が原因の一つとみられることから、消費者安全委員会(消費者事故調)は、メーカーに改善を促し、メーカーもアクセルレバーのつけ方などを検討するという。

 重大な事故が相次いでいるのは、松山市にある農業機械メーカー「アテックス」が製造する電動車いすで、他社のブランドで販売されているものも含め、これまでに全国で約8万台が出荷されているという。
 身の回りの事故の原因を調べる消費者事故調が、昨年11月からハンドル型電動車いすの事故を調査した結果、平成24年度以降の2年8か月の間に、消費者庁に報告された13件の重傷・死亡事故のうち、8割にあたる10件までが、この会社の製品で起きていることがわかった。このうち、6人の利用者が亡くなっていることがわかったという。
 事故は、お年寄りが電動車いすに乗っていて、道路わきに転落したり、踏切で列車にはねられたりして起きている。
 消費者事故調は、その原因の一つとして、この会社の製品のアクセルレバーが、他社のものと異なり、ハンドルよりも4センチ高い位置についていることがあると見ている。ハンドル操作がしやすい反面、お年寄りが具合が悪くなってうなだれたり、意図せずにレバーに触ってしまい、レバーを押して前に進んでしまう恐れがあるという。
 このため、消費者事故調はメーカーに対して改善をうながした。メーカーは、アクセルレバーのつけ方などについて改善を検討すると消費者事故調に伝えた。

 これまでに国内では、ハンドル型電動車いすが約47万台販売されているが、このうち、このメーカーの製品は8万台あまり。重大な事故は他社の製品全体の10倍以上の高い確率で起きているという。
 
 平成24年10月に、兵庫県高砂市でおきた踏切事故では、電動車いすに乗っていた男性(83歳)が、貨物列車にはねられて亡くなった。
 
 この踏切の近くに住む男性が、この事故を目撃していた。NHKがこの男性を取材したところによると、電動車いすに乗っていた男性は、遮断機が下りたため、踏切の手前でとまった。その後、前のめりに体が倒れた後、車いすが動き出し、降りていた遮断機を押し込むかたちで、踏切の中に入ったという。目撃していた男性は、非常ボタンを押そうとしたが、間に合わなかった。この男性によると、「意識が無くなったように前かがみにたおれた。倒れた体が電動車いすのスイッチに触れたのだと思う。」と話しているそうだ。
 また、亡くなった男性の家族によると、男性は糖尿病を患っていたため、血糖値をさげる薬を飲んでいた。事故のあった早朝は、前日夕方5時の夕食から食事をしておらず、血糖値が下がったことで、意識を失ったのではないかと話しているそうだ。
 亡くなった男性の妻は、「車いすで前かがみになったのは、血糖値が下がったからだと思う。夫は、電動車いすによって、行動範囲が広がって喜んでいた。高齢者が楽しく生活に利用できるよう、より安全な製品にしてほしい」と語っているという。

 電動車いすは、30年ほど前から販売が始まった。電動車いすは、主に高齢者が利用するハンドル型と、車いすと似た形で、主に体に障害のある人が利用するジョイスティック型と、2種類ある。
 バッテリーを充電してモーターで走行し、時速6kmまで出すことができる。運転には免許は必要なく、歩行者扱いだ。足腰の弱ってきたお年寄りには行動範囲が広がると喜ばれ、利用者が増えてきている。価格は20万から30万円で、介護保険を利用してレンタルすることもできる。
 消費者事故調によると、ほとんどの電動車いすは、アクセルレバーがハンドルの上の面よりも下についているが、改善を促した電動車いすは、ハンドルよりも4cmほど上にアクセルレバーがついていたという
 
 昨年、国際福祉機器展で、あるメーカーの電動車いすに試乗した。アクセルレバーが軽く動き使いやすいと思う半面、何かの拍子で押してしまったり、具合が悪くなって倒れこんだりしたら、レバーを押してしまい、前進してしまうのではないかと思った。
 道路交通法では、歩行者扱いの電動車いすは、免許が必要ない。高齢化が急速に進む中、お年寄りの行動範囲が広がるということで、普及が進んでいるという。しかし、高齢者が乗るものだから、事故が起きてもしかたないというのではなく、事故を防ぐ改善も必要となっているような気がする。
 高齢者も自分のすむ地域で、自立して生活することが求められている。ならば、なおさらのこと、安全に暮らせるよう、さまざまな改善や安全対策が求められていると思う。 

≪追記≫2015年4月4日
株式会社アテックスは、ホームページで、NHKの報道に対して、抗議文を掲載した。
NHKの報道は消費者庁の正式見解ではなく、NHKの独自取材による報道で、消費者庁から改善指示等も受けていないとしている。
「NHK に対する抗議文」2015年4月3日付
http://www.atexnet.co.jp/pdf/20150403.pdf
「NHK報道(電動車いす)による弊社見解」2015年4月2日付
http://www.atexnet.co.jp/pdf/kenkai.pdf

≪参考記事≫
「電動車いす事故 同メーカーに集中」2015年3月31日NHKニュース 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150331/k10010034301000.html

≪参考≫拙ブログでは、消費者事故調の調査について、以下でとりあげた。
●「ハンドル型電動車いすの事故調査を決定~消費者安全委員会」2014年11月25日
  http://tomosibi.blogspot.jp/2014/11/blog-post_25.html

 また、電動車いすの事故については、高知県佐川町白倉踏切の事故や、阪急神戸線旧庄本踏切の事故などについて書いた。これらの事故の電動車いすは、製造メーカーがわからないものもある。
●「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」2010年4月26日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2010/04/blog-post_26.html
●「電動車いすの女性が亡くなった事故~阪急神戸線旧庄本踏切」2014年5月6日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
●「電動車いすのお年寄りが亡くなった事故~大阪府高石市南海本線羽衣7号踏切」2014年7月22日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/07/7.html
●「車いすで踏切を渡るこわさ」2014年10月20日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/10/blog-post_20.html


2015年1月21日水曜日

大阪府内の危険な踏切、重点対策へ~電動車いすの事故

報道によると、大阪府警は、電動車いすで踏切を渡りきれず、お年寄りが電車と接触して亡くなるなど、電動車いすの事故が後を絶たないことから、府内の踏切を調べ、特に危険な踏切をリストアップした。

 
大阪府内の踏切は、JRと私鉄合わせて812か所あり、府警はすべての踏切に署員を出向かせて、段差がないかどうか、一定の幅員が確保できているかなど、目視で点検したという。
特に11か所につては、近畿運輸局や業界団体である「電動車いす安全普及協会」(浜松市)と協力して、  実際に電動車いすを走行させて確認した結果、
(1)急転回するとレールの溝にはまり、脱出できなくなる
(2)踏切の端から逸脱し、車いすが転倒する恐れがある――
のいずれかに当たると判明したという。そのため、昨年10月、鉄道会社に改善策を検討するよう、要請した。

また、消費者庁の消費者安全委員会は、昨年11月、相次ぐ電動車いすの事故調査をすることを決めた。消費者庁によると、全国では2007年5月から昨年9月までに、電動車いすが踏切内で電車と接触する事故で、7人が死亡、3人が重傷を負った。
大阪では、2012年11月に阪急神戸線の踏切で電動車いすに乗っていた高齢の女性が亡くなっている。また、2013年4月、高石市の南海本線の踏切でやはり電動車いすに乗って踏切を渡っていた男性が亡くなっている。
大阪府警幹部は「利用者数の割に事故が多く対策が必要だ」と考え、鉄道会社や電動車いすのメーカーに対策を要請したという。
こういった要請を受けて、鉄道事業者の方でも踏切の補修をするなど、対策に取り組んでいるという。
また、電動車いすの販売会社では、販売時に顧客を訪問して、冊子やDVDを配布して安全な乗り方や、踏切を渡る際には介助者をつけるようお願いしているという。

しかし、カーブでは、電車が脱線せずに曲がるために線路の外側を高くする必要があり、とくに昨今では電車が高速化しているため、この高低差が大きい。踏切がこのカーブ上にあると、外側の線路が高いため、踏切の路面に凹凸ができる。そのため、電動車いすで渡ろうとすると、この凹凸のために、動けなくなく可能性がある。
カーブでの高低差を解消するのは難しいというが、スピードを落とせば、高低差は少なくてすむのではないだろうか?高速で踏切や駅を通過する電車が増えたことが、事故を増やしているのではないかと思う。


高石市の南海本線羽衣7号踏切
カーブの途中にある。2014年7月20日撮影
急速に高齢化が進むといわれる中、自立した生活をする上で欠かせないと、電動車いすを利用する人も増えるだろう。生活する上で、踏切を通行しなくてはならない人も多い。介助者をつけて渡ってほしいといわれても、現実には、なかなか付き添ってくれる人がいないかもしれない。
安全に渡れる踏切にしてほしいと思う。万が一、踏切内に閉じ込められても、閉じ込められた人を検知して、電車が踏切の手前で止まれるようにしてほしい。

≪参考≫拙ブログでは、阪急神戸線の事故、南海本線の事故について、以下で取り上げた。
「電動車いすの女性が亡くなった事故~阪急神戸線旧庄本踏切」2014年5月6日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
「電動車いすのお年寄りが亡くなった事故~大阪府高石市南海本線羽衣7号踏切」2014年7月22日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/07/7.html
≪参考記事≫
「電動車いす、踏切危険 大阪府内に11カ所、重点対策へ 」2015/1/20 1:59 日本経済新聞
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC24H4T_W5A110C1960M00/

2014年11月27日木曜日

電動車いすのお年寄りが亡くなった踏切~滋賀県長浜市JR北陸線木之本踏切

 報道によると、10月24日、午前10時20分頃、長浜市木之本町木之本のJR北陸線木之本踏切で、電動車いすに乗って、踏切を渡っていた高齢の男性が、木之本駅を通過する名古屋発和倉温泉行きの特急電車に撥ねられて亡くなった。特急の運転士が踏切内の男性に気が付いて非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。
 警察によると、木之本踏切の警報機・遮断機は、正常に作動していたという。
 
 11月23日、木之本踏切に行った。木之本踏切は、JR北陸線木之本駅のホームのそばにあった。警報機・遮断機のある第1種踏切で、非常ボタンも設置されていた。木之本駅には各駅電車は停車するが、特急は高速で通過する。駅を出て踏切を渡ると、国道に出るために信号がある。踏切の長さは20m位で幅は8~9mはあるだろうか。
 踏切道は駅と国道を結び、北陸自動車道の木之本インターチェンジも近くにあるためか、車両の通行が多かった。歩行者用の路側帯は両脇にあるが、それぞれ1mもなく狭い。歩行者は車をよけながら、踏切を渡らねばならない。
写真① JR北陸線木之本踏切。左に見えるのは、木之本駅のホーム。手前の
線路が下り線。男性はこちら側から踏切に入ったが、線路を渡りきれなかったらしい。
下りの特急は右側から来て、木之本駅を高速で通過する。2014年11月23日撮影
私が訪れた日は、SL北びわこ号が運行される日だった。木之本駅には、SLの運行予定を調べて行ったのではなく、偶然SLに出会ったのだが、SLファンが多いのには驚いた。木之本駅はSL北びわこ号の終点で、ここからSLは機関車にひかれて米原へもどる回送電車になる。そのせいか、駅周辺は、SLを撮影に来た人たちの車両が駐車していたり、SLに乗車して木之本駅まで来た子供連れの人たちで混雑していた。
 木之本踏切を渡って100mほど先に信号があるので、車両が踏切と信号の間に多く入ってしまわないように、この日は、警備員の男性が車両の誘導にあたっていたが、SLの運行のない日は、警備員が踏切に立つことはないという。
写真② 木之本駅に到着したSL北びわこ号。2014年11月23日撮影
電動車いすを運転する男性が、どういう状況で踏切内に取り残されたのか、報道では定かではない。しかし、踏切道の路側帯をみると、幅が狭いうえに、途中に、車両が路側帯に入らないようにするためなのか、小さなU字型の柵がある。(下の写真③)
写真③ 路側帯にU字型の柵がある。      2014年11月23日撮影


写真④ 木之本踏切を通過する下りの特急電車。   2014年11月23日撮影
電動車いすの男性が、写真③のこちら側から、下り線路を渡ったところで、写真のような小さくても、柵があったら、通行できない。後戻りして、車道に入り直して先に進まなくてはならない。
 後進しようと、電動車いすを操作しているうちに、早い特急電車は踏切に来てしまう(写真④)。
男性がどちらの路側帯を通行していたのかわからないが、いずれにしても狭い路側帯を車両に注意しながら、踏切を通行するのは大変だ。
 
 
 電動車いすの事故は、(独)製品技術評価基盤機構が事故調査にあたる。また、今度、消費者庁の消費者安全委員会も、新しく電動車いすの事故を調査することを決めた。
 調査にあたる委員会には、男性の乗っていた電動車いすが製品として問題がなかったかどうかだけでなく、踏切の安全対策に問題はなかったかどうかも調査して、事故が減るよう、対策を検討してほしいと思う。
 急速に高齢化が進んでいるという日本。お年寄りは、一人で自立して行政や周囲に頼らずに生きていくように言われている。また、お年寄り自身もなるべく人に迷惑をかけないように、子供らの負担にならないようにと懸命に生きている。電動車いすや手押し車などに頼って必死に歩いて買い物や通院に出かけるお年寄りが増えている。そんな中、町の中はバリアフリーが十分進んでいるとは言いにくい。とくに踏切やホームでは危険が大きいと感じる。
 高齢者に「自立せよ」というばかりではなく、自立して安心して生きていけるよう住みやすい環境をつくるべきではないだろうか。

最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福を祈ります。
 
≪参考記事≫
「特急と衝突、車いすの男性死亡 誤って進入? 長浜の踏切 /滋賀県」朝日新聞大阪2014年10月25日
http://digital.asahi.com/article_search/detail.html?keyword=%E6%9C%A8%E4%B9%8B%E6%9C%AC%20%E8%B8%8F%E5%88%87&kijiid=A1001220141025M-SI-1A-014&version=2014112605

2014年11月25日火曜日

ハンドル型電動車いすの事故調査を決定~消費者安全委員会

 報道によると、11月22日までに、消費者安全委員会は、高齢者がハンドルで操作する電動車いすの事故について、新たに事故調査をすることを決めた。
 消費者安全委員会は暮らしの中でおきる身近な事故の原因を究明している。同委員会によると、ハンドル型の電動車いすは、これまでに47万台出荷されている。メーカーから消費者庁への報告によると、2012年度以降、13件事故が起き、そのうち9人が死亡、4人が重傷を負っているという。
 また、13件のうち5件は踏切で起きているという。

 電動車いすは、主に、身体に障害を持った方が操作するジョイスティック型電動車いすと、足腰の弱った高齢の方が操作するハンドル型車いすとがある。
 高齢化が進む中、お年寄りの外出を助けるものとして、急速に電動車いすを利用する人が増える一方、事故も起きている。製品事故を調査する(独立行政法人)製品評価技術基盤機構では、電動車いすの事故を調査対象として、調査を行い、事業者に改善を求めたり、利用者に注意を促している。
  電動車いすは時速6kmと、結構スピードが出るが、道路交通法では歩行者扱いで、
  免許がなくても運転できる。乗車してみると、乗る位置が低いせいか、会場に作られた
  坂道の上り下りは怖かった。しかし、足腰が弱ってきたら、必要になるかもしれない。
  福祉機器展で。  2014年10月3日撮影

 しかし、事故は減少する様子を見せないばかりか、踏切で電動車いすに乗った高齢者が電車に撥ねられて亡くなったり、段差で転倒して重傷を負うなど、電動車いすの事故が続いているのが現状だ。
 畑村洋太郎委員長は「車いす自体にさまざまな安全対策が施されてはいるが、高齢者が利用するという視点からさらにできることがないか、考えたい」と述べたという。
 事故調査することで、事故の実態がわかる。同委員会には、電動車いすの安全対策や踏切の問題点を探り、事故を未然に防ぐ方法を探ってほしいと思う。

≪参考≫
電動車いす安全普及協会では、電動車いすの種類や利用上の注意などについて説明している。
http://www.den-ankyo.org/index.html

拙ブログでは以下などで、電動車いすや車いすの事故を取り上げた。
●「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」2010年4月26日
 
http://tomosibi.blogspot.jp/2010/04/blog-post_26.html
●「電動車いすの女性が亡くなった事故~阪急神戸線旧庄本踏切」2014年5月6日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
●「電動車いすのお年寄りが亡くなった事故~大阪府高石市南海本線羽衣7号踏切」2014年7月22日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/07/7.html
●「車いすで踏切を渡るこわさ」2014年10月20日
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/10/blog-post_20.html

≪参考記事≫
「ハンドル型電動車いす事故を調査 消費者事故調 」2014/11/22 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22H0C_S4A121C1000000/

2014年5月6日火曜日

電動車いすの女性が亡くなった事故~阪急神戸線旧庄本踏切

 4月26日、大阪府豊中市の阪急神戸線神崎川~園田の間にある、旧庄本(きゅうしょうもと)踏切に行った。
 ここでは、2012年11月5日、電動車いすに乗っていた女性が特急電車に撥ねられて亡くなった。事業者の報告によると、事故当時、特急電車は、踏切を時速110kmで通過している。
 報道によると、旧庄本踏切で、電動車いすのそばに女性が倒れているという110通報があった。豊中南署の調べでは、女性(79歳)は、歯の治療を終えて帰宅する途中だったようだ。

 旧庄本踏切には、遮断機、警報機があり、非常ボタンと障害物検知器が設置されている。踏切の幅は約2.5m、長さ約8mくらいだろうか。
 事業者が運輸局に提出した事故報告の「概況」欄には、「担当運転士は、通過中に電動カートに乗車していた当該女性は確認していない」と記入されている。特急電車の運転士は、女性に気付かずに踏切を高速で通過していたらしい。
 

阪急神戸線旧庄本踏切 2014年4月26日撮影
旧庄本踏切     踏切道が線路に対してななめに交差している。
ななめに黄色線が引いてあるが、歩道といえない。2014年4月26日撮影
踏切道は、上の写真を見てもわかるように、線路にななめに交差している。その上に、歩行者が通る踏切道の端は、ぎざぎざで歩道といえない。歩道を確保してほしいと思う。
 また、線路は踏切の前後の道に比べて高いため、電動車いすで通行しようとすると、走りにくいのではないだろうか。

 踏切が開くのを待っていた女性が、何らかの理由で、踏切内に進入してしまい、梅田行きの特急電車(8両)の7両目側面に接触したが、なぜ進入したのかはわかっていない。
 この事故は、製品事故として、メーカーから連絡が入り、(独)製品評価技術基盤機構(以下NITEと略)が、事故の際に女性が乗っていた電動車いすの調査を行っている。
 このNITEの事故情報の「事故原因」欄には、
「当該製品が踏切内に進入した原因は不明であり事故原因の特定には至らなかったが、当該製品は、前進・後進等の捜査に対して正常に反応し、ブレーキ機構にも異常は認められてなかったことから、製品に起因しない事故と推定される」とある。
 なお、このNITEの情報には、製品が原因とされる事故ではないため、メーカー名の記載はない。また、亡くなった方の個人情報の記載もない。そのため、事故発生日と事故発生地の情報から、この事故情報が、旧庄本踏切の事故と推測した。

 なぜ、事故が起きたのか、十分調査されないまま、危険な踏切が放置されていないだろうか。
この旧庄本踏切に立ってみると、そんな思いが大きく膨らんでくる。

 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。

《参考記事》
「踏切事故 車椅子の女性はねられ死亡 阪急神戸線」2012年11月5日(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20121105k0000e040167000c.html

2011年2月4日金曜日

総務省、製品事故で迅速なリコールを勧告

 1日、総務省は、消費者の安心と安全を確保する観点から、扇風機から発火したり、スプレー缶へ引火するなどの製品事故について、メーカーなどによる事故調査が終わってから、リコールを始めるまでに時間がかかり、事故が再発していることを重くみて、メーカーが迅速にリコールを実施するよう、経済産業省に指導を徹底するよう勧告した。

 また、報道によると、消費者庁が事故の情報を把握していたにも関わらず、メーカーから報告がなかったことなどを理由にメーカーの名前などを公表していないケースがあるとして、消費者庁に対して、事故情報を迅速に公表することを徹底することなどを勧告した。

 (独)製品評価技術基盤機構に対し、経産省や消防庁は、原因究明調査の進行を管理し着実に実施させること、消防機関と機構が連携し、情報の共有をより一層促進させることを勧告した。

 製品事故を防ぐために、事故情報を受け取る各機関が情報を共有し、すばやく消費者に知らせてほしい。消費者が事故の情報を知ることで、すこしでも、同じような悲惨な事故が防げるかもしれない。

《参考》総務省 報道資料 平成23年2月1日
「製品の安全対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/39746.html#houkokusyo

《参考》当ブログでは昨年末に、朝日新聞の記事を取り上げた。
「重大製品事故 再発24件」 2010年12月31日
http://tomosibi.blogspot.com/2010/12/24_31.html

《参考記事》
「製品事故 迅速なリコール勧告」 2月1日 11時30分  NHK
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110201/t10013771151000.html

2010年12月31日金曜日

重大製品事故 再発24件

 報道によると、総務省行政評価局は、独立行政法人製品評価技術機構(経済産業省所管、以下NITEと略)が、「重大製品事故報告・公表制度」による事故原因の調査を終えてから、リコールが始まるまでに、平均57日かかり、その間に24件の事故が再発していたことがわかったと発表した。
 
 国への報告遅れや調査期間の長期化もわかったという。総務省は、リコールまでに時間がかかることが事故の再発要因と判断、年明けにも経済産業省や消費者庁に改善を勧告する予定だという。
 
 「重大製品事故報告・公表制度」は、2007年5月から始まり、国(2009年8月までは経産省、その後は消費者庁)に報告された重大事故は2009年度までで3774件に上る。NITEが原因調査にあたり、製品の欠陥が見つかれば事業者にリコールを促す制度。

 総務省行政評価局は、重大事故をおこしリコールされた103の製品のうち、51製品を抽出、事業者がリコールするまでの日数を調べたところ、事故の発生日から平均120日、NITEの調査終了からだと同57日かかっていた。その間に最初に報告されたのと同様の事故が24件起きていたこともわかったという。

 同行政評価局は、「リコール開始までの時間をできる限り短縮することで、事故の再発を少なくできる」と判断した。

 リコールまでに時間がかかる理由については、▽事業者が多額の費用を嫌がってリコールをしたがらない▽代替品や交換部品の準備が整うまでは混乱を恐れてリコールの踏みきらない―などと分析しているそうだ。
 NITEは、内部ルールで調査日数を「原則90日以下」としていたが、リコールに発展した80件について行政評価局が調べると、8割強の66件が内部ルールを超えていたこともわかった。うち、31件は181日以上調査に要していた。
 
 事故調査が長期化する背景には、事故調査にあたるNITEの職員数が事故件数に比して大きく不足していること、事業者側が事故製品の図面や材質などの報告書を出すまでに時間がかかること、製品の問題を指摘するNITEの調査結果に対して事業者が「たまたま不良品が出ただけ」と否定するなど、NITEと事業者の見解が分れるため調整に手間取ることなどがあるといわれる。

 これに対して、NITEでは、今年6月業務マニュアルを改訂し、「原則90日」としていた調査期間を「90日以内に処理する案件の割合を75%以上とし、180日以内に特別な案件を除いて全件を終える」と変更、調査に必要な資料を事業者が提出する期間も「1ヵ月以内」と、新たに定めた。

 事故調査のスタッフと予算を拡充し事故調査にかかる時間を短縮して、すみやかに事故情報を消費者に公表することがのぞまれる。

 また、消費者庁などで、事故の再発を防ぐために、調査結果が出なくとも、事故の事実を公表し、その時点で分かる範囲で消費者に使用方法などについて、注意を呼びかけてほしい。
 
《参考記事》
「リコールまで時間かかりすぎ…重大製品事故の再発24件」
2010年12月30日3時2分、朝日新聞http://www.asahi.com/national/update/1229/TKY201012290373.html

《重大製品事故》
①死亡、全治30日以上の重傷②後遺症が残る③一酸化炭素(CO)中毒④火災―を重大事故と定義し、メーカーや輸入事業者は、事故発生を知った日から10日以内に国に報告するよう義務づけられている。事業者が違反すると、1年以下の懲役、100万円以下の罰金を科すことができる。

2010年7月2日金曜日

消費者担当相 「消費者事故の調査機関、各省庁に」 

 6月29日、荒井聡国家戦略・消費者担当相は、2006年に起きたシンドラーエレベータ製のエレベーター事故と、05年のパロマ工業製ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒の事故の遺族にはじめて面会した。遺族らは、さまざまな生活空間の事故を調査する強力な権限を持つ事故調査機関の設置を要望した。荒井氏は「皆さんの悲しい体験がもとになり消費者庁ができた。一つ一つ着実に進めたい」と述べたという。
 また、こんにゃくゼリーによる窒息事故の遺族も、弁護士を通じ、書面で荒井氏に事故対策を要望した。

 30日、荒井消費者担当相は、日本経済新聞などのインタビューに応じ、事故調査機関について考えを述べた。
 今年3月、閣議決定された消費者基本計画の中で、消費者庁は「独立した公正かつ網羅的な消費者事故の調査機関の設置を検討」するとした。
 これをうけて今年度から、事故調査機関のあり方を検討し、来年度には具体的な調査機関の姿を明らかにするとしている。
 
 荒井消費者担当相は、この消費者事故を調査する専門的な事故調査機関について、「国土交通省の運輸安全委員会のような調査機関を各省庁につくるべきだ」と述べ、消費者庁は調査を指示する「司令塔」に徹するのが望ましいとの考えを示したという。

 先の鳩山内閣で消費者担当相をつとめた福島瑞穂氏は、「内閣府などに事故調査機関を一元化すべきだ」と主張していた。
 これに対して、荒井担当相は現実的ではないと否定的で、各省庁に事故調査機関を置くと調査が消費者目線ではなく業界寄りになるのではないかとの指摘に対しては、「事故調査の客観性の保証と業界との癒着にどう対応するかは別問題だ」と語ったそうだ。

 遺族は二度と同じような悲惨な事故が起きないよう、事故の原因を調べ、国民の生活や命を守る安全対策に生かしてほしいと思っている。
 どのような事故調査機関が、事故を防ぐための事故調査を行えるのか、遺族も含め、さまざまな分野の人々とも十分論議して、イメージをゆたかにしていってほしい。
 遺族が事故の原因を知りたいと思っても、縦割り行政のために、さまざまな部署をたらいまわしにされ、挙句に十分な事故の調査がなされず、大切な人が亡くなった事故の原因が明らかにされないということのないようにしてほしいと思う。

《参考記事》
「消費者事故の調査機関、各省庁に」 消費者相   2010/6/30 21:40
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E1E2E2E6948DE1E2E2E4E0E2E3E29180EAE2E2E2?n_cid=DSANY001

2010年5月11日火曜日

パロマ湯沸かし器死傷事故、元社長らに有罪判決

  2005年11月、東京都港区で、名古屋市にあるパロマ工業製のガス湯沸かし器を使用した2人が一酸化炭素中毒で死傷する事故があった。この事故で、元社長小林敏宏被告(72)が業務上過失致死傷罪に問われていたが、5月11日、東京地裁(半田靖史裁判長)は、禁固1年6カ月執行猶予3年(求刑禁固2年)の有罪判決を言い渡した。


 また、同社元品質管理部長の鎌塚渉被告(60)は、共犯の罪に問われていたが、鎌塚被告には禁固1年執行猶予3年(求刑禁固1年6カ月)が言い渡された。

 検察側によると、小林元社長らは、1985年から2001年にかけ、改造された湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故が12件起き、計14人が死亡したことを知りながら、製品の点検や回収をしなかった。この結果、東京都港区のアパートで2005年11月27日ごろ、パロマ工業製湯沸かし器を使った大学生の上嶋(じょうしま)浩幸さん(当時18)を死亡させ、兄(29)にも重症を負わせたとして、検察は元社長らを、2007年12月在宅起訴していた。
 検察によると、事故のあった湯沸かし器は点火不良が相ついだため、修理業者が応急措置で安全装置を作動させずに点火させる改造を行っていた。検察側は公判で、87年の死亡事故後、修理業者に不正改造をしないよう注意喚起した後も死亡事故が相次いだことから、「両被告は注意喚起だけでは事故は防げないと容易に認識できた」としている。検察側は、修理業者を指揮監督する同社が、一斉点検や自主回収などの抜本的な事故防止策を怠ったと主張した。

 一方、弁護側は、出荷時に湯沸かし器に欠陥はなく、パロマ側は「不正改造によるガス事故の情報を知りうるのはガス会社などで、メーカーに知らせる制度はない。」として、「事故防止策は経済産業省とガス会社、パロマの3者が協力して取るべきだった」と訴えていた。
 この裁判では、湯沸かし器自体の欠陥ではなく、不正な改造が原因で起きた事故について、安全対策をめぐり、社長ら企業トップの刑事責任が問われていた。

 パロマ湯沸かし器の事故では、重大な事故情報が事故の再発防止に役立てられていないことが明らかになった。生活のさまざまな場面で起きる事故の情報を一元的に集め、分析し、情報を関係する行政機関や消費者に公開すること、また事故の再発防止のためには企業や行政を指導監督する権限を持つ機関が必要だと、一般にも認識されるようになった。
 しかし、情報の一元化や様々な分野の事故調査の体制を整える取り組みは緒についたばかり。
志をとげることもできずに若くして亡くなった上嶋さんの命を無駄にしないよう、事故の再発防止に何が必要か、企業や関係省庁でも十分論議してほしい。

《消費者庁》 パロマ工業製湯沸かし器についての情報は
 「パロマ工業株式会社製湯沸器に関する注意喚起について」
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/100511kouhyou_2.pdf

《参考記事》
パロマ元社長ら2人に有罪判決 湯沸かし器中毒死事件  2010年5月11日13時44分
http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY201005110234.html?ref=any
パロマ元社長ら有罪判決 湯沸かし器事故で2人死傷   2010/05/11 14:16 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051101000138.html

2010年2月17日水曜日

電源コード断線による事故を防ぐ

 9日、(独)製品評価技術基盤機構(NITE)は、電源コード断線による事故の防止について、記者説明会を行った。

 それによると、製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、平成16年度~20年度に発生した電源コード断線によるやけど、出火などの事故は、重複などをのぞくと、185件、平成21年4~12月では36件、この3ヶ月間(10~12月)では12件発生しているという。

 これら製品の内訳は、「ヘアドライヤー(ヘアアイロンを含む)」61件、「電気こたつ」31件、「電気掃除機」25件、「電気あんか」23件、「電気毛布」16件、その他29件。

 電源コードは、火源や熱を発する部分でないために、見た目では危険がわかりにくい部分で、死亡事故が5件、1室以上が火災となった事故も23件発生しているという。
 
 電源コードは、ほとんどの電気製品にあるもの。電源コードを、繰り返し無理に曲げたり、ねじる、強い力で踏みつける、また挟み込んだり、束ねたり、引っ張る、巻き付けるなど使用方法によっては、断線がおき、大きな火災事故に至ることがあるという。
 テレビニュースでは、断線した電源コードが布団の上などにおかれていると、火花が布団をこがし、火災を起こした事例を映していた。NITEでは、使う側で対処すれば防げる事故も多いので、電源コードを正しく安全に使用してほしいと注意を呼びかけている。

(詳細は)
「電源コード断線による事故の防止について(注意喚起)」
http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs100209.pdf

2010年2月6日土曜日

マクラーレン社製ベビーカー、並行輸入7社もカバー無償配布へ

 マクラーレン社製のベビーカーで、子どもが指を挟まれ、けがをする事故が起きていたが、国内の並行輸入業者も、安全対策として事故防止用の改修カバーを購入者に無償配布できることになった。並行輸入業者7社のうち、5社は、自前でつくったカバーを購入者に配布する。消費者庁のホームページには、業者の連絡先などが掲載されている。

《消費者庁HPより》
「マクラーレン社製ベビーカーの安全対策について」
英国マクラーレン社が製造し、輸入されたベビーカーで消費者の事故が発生したことを受け、経済産業省は各輸入事業者に事故の再発防止を図るため、安全対策を進めるよう指導しています(平成21年11月27日公表)。
各輸入事業者は、対象製品の「安全対策カバー」の配布等の安全対策を実施するとともに、ホームページへの掲載等により使用者に周知しています。
経済産業省及び消費者庁としては、当該製品をお持ちの方に対して、引き続き注意喚起を行うとともに、各輸入事業者の安全対策についてお知らせし、「安全対策カバー」の配布を受けるよう、改めて呼びかけるものです。
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/100205kouhyou_2.pdf


《記事から》
「マクラーレン」ベビーカー、並行輸入7社も対策
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100205ATDG0505F05022010.html

2010年1月27日水曜日

シャープ両開き冷蔵庫でドアが落下、けが

 26日、消費者庁によると、シャープが製造した左右どちらでも開けられるタイプの冷蔵庫の中に、使用中にドアがはずれて足の上に落ち、大けがをする事故が起きていたことがわかった。シャープは、同じような事故が起きるおそれがあるとして、約97万台を無償で点検したり、部品を交換することにした。
 
 冷蔵庫は置く場所によって、冷蔵庫の扉が左右どちらに開くタイプか決めなくてはならない。しかし、両開き冷蔵庫だと、置く場所を変えられるので、便利だと思っていたが、使い方によっては、扉の軸となる部分に衝撃が加わり、樹脂製の部分が壊れて扉が外れることがわかった。
                                      
 リコールされるのは、シャープ(本社大阪)が、平成8年から平成13年にかけて製造した両開きタイプの冷蔵庫のうち、SJ-WA35Cなど48機種、97万台余り。これらの冷蔵庫については、使用中に扉が外れてけがをする事故が4件報告されているという。
 
 去年6月に茨城県であった事故では、外れた扉が足の上に落下し、女性が骨を折る大けがをしたということ。原因を調べたところ、ドアと冷蔵室の間にものが挟まった状態で開け閉めを繰り返した場合、まれにドアの部品が壊れ、ドアが外れるおそれがあることがわかった。このためシャープは、同じような構造を持つ冷蔵庫をリコールし、無償で点検を行い、強度を高めた部品に交換をすることに決めた。

消費者庁HP2010年1月27日
「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について」
6.特記事項
(1)シャープ株式会社が製造した電気冷蔵庫(管理番号A200900291)
ttp://www.caa.go.jp/safety/pdf/100126kouhyou_1.pdf

2009年12月13日日曜日

総務省消防庁、AEDの不具合、全国調査へ

 9日、心臓発作を起こした男性に救急隊員が自動対外式除細動器(AED)を使って電気ショックを与え心臓の動きを正常に戻そうとしたところ、AEDが作動せず、その後男性が死亡したことから、総務省消防庁では全国的なAEDの不具合の実態調査をおこなうことにした。2010年1月に調査結果を発表する予定。
 
 事故などで、呼吸が止まり意識を失った人に対して、救急車が到着するまでの数分間、人口呼吸などとともに、AEDを使って心肺蘇生を行えば、より多くの人が救われる。
 そのため、AEDは、駅や公共の施設、スポーツ施設などに設置され、2004年7月からは、一般市民でも使用できるようになった。国内では、AEDの設置は届け出義務がないので、正確な数字はわからないが、20万台以上普及しているという。

 今年はじめ、総務省消防庁は、2007年に心筋梗塞などで心肺停止状態になり、救急搬送された患者の1カ月後の生存率を調べたところ、10・2%だったと公表している。調査を始めた05年に比べ、3・0ポイント改善したとしており、AEDの普及や救急隊員の能力の向上が改善の要因としてあげられるという。

 このように、生存率を上げているAEDだが、最近不具合が報告されたため、AEDを輸入販売している日本光電では、この機器と同じ製品番号のパッドの自主回収をはじめている。

 なお、総務省消防庁のHPでは、調査について以下の文書が出ている
「AEDの不具合が疑われた事案に関する調査について(依頼)」
全国メディカルコントロール協議会連絡会事務局消防庁救急企画室
http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2112/pdf/211208-kyu280.pdf

《記事》
AEDの不具合 緊急調査へ(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014285711000.html

2009年11月21日土曜日

自動体外式除細動器(AED)10万台改修へ

 最近、病院や駅など公共の場所やスポーツ施設などで、AED(自動対外式除細動器)をよく見かけるようになった。

 事故などで、呼吸が止まり意識を失った人に対して、救急車が到着するまでの数分間、人口呼吸などとともに、AEDを使って心肺蘇生を行えば、より多くの人が救われる。
 AEDは、心臓の筋肉がけいれんしたような状態になり、全身に血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すもの。2004年7月より、一般市民でも使用できるようになった。

 今日は、私の住む地域で防災訓練があった。市の消防局や地元の消防団が応援に来て、住民が避難場所を確認し、消火器やAEDの使い方などを学び訓練した。
 AEDの使い方は簡単で、電源を入れると、使い方を音声ガイドで指示されるので、一般市民であっても、あわてずに指示通り器具を使えばよい。

 このAEDを使って電気ショックを行う前に、心電図をとって電気ショックが必要かどうか調べるが、この装置が作動しない恐れがあることがわかった。

 AEDの輸入会社日本光電が、発表したところによると、電子部品の故障が原因で、当面販売先には検査器具を配り、自主点検を呼び掛ける。無料改修は来年5月からとなる。


《参考記事》
AED10万台改修へ 大手輸入業者「作動しない恐れ」
(20日 23:10) http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091121AT1G2002U20112009.html

2009年11月2日月曜日

カセットボンベが爆発

 11月1日、「富士スピードウェイ」で、観客がカセットコンロで調理していたところ、ボンベが爆発して、近くにいた男性ら4人がけがをするという事故が起きた。

 警察は、ガスコンロより大きいフライパンで調理していたため、コンロを覆ってしまい熱がこもり、ボンベが過熱して爆発したとみている。

 製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)によると、カセットこんろのボンベまで覆ってしまう調理器具を使用すると、器具の輻射熱でボンベが過熱状態になって爆発するという事故が起きているという。
 ニュースで、NITEが行った実験を見せていたが、鉄板でコンロを覆ってしまうとしばらくしてカセットボンベが爆発した。ちいさなカセットボンベとはいえ、爆発はすさまじかった。
 もし、近くにいたら、大けがをしてしまう。
 
 これからの季節、卓上でカセットコンロを使って鍋を囲むことが多くなる。食卓を囲む人数が大勢だと鍋や調理器具も大きくなりがちだが、ボンベが過熱しないよう気をつけたい。

 また、カセットボンベを、ファンヒーターなど温風の吹き出し口の前において、ボンベが過熱して爆発したという事故も起きている。火がないと、意外と気がつかないが、吹き出し口の前は予想外に温度が高くなるので、ボンベやスプレーなどを置くのは危険だ。
 
 なお、最近は、カセットコンロにボンベの過熱による圧力上昇を感知して、ガスの供給を停止させる安全装置が付いていて、自動的に火が消えるものが販売されているという。

《参考記事》
ガスボンベ爆発で6人重軽傷 富士スピードウェイ
2009/11/01 21:23 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110101000339.html

2009年10月14日水曜日

ハンドル形電動車いす、安全基準の設定へ

 電動車いすの中でも、ハンドル形の電動車いすの事故が増えている。
製品評価技術基盤機構(以下、NITE)の調査によれば、1986年から、平成20年1月末までに96件の事故情報が寄せられているということだ。
 
 最近、足腰が弱るなど日常生活で移動に不自由なお年寄りが、買い物などの移動手段として、ハンドル形電動車いすを利用しているのを見かける。スクーターのような乗り物だが、歩行者扱いなので、商店街などでよく見る。
 しかし、ハンドル形電動車いすは、段差でバランスを崩して転倒し、お年寄りが亡くなったり、溝にはまって倒れるなど、大きな事故がおきているそうだ。

 調査によれば、2002年以降、事故は増加傾向にあり、このうち、死亡、重傷にいたる重大事故が53% を占めているという。そのため、平成19年、経済産業省が試買テスト事業を、NITEに委託し、NITEがハンドル形電動車いすの安全性の調査を実施、20年3月報告と提言を出した。
 
 その後、経産省では、多発する事故を防ぐため、ハンドル形電動車いすについて、JIS規格の改正を検討していたが、12月20までに制定することを決めた。

 高齢化が進むにつれ、ハンドル形電動車いすなどの利用はますます増えるのではないかと思うが、利用者に安全な乗り方を周知するとともに、誤って操作しても事故を起こさないよう電動車いすそのものの安全対策もすすめてほしい。
 
《参考》
「NITE ハンドル形電動車いすの安全性調査結果」 
http://www.nite.go.jp/jiko/journal/journal_vol7_pdf/journal_vol7_p026tokusyu.pdf
経済産業省「ハンドル形電動車いすの安全性・利便性を高めるため、JISの改正を行います」
http://www.meti.go.jp/press/20091009004/20091009004.pdf


《記事》
ハンドル形電動車いすの事故防止へJIS規格改正
更新:2009/10/13 20:35   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24755.html