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2018年9月19日水曜日

電動車いすの男性が死亡~神戸市灘区阪急神戸線畑原踏切~

 2018年9月16日午後7時15分頃、兵庫県神戸市灘区にある阪急神戸線の畑原踏切で、電動車いすに乗って踏切を横断していた男性(73歳)が普通電車に撥ねられて亡くなった。

 MBSの報道によると、畑原踏切は神戸線王子公園駅と六甲駅の間にある踏切で、ニュースの映像からを見ると、カーブしている線路上にあるようだ。線路の路面に凹凸があり、カーブの外側が高くなっている。また、線路と道路の交差角度が直角ではないように見える。このように、路面が凸凹していたりすると、電動車いすや自転車では渡りにくい。車輪が線路の溝に入ったり、自転車のハンドルを取られたりすることがあるという。

 そうすると、踏切内で車いすなどが動けなくなる可能性がある。車いすに乗っていた男性がどのような状況だったのか、委細はわからないので断定はできないが、踏切の路面の状況が良くないことも、事故の原因につながると思う。

 阪急電鉄の他の踏切では、電動車いすの事故が過去にも起きている。カーブ上の踏切や車いすで渡る人のへの安全対策を検討してほしい。

 踏切はいろいろな方が通行する。健康な若者ばかりではない。年老いた方が手押し車を引きながら渡ったり、ベビーカーを押しながら渡る人もいる。さまざまな人に目を向けた対策を講じて、悲惨な事故で無くなる人のないように努めてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

《参考記事》
「電動車いすで踏切横断中の男性はねられ死亡」毎日新聞2018年9月16日


 

2018年5月20日日曜日

西武池袋線池袋第8号踏切の事故~人も検知する装置を

 2017年2月9日、西武池袋線の池袋と椎名町の間にある池袋第8号踏切で、お年寄りが電車に撥ねられて亡くなった。手押し車を押しながら、踏切を渡っていたところ、転倒したとみられている。
 特急や急行はスピードを出すため、遠心力で脱線しないように、カーブの外側を高くしてある。そのため、踏切がカーブの上にあると、傾斜ができる。また、線路が複線だと、この傾斜が二回出来る。踏切道が波打つようになる。高 齢者、車いすに乗る人、ベビーカーを押す人、自転車に乗る人らにとって、歩きにくいところだ。
 国土交通省関東運輸局が作成した「踏切通行安全カルテ」によると、池袋第 8 号踏切は、過去 5 年間に 2 回事 故が起きている「事故多発踏切」である。
写真1 2017年2月15日 池袋第8号踏切

 池袋第 8 号踏切は幅約 6 メートル、長さ約 10 メートルである。踏切は、警報機・遮断機のある 第 1 種踏切。非常ボタンも設置されている が、事故当時は押されなかった。また、障害物検知装置も設置されていたが、倒れた人を検知しなかった。
 昨年(2017 年)事故直後の 2 月 15 日、私が踏切を訪れた際には、 作業員が踏切の白線などの塗り替えをしていた。(写真1)


写真2 2018年5月15日池袋第8号踏切に設置されている新しい検知装置
  西武鉄道によると、2017 年 6 月から、池袋第8号踏切に、新しい障害物検知 装置を設置して実証試験を行っているという。この装置は踏切道の地面から 13 センチメートル の高さにレーダを設置し、転倒した人も面で検知 しようというもの。実証試験を 1 年間実施し、安全対策に活かそうとしている。(写真2)

 踏切を利用するのは、自動車だけではない。池袋第8号踏切のように、生活道路として周辺の住民が買い物に行ったり、病院に行ったりする際に利用されているところも多い。(写真3)
写真3 2018年5月15日 池袋第8号踏切 路面に凹凸がある
 踏切を通行する人が凹凸につまずいて転んだり、動けなくなった時、踏切の異常を検知して、電車の運転士に知らせる方法をぜひ、考えてほしい。
 運転士が電車を減速したり、踏切の前で電車を停止させることができれば、踏切に取り残された人は助かるかもしれない。
 
 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。
2018年5月15日 池袋第8号踏切に設置されている非常ボタン(右)


《参考》
〇西武鉄道「踏切の安全対策について」 西武鉄道 第 17-021 号(2017 年 6 月 13 日)

  https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2017/20170613fumikirianzen.pdf
〇「 踏切事故 高齢者に危険 浮き彫り」東京新聞2017年12月27日
  http://www.tokyo-p.co.jp/article/tokyo/list/201712/CK2017122702000137.html#print



 
  

2018年3月31日土曜日

電動車いすも検知を~兵庫県高砂市JR神戸線東川踏切~

 2月11日、高砂市米田町島にあるJR神戸線の東川踏切に行った。
 ここの踏切で、1月12日午後3時半ころ、ハンドル型電動車いすに乗って、踏切を渡っていた女性が普通電車に撥ねられて亡くなった。報道によると、近くにある防犯カメラには、女性が遮断機の下りる前に踏切に入り、線路上で約30秒間、車いすの操作をしたり、手を上げたりして立ち往生しているような姿が映っていたという。

 
JR神戸線東川踏切 女性は向こう側からこちらへ渡ってきた。
こちら側の上り線の線路上で立ち往生していたという。
2018年2月11日撮影
東川踏切は、第1種踏切で警報機、遮断機、障害物検知装置、非常ボタンが設置されている。長さは約10mで幅は2.4mから2.9mある。JR西日本によると、障害物検知装置はループコイル式で、電動車いすが小さいため、この検知装置が検知しなかったという。

 ループコイル式の検知装置というものをはじめて見た。雪の多い地方などで、車を検知するために埋設されるというが、雪があまり降らない関西の高砂市でなぜループコイル式が埋設されているのかはわからなかった。
JR神戸線東川踏切 踏切の北側(上り線側)から、踏切内を見る。
ループコイル式の検知装置が埋設されているという。
2018年2月11日撮影
踏切のそばには、ショッピングセンターがある。日曜日のこの日は、この踏切を渡って買い物に行くのか、大勢の人が行き来する。子供をつれたおかあさんや、ショッピングカートをひくお年寄りや、自転車に乗った人々が行き来する。また、車両も狭い踏切を行き来する。
 また、自治会や高砂署・高砂市・小学校PTAによる通行規制があった。車両は日・土・祝日以外の7:30~8:30と13:00~17:00は通行禁止である。また、近くには「見守りカメラ」が設置されていた。電動車いすの女性が通行した日は、平日の午後で車両の通行がなく、電動車いすで渡るのが容易と思われたかもしれない。
見守りカメラが設置されていた。2018年2月12日撮影。

JR神戸線東川踏切 踏切の南側(下り線側)から、踏切内を見る。
交通規制の看板が見える。        2018年2月12日撮影
 高砂署は、女性が乗っていた電動車いすに不具合はなかったとみており、女性が操作を誤ったために、踏切内に取り残されたとみている。しかし、電動車いすに乗っている女性を検知装置が検知して電車の運転士に踏切の状況を伝えていれば、事故を防げたのではないだろうか?
 踏切を通行するのは、車両だけではない。さきほども書いたが、お年寄りや子供連れの人、自転車で買い物に来る人などが通行しており、踏切は生活道路になっている。
 これらの人たちが踏切で取り残されたとき、検知して、電車を減速したり、踏切の手前で停止させるなど、人の命を守る安全対策を講じてほしい。

<参考> 拙ブログでは、この事故の報道について、以下の記事で書いた。
「電動車いすの女性死亡~JR神戸線東川踏切」
https://tomosibi.blogspot.jp/2018/01/jr.html

2017年11月29日水曜日

東急田園都市線 男性の白杖をはさんで発車

    報道によると、11月17日、東急田園都市線の二子玉川駅(東京都世田谷区)で、視覚障害のある男性が持っていた白杖(はくじょう)を挟んだまま、電車が発車していたことがわかった。男性は白杖を手放したため、けがはなかったが、白杖は折れたという。

   報道によると、17日午後4時45分ごろ、駅ホームにいた視覚障害者の男性が、白杖の一部を車内に入れ、車両内にいた乗客に「この電車は各駅停車か急行か」と尋ねたところ、乗客の返事がなかったため、男性は乗るのをあきらめてドアから離れた際、ドアが閉まったという。この停車していた押上発中央林間行き下り電車は、男性の白杖を挟んだまま、次の二子新地駅(川崎市)まで運行された。
 当時、車掌はモニターで男性が車両から離れるのを確認したが、白杖が細くて見えなかった。また、ドアに物が挟まったことを感知するセンサーも反応しなかったという。二子玉川駅には、今年度中にホームドアを設置する予定だという。東急電鉄は「ホームドアを設置するだけでなく、社員教育を徹底して再発防止に努めたい」としている。

 駅のホームは、視覚障害者の方のとっては、「欄干のない橋」と同じだという。点字ブロックが設置されているとはいえ、人にぶつかったりすると方向がわからなくなったりするという。狭くて危険なホームが多く、転落事故も後をたたない。一刻も早くホームドアを設置してほしいものだ。

<参考記事>
「田園都市線が白杖はさみ発車 男性けがなし」毎日新聞2017年11月29日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171129/ddm/041/040/119000c

東京・芝のエレベーター事故 遺族がシンドラー社と和解

 東京都港区のマンションで、2006年6月3日、都立高2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)が、戸が開いたまま上昇したエレベーターに挟まれて死亡した事故から11年がたった。
 11月24日、大輔さんの遺族が製造元の「シンドラーエレベータ」(中央区)などに損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(岡崎克彦裁判長)で和解が成立した。

 報道によると、マンションを所有する港区や、エレベーターの保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)などが遺族と和解した。
 和解は、シンドラー社や港区などが遺族に「深い遺憾の意」を示し和解金を支払う内容だという。再発防止に向けた取り組みの確約も盛り込まれ、和解金の一部は、遺族や支援者らが事故の再発防止活動を続けるための基金の創設に充てられる。また、港区が所有・管理する全エレベーターに事故防止装置を取り付けることも約束された。

 報道によると、亡くなった大輔さんの母・市川正子さんは
「賠償を受けるだけの判決ではなく息子の命を安全に生かす道を選んだ。安全項目の実行を約束させたことに意味がある。」と語った。
  市川さんらの訴えで、建築基準法施行令が改正され、エレベーターの扉が開いた状態で昇降した場合に機能する補助ブレーキの設置がメーカーに義務付けられた。
 しかし、市川さんは、施行令改正前に設置されたエレベータ70万台には、補助ブレーキ設置が義務付けられていないため、再発防止のための安全対策は十分ではないという。

 安全への道はまだ半ばと語る市川さんは、「息子のような被害者を二度とだしてはならない」と、エレベーター会社のみならず、安全対策にかかわる関係者に再発防止のための対策を徹底するよう訴えている。

<参考記事>
「東京・芝エレベーター事故死 事故から11年「やっと」遺族、シンドラー社と和解」
毎日新聞2017年11月25日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171125/ddm/041/040/121000c

2017年4月21日金曜日

お年寄りを助けようと踏切へ~京急川崎第一踏切

 4月17日、京急八丁畷駅そばにある踏切に行った。

 報道によると、先週15日(土)午前9時9分頃、踏切に入ったお年寄り(77才)を助けようとした男性とお年寄りが亡くなった。お年寄りが遮断機が下りても、中にとどまっているのを見た男性(52才)が、踏切の外から声をかけたがお年寄りは出てこない。男性は、遮断機をくぐって中に入り、お年寄りを外に出そうと腰に手をまわしたが、直後に快特が来て二人とも電車に撥ねられた。

 このニュースを聞いて、私は、2013年10月、横浜線中山駅そばの川和踏切で女性が亡くなった事故を思い出した。女性は、お年寄りを助けようとして踏切に入り、亡くなった。
 今回も、お年寄りを助けようとした男性が亡くなったと聞き、やりきれない思いで胸が苦しくなる。
 
京急八丁畷駅そばにある踏切。快特が轟音をたてて通過する。
2017年4月17日撮影
   京急川崎第1踏切は、八丁畷駅のすぐ横にある。八丁畷駅は快特は停車せず通過するため、快特は踏切を110㎞ものスピードを出して通過する。また、踏切の遮断棹と電車との間隔も少ないので、風圧を感じる。

 朝夕は電車がひっきりなしに通過し、開かずの踏切(1時間のうち遮断時間が40分以上)になる。
 快特の運転士がお年寄りと男性に気が付いたのは、踏切の70mほど手前で、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。当時、踏切に4箇所設置されている非常ボタンは押されなかった。
 
京急川崎第1踏切。非常ボタンがある。
2017年4月22日撮影
踏切には、障害物検知装置といって、踏切に立ち往生などした車両を赤外線などで検知するしくみがある。しかし、車両の検知が目的のため、人は検知の対象に設定されておらず、今回のように、お年寄りが何秒も線路内にとどまっていても検知器の死角に入ってしまうと、電車の運転士に信号が送られないという。

 踏切の事故を無くすにはどうしたらよいのかとよく聞かれる。専門家ではないわたしには難しい質問だが、何よりも人を検知できる装置を設置してほしいと思う。
踏切は歩道と車道が分けられていた。非常ボタンは押されなかった。 2017年4月17日撮影
踏切を通るのは、自動車だけではない。ベビーカーをおすお母さんや、手押し車を押しながら渡るお年寄り、車椅子で出かける手足に障害を持っている人など、様々な人が通行する。若い働き盛りの人ばかりではないのだ。
八丁畷駅前は川崎駅に近く、バスやトラック、乗用車などが頻繁に通る。
2017年4月17日撮影
そういう人たちが万が一、踏切の中で転んだり、倒れたりしたときに、検知して電車の運転士に知らせ、自動的に電車の速度を落としたり、停車できるようにすることが必要ではないのか?
 人も検知できるようにする、ぜひ取り組んでほしい。そして、尊い命が失われることのないように、対策を考えてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

《追加》2017年4月22日、非常ボタンの写真を追加しました。
《参考記事》
「踏切に立って考える」朝日新聞2017年4月18日付天声人語
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12896782.html

2016年1月29日金曜日

繰り返されたツアーバスの事故~長野県軽井沢町の事故

 2週間前、1月15日の未明、軽井沢でツアーバスの事故が起きた。将来のある多くの若者たちが犠牲となった。
 
 バスは、国道のセンターラインを越えて、ガードレールを突きやぶり、3m崖下に転落した。運転手や学生など15人が亡くなり、26人が負傷した。
 事故から日が経つにつれ、報道から、バス会社が運転手の健康管理を怠っていたことや、運行ルートを変更したこと、バス会社が国が定める基準の金額よりも安くツアーを受注していたことなどがわかってきた。また、バスが転落する寸前の監視カメラの映像が公開され、バスが時速100km前後のスピードを出していたらしいこともわかってきた。
 また、ギアがニュートラルに入っていたので、ブレーキが利かなくなっていたのではないかと言われている。運転手がバス会社に入社したばかりで、大型バスの運転に不慣れだった可能性があるという。

 事故のあった15日午後、国交省はバス会社に特別監査に入った。その結果、バス会社はバスの「運行指示書」に運行ルートを書いていなかったり、バスの運行が終わっていないのに、終わって運転手の点呼を済ませたとする書類をあらかじめ書いておくなど、道路運送法に違反している実態があった。
 運行会社は、事故の2日前、「運転手の健康管理が不十分」だとして、行政処分をうけたばかりだとも聞く。運転手の健康管理や勤務状態はどうだったのかも調査する必要がある。

 報道を見聞きしていると、次々とあきれることばかり出てくる。格安・激安をうたったツアーの裏にこんな危険があったとは、誰が想像しただろう。ゼミやサークルの友人たちと、楽しい旅を計画して出かけた学生らが一瞬のうちに、命を奪われるとは…

 亡くなった学生の父親が事故は「社会のひずみをあらわしている」と語っていた。親はやりきれない思いだったにちがいない。学生の中には就職も決まり、学年末試験なども済んで、ぐっすり休んでいただろう。事故は、そんなささやかなひとときの幸せさえも奪ったのだ。
 バスツアーの企画や運行にかかわる業者は、相次ぐ事故を自らのこととして受け止め、乗客の命を預かる公共交通機関としての使命を改めて肝に銘じてほしい。
 また、事故の原因を徹底的に調べ、バス会社やツアー会社などへ適切に行政処分を下すことは当然だ。その上に、今回のバスの事故の背景にある問題点も十分検討して、今後のバスツアーの安全対策につなげてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方々の一刻も早い回復を祈ります。  
 
≪参考記事≫
「繰り返されたバス事故の悲劇 」日本経済新聞2016/1/16
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96195280W6A110C1EA1000/