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2022年6月6日月曜日

東大阪市 近鉄奈良線 瓢箪山第2号踏切~電動車いすの方が亡くなった事故

  2021年12月9日午後4時ころ、電動車いすに乗って瓢箪山2号踏切を渡ろうとしていた高齢の男性が、下りてきた遮断機に電動車いすがあたり、踏切内に横転し、大阪発奈良行きの普通電車に撥ねられて亡くなった。

  この踏切には、警報機・遮断機がある。車両が通行できないせいか、障害物検知装置はない。踏切の長さ約8m、幅約2m。国土交通省が指定する「踏切安全通行カルテ」で、「事故多発踏切」として抽出されている。

 この踏切道はカーブ上にあるため、線路のカーブ外側が内側より高くなっている。そのため路面が凸凹している。12月の夕暮れ時は、足元が暗く凹凸がわかりにくいと思う。また、瓢箪山2号踏切のある瓢箪山駅から枚岡駅までの間は勾配が大きい。

 そして、通行止めのポールが設置されているが、遮断桿が下りると、ポールよりも下に来る。そのため、閉じ込められたとき、棹を向うに押して出ようと思っても、向こうに動かないので、出られないことが分かった。

 車に乗っていて、「踏切内に閉じ込められたら、棹をゆっくり押して外に出てください」と踏切に掲示されているが、ここでは、外に出られない。


          東大阪市 近鉄奈良線 瓢箪山2号踏切   2022年5月23日撮影

 近所にすむ小学生の母親は、踏切を通学路として使っているという。凹凸があり、歩きにくい踏切では、高齢者や障害のある方々にとっては、危険度が大きいと思う。一刻も早く対策を考えてほしい。

 高齢者は自動車の免許を返納するよう求められ、自動車の運転をやめる人が増えている。その結果、自動車に代わる移動手段として電動車いすが普及してきているせいか、電動車いすの事故は増えているという。安全に乗って、自由な移動ができるよう、踏切も対策が求められると思う。

 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

《参考》

2021年12月9日毎日新聞

電動車椅子の男性が電車にはねられ死亡 東大阪・近鉄奈良線踏切 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

  





2018年9月19日水曜日

電動車いすの男性が死亡~神戸市灘区阪急神戸線畑原踏切~

 2018年9月16日午後7時15分頃、兵庫県神戸市灘区にある阪急神戸線の畑原踏切で、電動車いすに乗って踏切を横断していた男性(73歳)が普通電車に撥ねられて亡くなった。

 MBSの報道によると、畑原踏切は神戸線王子公園駅と六甲駅の間にある踏切で、ニュースの映像からを見ると、カーブしている線路上にあるようだ。線路の路面に凹凸があり、カーブの外側が高くなっている。また、線路と道路の交差角度が直角ではないように見える。このように、路面が凸凹していたりすると、電動車いすや自転車では渡りにくい。車輪が線路の溝に入ったり、自転車のハンドルを取られたりすることがあるという。

 そうすると、踏切内で車いすなどが動けなくなる可能性がある。車いすに乗っていた男性がどのような状況だったのか、委細はわからないので断定はできないが、踏切の路面の状況が良くないことも、事故の原因につながると思う。

 阪急電鉄の他の踏切では、電動車いすの事故が過去にも起きている。カーブ上の踏切や車いすで渡る人のへの安全対策を検討してほしい。

 踏切はいろいろな方が通行する。健康な若者ばかりではない。年老いた方が手押し車を引きながら渡ったり、ベビーカーを押しながら渡る人もいる。さまざまな人に目を向けた対策を講じて、悲惨な事故で無くなる人のないように努めてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

《参考記事》
「電動車いすで踏切横断中の男性はねられ死亡」毎日新聞2018年9月16日


 

2017年11月29日水曜日

東急田園都市線 男性の白杖をはさんで発車

    報道によると、11月17日、東急田園都市線の二子玉川駅(東京都世田谷区)で、視覚障害のある男性が持っていた白杖(はくじょう)を挟んだまま、電車が発車していたことがわかった。男性は白杖を手放したため、けがはなかったが、白杖は折れたという。

   報道によると、17日午後4時45分ごろ、駅ホームにいた視覚障害者の男性が、白杖の一部を車内に入れ、車両内にいた乗客に「この電車は各駅停車か急行か」と尋ねたところ、乗客の返事がなかったため、男性は乗るのをあきらめてドアから離れた際、ドアが閉まったという。この停車していた押上発中央林間行き下り電車は、男性の白杖を挟んだまま、次の二子新地駅(川崎市)まで運行された。
 当時、車掌はモニターで男性が車両から離れるのを確認したが、白杖が細くて見えなかった。また、ドアに物が挟まったことを感知するセンサーも反応しなかったという。二子玉川駅には、今年度中にホームドアを設置する予定だという。東急電鉄は「ホームドアを設置するだけでなく、社員教育を徹底して再発防止に努めたい」としている。

 駅のホームは、視覚障害者の方のとっては、「欄干のない橋」と同じだという。点字ブロックが設置されているとはいえ、人にぶつかったりすると方向がわからなくなったりするという。狭くて危険なホームが多く、転落事故も後をたたない。一刻も早くホームドアを設置してほしいものだ。

<参考記事>
「田園都市線が白杖はさみ発車 男性けがなし」毎日新聞2017年11月29日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171129/ddm/041/040/119000c

東京・芝のエレベーター事故 遺族がシンドラー社と和解

 東京都港区のマンションで、2006年6月3日、都立高2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)が、戸が開いたまま上昇したエレベーターに挟まれて死亡した事故から11年がたった。
 11月24日、大輔さんの遺族が製造元の「シンドラーエレベータ」(中央区)などに損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(岡崎克彦裁判長)で和解が成立した。

 報道によると、マンションを所有する港区や、エレベーターの保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)などが遺族と和解した。
 和解は、シンドラー社や港区などが遺族に「深い遺憾の意」を示し和解金を支払う内容だという。再発防止に向けた取り組みの確約も盛り込まれ、和解金の一部は、遺族や支援者らが事故の再発防止活動を続けるための基金の創設に充てられる。また、港区が所有・管理する全エレベーターに事故防止装置を取り付けることも約束された。

 報道によると、亡くなった大輔さんの母・市川正子さんは
「賠償を受けるだけの判決ではなく息子の命を安全に生かす道を選んだ。安全項目の実行を約束させたことに意味がある。」と語った。
  市川さんらの訴えで、建築基準法施行令が改正され、エレベーターの扉が開いた状態で昇降した場合に機能する補助ブレーキの設置がメーカーに義務付けられた。
 しかし、市川さんは、施行令改正前に設置されたエレベータ70万台には、補助ブレーキ設置が義務付けられていないため、再発防止のための安全対策は十分ではないという。

 安全への道はまだ半ばと語る市川さんは、「息子のような被害者を二度とだしてはならない」と、エレベーター会社のみならず、安全対策にかかわる関係者に再発防止のための対策を徹底するよう訴えている。

<参考記事>
「東京・芝エレベーター事故死 事故から11年「やっと」遺族、シンドラー社と和解」
毎日新聞2017年11月25日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171125/ddm/041/040/121000c

2017年4月21日金曜日

お年寄りを助けようと踏切へ~京急川崎第一踏切

 4月17日、京急八丁畷駅そばにある踏切に行った。

 報道によると、先週15日(土)午前9時9分頃、踏切に入ったお年寄り(77才)を助けようとした男性とお年寄りが亡くなった。お年寄りが遮断機が下りても、中にとどまっているのを見た男性(52才)が、踏切の外から声をかけたがお年寄りは出てこない。男性は、遮断機をくぐって中に入り、お年寄りを外に出そうと腰に手をまわしたが、直後に快特が来て二人とも電車に撥ねられた。

 このニュースを聞いて、私は、2013年10月、横浜線中山駅そばの川和踏切で女性が亡くなった事故を思い出した。女性は、お年寄りを助けようとして踏切に入り、亡くなった。
 今回も、お年寄りを助けようとした男性が亡くなったと聞き、やりきれない思いで胸が苦しくなる。
 
京急八丁畷駅そばにある踏切。快特が轟音をたてて通過する。
2017年4月17日撮影
   京急川崎第1踏切は、八丁畷駅のすぐ横にある。八丁畷駅は快特は停車せず通過するため、快特は踏切を110㎞ものスピードを出して通過する。また、踏切の遮断棹と電車との間隔も少ないので、風圧を感じる。

 朝夕は電車がひっきりなしに通過し、開かずの踏切(1時間のうち遮断時間が40分以上)になる。
 快特の運転士がお年寄りと男性に気が付いたのは、踏切の70mほど手前で、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。当時、踏切に4箇所設置されている非常ボタンは押されなかった。
 
京急川崎第1踏切。非常ボタンがある。
2017年4月22日撮影
踏切には、障害物検知装置といって、踏切に立ち往生などした車両を赤外線などで検知するしくみがある。しかし、車両の検知が目的のため、人は検知の対象に設定されておらず、今回のように、お年寄りが何秒も線路内にとどまっていても検知器の死角に入ってしまうと、電車の運転士に信号が送られないという。

 踏切の事故を無くすにはどうしたらよいのかとよく聞かれる。専門家ではないわたしには難しい質問だが、何よりも人を検知できる装置を設置してほしいと思う。
踏切は歩道と車道が分けられていた。非常ボタンは押されなかった。 2017年4月17日撮影
踏切を通るのは、自動車だけではない。ベビーカーをおすお母さんや、手押し車を押しながら渡るお年寄り、車椅子で出かける手足に障害を持っている人など、様々な人が通行する。若い働き盛りの人ばかりではないのだ。
八丁畷駅前は川崎駅に近く、バスやトラック、乗用車などが頻繁に通る。
2017年4月17日撮影
そういう人たちが万が一、踏切の中で転んだり、倒れたりしたときに、検知して電車の運転士に知らせ、自動的に電車の速度を落としたり、停車できるようにすることが必要ではないのか?
 人も検知できるようにする、ぜひ取り組んでほしい。そして、尊い命が失われることのないように、対策を考えてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

《追加》2017年4月22日、非常ボタンの写真を追加しました。
《参考記事》
「踏切に立って考える」朝日新聞2017年4月18日付天声人語
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12896782.html

2017年4月14日金曜日

那須で雪崩、高校生ら8名死亡~林野庁、雪崩危険個所に指定

 報道によると、3月27日午前9時20分頃、栃木県那須郡那須町湯本にある那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山をしていた高校生らが巻き込まれた。高校生らはスキー場のゲレンデ上部で登山中に雪崩に遭い、県立大田原高校の生徒7名と教諭1名が死亡、他に生徒と教諭の計40名が重軽傷を負った。

 那須高原署や消防、県教育委員会によると、現場では、3月25日から27日、栃木県高校体育連盟が登山訓練「春山講習会」を主催、県内七つの高校の山岳部の1,2年生が参加していたという。
 報道によると、27日午前6時に、雪による悪天候のため登山を中止したが、午前8時から生徒と教員の計48名で雪を分けて進む「ラッセル訓練」をしていた。参加7校が5班に分かれて、大田原高校が先頭で訓練していたようだ。
 宇都宮気象台は、26日午前10時半ころ、栃木県北部に雪崩や大雪の注意報を発表、注意を呼びかけていた。担当者は「未明からの約10時間で積雪となり、気温は比較的高い。雪崩が起きやすい環境だった」と話しているという。

 報道によると、林野庁は、現場一帯の那須岳国有林は「雪崩危険箇所」として指定していたが、栃木県は山岳関係者らに周知していなかったことがわかった。
 また、林野庁は国有林に立ち入る際は、入林許可の申請を求めていたが、講習会を毎年主催していた県高等学校体育連盟登山専門部は、少なくとも5年間は申請していなかったという。林野庁は「申請があれば、雪崩への注意を促すことができた」としている。

 林野庁などによると、1997年度に現場一帯を危険箇所に指定し、県に伝達したが、県は防災計画に明記したものの、県が独自に危険地域を図示しているHPには反映していなかったという。県は危険箇所を見直す方針。

 亡くなった大田原高校の生徒らは、雪をかきわけながら歩くラッセル訓練で、スキー場上部にある樹林帯を越えた標高の高い斜面まで登っていたとみられ、樹木などの障害物の少ない斜面で雪崩の直撃を受けた可能性があるという。他校の生徒は、雪崩の勢いが軽減される樹林帯の中や、さらに標高の低い場所にいて、重軽傷のけがですんだとみられている。

 生徒らが、春山登山の訓練をするのに那須岳が適していたかどうかなど、これから捜査されるのだろうが、林野庁の情報が、訓練を計画する高校体育連盟など、関係者に届いていなかったことが事実だとすれば、とても残念なことだ。

 訓練の計画にかかわる人たちは、多くの生徒の命を預かるのだから、訓練をする場所など、十分に調査して計画をたててほしい。そして、無理な訓練をしないでほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた生徒や教員の方のご冥福を祈ります。

《参考記事》
「那須8人死亡 現場は雪崩危険箇所 林野庁指定、県は周知せず」
2017年4月2日東京新聞 TOKYO Web
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040202000124.html

2016年12月31日土曜日

広島市JR芸備線無連地第2踏切~事故から3年

 広島市にあるJR芸備線無連地第2踏切では、3年前の12月5日、お年寄り二人と介護福祉施設の職員の乗った乗用車と普通電車が衝突して、施設の女性職員とお年寄りの二人が亡くなった。また一緒に乗っていたお年寄りの妻も一命をとりとめたものの、重傷を負った。

 事故については、以前、ブログ(以下のページ参照)にも書いた。
「3人が死傷した踏切~広島市JR芸備線無連地第2踏切」
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/06/2.html

 今年11月26日、この無連地第2踏切に行った。広島駅からJR芸備線に乗り、志和口駅に行く。駅からは車で踏切に行く。
無連地第2踏切で電車の来た方角広島方面を見る
                         2016年11月26日
踏切には、無連地第2踏切の事故を取材してきた広島テレビのスタッフに同行してもらった。広島テレビでは、事故の翌年の2014年、踏切の問題点を整理して、なぜ事故が起きたのかを検証した。
 この放送の中でも指摘していたが、列車の来た方角は、生け垣の木で電車がよく見えない。また、事故当時、電車を見るために設置されたカーブミラーは、朝露で曇っていて見えないこともあった。いったん、車を降りて電車がくるかどうか確認しないと見えない。
 また、電車が来た方と反対側も大きな欅の木が茂り、やはり車の運転者からは電車が見えにくいという。それは、電車の運転士からも踏切が見えにくいということでもあると思う。乗用車が踏切にはいって来たことに気付いた時には、ブレーキは間に合わない。
電車の来た方角は木が植えられていて、よく見えない。
                        2016年11月26日

反対方向も欅の大木で、電車が見えない。
                 2016年11月26日
事故の現場に行くといつも思うのは、失礼な言い方だが、思ったよりも開けているということだ。
「過疎」と言われるが、沿線には住宅地が広がっていた。無連地第2踏切を渡ってから入っていった集落は、たしかに戸数が9戸と少ないが、川をはさんだ向う岸には、住宅が並んでいる。付近の集落の自治会長である杉川さんに会って話をうかがった。無連地の集落が少ないのは、道路が不便で危険な踏切を渡らないとならないからだという。

 事故の後、杉川さんらは周辺の町村の人々などに声をかけて、踏切に遮断機警報機を設置してくれるよう要望する署名を集め、JR西に提出した。2014年6月、JR西は無連地第2踏切に、警報機遮断機を設置することを決め、12月に工事をした。

 杉川さんのお話によると、この踏切では40年前にもオートバイに乗って踏切を渡ろうとした女性が電車に撥ねられて亡くなったそうだ。亡くなった女性の家族が踏切のそばに地蔵を立てた。今現在は、遮断機を設置するために、踏切から少し離れたところに移されたものの、線路に近い場所で、鉄道の安全を見守っているようにみえる。
 
芸備線を見守るお地蔵様。踏切で亡くなった女性の遺族が建てた。
                                  2016年11月26日
今年は、警報機遮断機のない踏切で、事故が増えている。
2014年4月から、遮断機のない踏切で起きた死亡事故は運輸安全委員会の事故調査対象となり、この2014年、2015年は遮断機のない踏切での事故が前年に比べ減少し、2014年は6件、2015年は5件だった。
 しかし、今年度は4月から12月までに、すでに13件起きている。なぜ、事故が増えているのか、事故調査の結果を事故を減らすことに生かしていってほしい。また、鉄道事業者も死亡事故については、原因などを丁寧に調べて、事故の再発防止に努めてほしいと思う。

 最後になりましたが、無連地第2踏切で亡くなられた方のご冥福を祈ります。

《参考記事》
「遮断機・警報機ない「第4種踏切」ローカル線で進まぬ安全策」20161117日東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016111702000135.html

2016年9月15日木曜日

関東鉄道で第4種踏切事故~事故原因の調査開始

報道によると、9月12日午後5時すぎ、茨城県筑西市井上にある関東鉄道常総線黒子駅大田郷駅間にある踏切で、近くに住む小学4年生の男子児童(9)が自転車に乗って渡っていたところ、1両編成の下り列車にはねられて亡くなった。

事故を受けて、13日、国の運輸安全委員会の事故調査官2人が現場の踏切を訪れ、事故原因の調査を開始した。事故のあった踏切は歩行者や二輪車が通るための踏切で、警報器や遮断機は設置されていない第4種踏切。


男子児童は、友人の家から帰る途中で、踏切を渡っていて電車に撥ねられたとみられている。
調査を担当した鉄道事故調査官は、「踏切は木に隠れて列車からの見通しが悪いように思います」と語り、この点も含めて事故原因を精査するとしている。

列車からの見通しが悪いということは、小学生からも列車が見えにくかったのではないかと思う。
また、ニュースで事故のあった踏切を見ると、幅が狭く、路面が傷んでいるようにみえる。
関東鉄道では警報機や遮断機のない第4種踏切が数多く残って、事故が起きている。利用者が多い踏切であるならば、踏切の安全対策を検討して、事故の再発を防ぐべきだと思う。

最後になりましたが、亡くなられたお子さんのご冥福をいのります。

《参考記事》
「小学4年生の男児 列車にはねられて死亡 茨城」2016年9月12日NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160912/k10010682781000.html
「小4死亡の踏切事故 運輸安全委が調査開始 茨城 筑西」2016年9月13日NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160913/k10010684111000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001

2016年5月9日月曜日

東武伊勢崎線竹ノ塚駅 下り急行線が高架に

 5月8日、東武伊勢崎線竹ノ塚駅横を走る下り急行線の高架化が完成、「レールウォ-ク」が開催された。高架橋は高さ9mあり、仮設の階段をのぼって線路内に入り、長さ約80mの区間を歩いた。

 足立区長をはじめ、国会議員、都議会議員、国土交通省、足立区関係者、地元町内会や自治会会長などが、高架になった線路の上を歩いた。一般参加は、事前に応募した住民などから抽選で選ばれ、約700名が高架橋の上を歩いたという。
下り急行線のレールや枕木を見る参加者たち
                2016年5月8日撮影
2005年3月15日夕方、踏切保安係が誤って準急電車の来るのを忘れて遮断機をあげ、警報音が消された踏切へ、通行人が多数入り、4人が死傷した。その中に、私の母もいた。
 あれから、11年あまりがたつ。竹ノ塚駅付近の高架化工事は、鉄道立体化の工事としては、異例の速さで進められていると聞く。足立区はじめ、関係者の皆様のご尽力のおかげと、心より感謝申し上げる。

 2012年11月に工事が始まり、今回、下り急行線が最初に上にあがった。5月28日、レールの切替えをし、翌29日の始発から高架線路を走る。
 これによって、平日の通常ダイヤで、1日に踏切を通過する列車の本数は906本から、下り急行線の分238本が減るという。朝のピーク時には、1時間に数分程度、踏切の遮断時間が短くなるそうだ。
竹ノ塚駅付近高架化のようす(東武鉄道作成資料から)

 高架化工事は2021年春の完成予定。まだまだ、「開かずの踏切」の状況は続く。踏切事故が繰り返されないように、また、工事の作業中事故のないように、安全に工事が進むことを願っている。

≪参考記事≫
「『開かず踏切』事故、もう二度と 竹ノ塚に悲願の高架橋」
朝日新聞2016年5月9日(2016年5月9日アクセス) http://digital.asahi.com/articles/ASJ5843D9J58UTIL00L.html

「東武伊勢崎線竹ノ塚駅 高架線一部が来月開通」
東京新聞2016年4月26日(2016年5月9日アクセス)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016042602000236.html

2016年4月1日金曜日

危険な踏切をなくす、実効性のある対策を~改正踏切道改良促進法が成立

 3月31日、踏切道改良促進法の改正案が参院本会議で、全会一致で可決、成立した。
国土交通省は、2016年度中に、全国で危険性の高く改良の必要な踏切を1000か所程度指定し、20年度までに、対策をとるように鉄道会社と自治体にもとめる。

 鉄道会社と自治体が具体的な対策で合意していなくても、国の判断で指定する。踏切の安全対策が迅速に進められることを期待したい。

 国交省によると、指定に当たっては、以下の点に留意して決めるという。
   [例]課題のある踏切
     ・開かずの踏切(ピーク時の遮断時間が40分以上の踏切道)
     ・踏切交通遮断量が一定以上の踏切道
     ・歩道が狭隘な踏切道
     ・通学路における小学生等の通行の安全確保が必要である踏切道
     ・高齢者等の通行の安全確保が必要である踏切道等

 踏切は危険なところだ。根本的な対策は踏切をなくすことだが、鉄道の立体化などは時間や費用がかかる。危険な踏切や事故のあった踏切をかかえる自治体も、根本対策にすぐにとりかかることは難しいと言うところが多い。しかし、当面できる対策もあると思う。歩道を広げカラー舗装してわかりやすくするとか、凹凸のある踏切の路面をなくすなどの対策は、すぐにできるのではないか。

 踏切の対策に関わる全ての人に、命を守るために安全対策を論議してほしい。通院や買い物で通らねばならない高齢者や、通学でわたる子ども、車いすで渡らねばならない人たちが安全にわたれるよう、実効性のある対策を検討してほしいと願っている。

≪参考≫
●拙ブログでは、「危険な踏切の対策を急げ」(2015年12月15日)でもとりあげた
http://tomosibi.blogspot.jp/search?updated-min=2015-01-01T00:00:00%2B09:00&updated-max=2016-01-01T00:00:00%2B09:00&max-results=22
●国土交通省ホームページ
「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律が成立し、その施行に必要な関係政省令が公布されました。」平成28年3月31日
http://www.mlit.go.jp/common/001125900.pdf
≪参考記事≫
「危険踏切1000カ所改良へ 安全対策、自治体と鉄道に義務」共同通信 2016/3/31 18:34
http://this.kiji.is/88201596619605492?c=39546741839462401

2016年1月29日金曜日

繰り返されたツアーバスの事故~長野県軽井沢町の事故

 2週間前、1月15日の未明、軽井沢でツアーバスの事故が起きた。将来のある多くの若者たちが犠牲となった。
 
 バスは、国道のセンターラインを越えて、ガードレールを突きやぶり、3m崖下に転落した。運転手や学生など15人が亡くなり、26人が負傷した。
 事故から日が経つにつれ、報道から、バス会社が運転手の健康管理を怠っていたことや、運行ルートを変更したこと、バス会社が国が定める基準の金額よりも安くツアーを受注していたことなどがわかってきた。また、バスが転落する寸前の監視カメラの映像が公開され、バスが時速100km前後のスピードを出していたらしいこともわかってきた。
 また、ギアがニュートラルに入っていたので、ブレーキが利かなくなっていたのではないかと言われている。運転手がバス会社に入社したばかりで、大型バスの運転に不慣れだった可能性があるという。

 事故のあった15日午後、国交省はバス会社に特別監査に入った。その結果、バス会社はバスの「運行指示書」に運行ルートを書いていなかったり、バスの運行が終わっていないのに、終わって運転手の点呼を済ませたとする書類をあらかじめ書いておくなど、道路運送法に違反している実態があった。
 運行会社は、事故の2日前、「運転手の健康管理が不十分」だとして、行政処分をうけたばかりだとも聞く。運転手の健康管理や勤務状態はどうだったのかも調査する必要がある。

 報道を見聞きしていると、次々とあきれることばかり出てくる。格安・激安をうたったツアーの裏にこんな危険があったとは、誰が想像しただろう。ゼミやサークルの友人たちと、楽しい旅を計画して出かけた学生らが一瞬のうちに、命を奪われるとは…

 亡くなった学生の父親が事故は「社会のひずみをあらわしている」と語っていた。親はやりきれない思いだったにちがいない。学生の中には就職も決まり、学年末試験なども済んで、ぐっすり休んでいただろう。事故は、そんなささやかなひとときの幸せさえも奪ったのだ。
 バスツアーの企画や運行にかかわる業者は、相次ぐ事故を自らのこととして受け止め、乗客の命を預かる公共交通機関としての使命を改めて肝に銘じてほしい。
 また、事故の原因を徹底的に調べ、バス会社やツアー会社などへ適切に行政処分を下すことは当然だ。その上に、今回のバスの事故の背景にある問題点も十分検討して、今後のバスツアーの安全対策につなげてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方々の一刻も早い回復を祈ります。  
 
≪参考記事≫
「繰り返されたバス事故の悲劇 」日本経済新聞2016/1/16
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96195280W6A110C1EA1000/

2015年12月15日火曜日

危険な踏切の対策を急げ

報道によると、12月12日、国土交通省は、歩行者が事故に遭う可能性のある危険な踏切の対策を加速させる方針を固めた。

踏切内の歩道の拡幅、道路と鉄道の連続立体化などの改良の方法が決まらなくても、国の判断で「改良が必要な踏切」に指定し、自治体と鉄道会社に取り組みを促すことを柱とするという。
対象となる踏切は全国1000か所以上になる見込み。次期通常国会に踏切道改良促進法改正案を提出する。

国土交通省鉄道局の「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報 平成26年度」によると、2014年度(平成26年度)には、踏切では246件、事故が発生、92人が死亡している。亡くなった人の約8割は歩行者で、そのうちの4割が65歳以上の高齢者である。

2012年、2013年と、二人の女性が、踏切で倒れていた高齢者を助けようとして亡くなるという痛ましい事故がおきた。

女性が亡くなった踏切の横に、JR東が献花台を設けた。
朝早くから、献花に訪れた人がいた。2014年9月30日撮影

他の交通事故と同様、踏切においても、歩行者、特に高齢者が関わる事故が増えている。国交省は、今年10月「高齢者等の踏切事故防止対策について」も公表し、対策を強化する予定だ。

平成28年度から「第10次交通安全基本計画」がはじまる。この中でも、踏切道における事故対策が重視されている。鉄道と道路が平面交差する踏切は、もっとも危険な場所といえる。にもかかわらず、遮断棹は簡単にくぐれてしまうし、警報機は遠くからは見えにくい場所もある。カーブにある踏切道は、でこぼこしていて歩きにくく、お年寄りでなくても、躓いたり転んだりしかねない。

踏切を通らなくては、生活できない人がたくさんいる。私もその一人だ。
踏切の道路を管理する自治体と、踏切の施設を管理する鉄道事業者は、協力して安全対策を進めてほしいと、切に願う。
 
≪参考記事≫
「踏切改良、国の後押し加速 歩行者事故対策で国交省」東京新聞2015年12月13日

2015年11月8日日曜日

第10次交通安全基本計画(中間案)についての意見

 交通安全基本計画は、交通安全基本法に基づき、陸上、海上及び航空交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定めるものだ。
 現在、内閣府では、平成28年度から始まる第10次交通基本計画の作成に向け、作業が進められている。これまでの中央交通安全対策会議での検討を踏まえて、中間案がまとめられ、11月6日、公聴会が開催された。
 この公聴会には、関係する各省庁と各都道府県・政令指定都市の担当者も傍聴した。
 私も幸い公述する機会をいただいたが、公述する時間が8分と短いため、問題を絞って意見を述べさせていただいた。(公聴会で述べたことをまとめたので、以下に掲載します)
 なお、昨年9月に、内閣府は意見聴取会を開催して、交通事故被害者団体などから、交通安全基本計画にたいする意見を聴取、踏切事故遺族の会「紡ぎの会」も意見を述べさせていただいた。

~~~~第10次交通安全基本計画(中間案)にたいする意見~~~~
                                       平成27年11月6日
1.中間案の理念について
(1)事故を無くすには、なぜ事故が起きたのかを調査することが必要であり 各交通おける事故  調査体制を充実させることが肝要です
従って「理念」に「事故調査体制の充実」という項目を設定し、大きな目標に挙げることが必要です
(2)事故情報は当該事業者だけでなく、技術者や研究者、市民等各方面で共有されるべきと考えます。そのため「事故情報の共有・公開」という項目をたてるべきと考えます。
又、公的機関や鉄道事業者等、専門機関の事故調査にあたり、事故当事者の個人情報は直接個人を特定できる情報以外の情報は制限せず、情報公開すべきです。事故情報は再発防止や類似事故の未然防止という公益性があり、交通安全に資するものです。

2.「第3章踏切道における安全
(1)踏切事故が毎年300件前後起き、100人前後の方が踏切で死亡しています。しかし、25年度26年度と事故は300件を下回り、死亡者も100人を切りました
なぜ事故が減少したのか検討し、どんな対策が効果をあげたのか検討するならば、一層事故を減少させることができます。「平成32年度までに踏切事故件数を平成27年度と比較して約5割削減することをめざす」と目標を設定すべきです。(86ページ「目標」踏切事故件数約1割減に対して)
2)踏切事故の多くは鉄道事業者と踏切道管理者が協力すれば防止できます。今後の踏切道における交通安全対策を考える上で「道路管理者と鉄道事業者が協力し踏切安全通行カルテを作成・公表」(中間案89ページ)は有益です
具体策の実現にあたり、予算の後押しをお願いします。
3)被害者支援について、鉄道交通及び道路交通では、項目をとり詳細に記載されていますが、踏切交通については記載がありません。踏切道も鉄道交通のように、公共交通事故の被害者である場合は、支援の対象と考え、対策を講じるべきです
従って「被害者支援の実施」という項目をたてていただきたいと思います。
                                                          以上
≪参考≫
 内閣府は、この第10次交通安全基本計画(中間案)に対する国民からの意見を募集している。意見募集の締め切りなどについては、内閣府ホームページ
http://www8.cao.go.jp/koutu/kihon/keikaku10/kaisai.html

2015年10月31日土曜日

高齢者などの踏切事故防止対策を検討、公表~国土交通省

 国土交通省は、10月7日、高齢者や移動に制約を受けている人たちの踏切事故防止対策について、昨年7月から検討してきた結果を公表した。
 踏切事故は、長期的には減少傾向にあるとはいえ、最近は、高齢者(65歳以上)や移動に制約のある人(以下「高齢者等」と略)が車いすに乗るなどしていて、踏切道を渡りきれずに死亡する事故が相次ぎ、事故をどのように防止すべきか、検討が迫られていた。

 国土交通省が今回公表した「高齢者等の踏切事故防止対策について」によると、踏切事故件数290件のうち、歩行者は約3割、死亡者の約7割は歩行者である。また、死亡した歩行者のうち、約4割は65歳以上の高齢者である。
 このように、踏切事故において、65歳以上のお年寄りなどが事故に遭う割合が大きいことがわかった。そのため、踏切事故防止対策の検討会では、鉄道事業者から踏切で記録された画像を提供してもらい、具体的な事例を分析することにした。事例を、警報機及び遮断かんの動作状況と高齢者等の通行状況を整理し、事故原因を分析、事故防止対策について検討した。

 ここでは、12例を警報機が鳴りだす前に進入した場合と警報機が鳴動中に進入した場合とに分けて分析している。
 踏切道を渡りきれない場合の原因として、歩行速度が遅いこと、踏切内の段差やレールと路面との隙間に歩行者の足やシルバーカートの車輪等がひっかかり転倒すること、歩道がないか歩道幅員が狭いために自動車とすれ違う際に歩行を中止することがあげられている。
 遮断かんに阻まれて踏切道から出ることができないのは、遮断かんを持ち上げたり、くぐることができないことが原因であることがわかった。また、警報機鳴動後に踏切道に進入するのは、警報機が見えづらい等により踏切を認識していない可能性があることもわかった。

 これらの分析から、比較的短期間で技術的に実現性が高いと考えられる14の対策を検討、そして、それぞれの踏切道の状況に応じて、各対策の採択や組み合わせを考えるよう、提言している。
 
 今回の事故防止対策は、踏切に設置されたカメラの画像を分析して、具体的に対策を検討していることが注目に値すると思う。また、踏切の道路管理者と鉄道事業者が協力して「踏切安全通行カルテ」を策定・公表し、重点的に対策を推進していくよう求めている。

 今後も、踏切事故を無くす対策を着実に進めるために、関係機関が協議を重ねっていいてほしいと思う。

≪参考≫
国土交通省ホームページhttp://www.mlit.go.jp/common/001105649.pdf
「高齢者等の踏切事故防止対策について」高齢者等による踏切事故防止対策検討会
平成27年(2015年)10月 
 

2015年9月2日水曜日

大阪市教育委員会、組体操の段数制限へ~児童・生徒の安全を優先

 報道によると、9月1日大阪市教育委員会は、市立小中高校の運動会で行われている組体操「ピラミッド」「タワー」の段数を制限することを決めた。全国で、組体操中の骨折事故などが多数報告されていることを受けて、規制に踏み切った。組体操の段数の制限は全国でもめずらしいというが、専門家からは、危険性が指摘されていた。

 四つん這いになって重なるピラミッドの高さは5段まで、肩の上に立って重なるタワーは3段までに制限することとし、市立幼稚園や特別支援学級も規制の対象にする。
 大森不二雄委員長は「組体操が運動会の華でありつづけて良いのか。『いくらなんでも』と言われないよう上限を設けた。実施にあたっては、安全性が確保できるか校長が慎重に検討し、不安を覚えたらやめていただきたい」と話しているという。

 ピラミッドの9段の高さは6~7mに達し、建物の2階相当、タワーの5段も3~4mに達する。
日本スポーツ振興センター(東京)によると、全国の組体操中の事故は2013年度、小学校で6349件、中学校1869件、高校343件起きている。骨折事故は小中高合わせて2千件を超すという。
 名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)によると、2004年から2013年度までの10年間に、全国で死亡事故の報告はないものの、障害の残るケースが19件あったという。内田准教授は
「感動や一体感ではなく、何よりも児童・生徒の安全が重視されるべきだ」と話している。
 
 内田准教授の著書によると、労働の安全衛生についての基準を定めた「労働安全衛生規則」(厚生労働省)は、高所での作業について定めている。ここには、床面からの高さ2m以上の高所での作業について、「墜落等による危険の防止」のために、細かな規制が定められている。長くなるが引用する。

 第五百十九条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある個所には、囲い、手すり、覆い等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければならない。
 2 事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

 内田准教授は、労働者である大人が2メートル以上のところで仕事するときには、ここまで厳しい管理が事業者に求められているのに、子どもたちが組体操という高所での教育活動に従事するときには、学校側には何の管理も求められていないと指摘する。

 組体操には「囲い」もない。「手すり」も「覆い」も「防網」もない。子どもたちは、つかまるところもない状況で、組体操という高所作業に取り組んでいるのだ。大人の労働の世界ではあってはならないことが、子どもの教育の世界では繰り広げられている。
 また、組体操の巨大化は、高所にのぼる子どもを危険にさらすだけでなく、土台となる生徒にかかる負担にも注目しなければならないという。
 内田准教授が、人間ピラミッドの基本形10段を例にして、土台(1段目)にかかる負荷量を計算した。
 それによると、10段(計151人)の場合、土台の中でもっとも負担が大きいのは、背面から2列目の中央にいる生徒で、3.9人分の負荷がかかる。中学2年男子(全国平均48.8kg)で約4人分計190kgの重量が、一人の生徒にのしかかっているというのだ。

 なぜ、それほどまでに危険な組体操をするのか。
戦後の一時期をのぞいて、「学習指導要領」から姿を消した「組体操」。2000年代に入って、再び取り組まれるようになり、巨大化・高層化した。また、低年齢化した。
 組体操を指示する教育者によれば、組体操の教育的意義は子どもが「感動」や「一体感」「達成感」を味わうことができることにあるという。しかし、その教育的意義に目を奪われて、危険性が見えなくなっているのではないか。子どもたちが信頼し合って巨大なオブジェを作り上げることの意義にばかり目がいき、リスク管理を忘れているのではないか。

 「感動」や「一体感」は、組体操を巨大化・高層化しなくても得られるのではないだろうか?運動会の演目で、感動を呼ぶものが危険であってよいはずがない。

 私は、子どもたちが運動会で元気に楽しそうに走りまわるのを見るだけで感動している。

≪参考≫ 
内田良(名古屋大学大学院准教授)著
「教育という病 子どもと先生を苦しめる『教育リスク』」 光文社新書
≪参考記事≫
「人間ピラミッド5段まで 事故防止へ、大阪市教育委員会が規制」2015年9月1日朝日新聞
http://digital.asahi.com/articles/ASH805CRNH80PTIL01P.html

2015年8月31日月曜日

軽トラックと列車が衝突~東広島市JR山陽線鍵谷第1踏切~

 8月26日午後3時20分頃、東広島市のJR山陽線西高屋駅・白市駅間にある鍵谷第1踏切で、軽トラックと白市駅行きの上り電車が衝突、軽トラックは横転し、運転していた女性(79歳)が亡くなった。

 報道によると、JR西日本は、電車の運転士が踏切内に進入する軽トラックを発見し、急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
 現場の踏切は、第4種踏切で、警報機や遮断機が設置されていない。
 報道によると、付近の住民が5年前に、JR西に対して、危険だから警報機や遮断機を設置してほしいと要望していた。しかし、踏切を通行する人が少ないことを理由に断られたという。
 また、報道の中には、現場は線路がカーブしているところに踏切があるため、踏切から電車が見えにくいのではないかという指摘もあった。

 踏切は山間部にあるため、線路がカーブしていたり、線路の脇に山が迫っていたりして、電車がくるのが見えにくいこともあるかもしれない。電車の接近を通行者に知らせる仕組みが欠かせないと思う。
 JR西では、今回事故のあった鍵谷第1踏切の近くの堀川踏切でも、2006年12月とその2年前に死亡事故が2件起きている。堀川踏切で亡くなった高校生の両親がJR西を相手に民事裁判をおこし、広島地裁は、対策をとらなかったJR西に損害賠償を命じた。その後、JR西と両親は和解したが、その間にJR西は、堀川踏切を警報機・遮断機のある第1種に改善した。また、非常ボタンも設置している。
 堀川踏切と同じように警報機・遮断機のない鍵谷第1踏切が、同じ駅間にあるのなら、JR西はどうしていっしょに改善しないのだろう。

 昨年から、遮断機のない踏切で起きた死亡事故については、運輸安全委員会が事故調査をし、調査結果を事故の再発防止に役立てる。今回も、事故調査が開始された。
 運輸安全委員会の事故調査が迅速に徹底的になされ、事故を防ぐ対策に生かされるようにしてほしい。

 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。

≪参考≫
運輸安全委員会
「鉄道事故の概要 」
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail2.php?id=1877
≪参考記事≫
「山陽本線1人死亡衝突事故 事故調査官が調査」(広島テレビ)
http://news.home-tv.co.jp/news.php?ymd=2015-08-27&c=&id=2015-08-272
「死亡事故の踏切 以前から改善要望」 8/27 11:53 (広島テレビ)
http://www.news24.jp/nnn/news8665805.html

2015年5月19日火曜日

港区竹芝エレベーター事故から9年~6・3集会のお知らせ

 2006年6月3日、港区シティハイツ竹芝マンションで、シンドラー社製のエレベーターは、当時16歳の市川大輔君がエレベータから降り始めている最中に、扉が開いたまま突然上昇(戸開走行)、市川君は突然命を奪われた。そのあまりに理不尽な事故から9年が経とうとしている。
 
「生きる力」ご案内

 エレベーターは、私たちが日々生活の中で利用する身近な乗り物である。その安全は、メーカー・独立保守点検業者が情報を共有、協力して安全を厳しく維持しなくてはならないはず。
 市川大輔君の遺族らは、各方面に、なぜ事故が起きたのか、なぜ防ぐことができなかったのか、徹底的に調査・解明してほしい、事故の教訓を安全対策に生かしてほしいと訴えてきた。
 しかし、いまだに十分な再発防止策がとられているとは言いにくい。

 今年も、6月3日、大輔君の命日に、「安全な社会づくりを目指して 6・3集会」が開かれる。

日時:2015年6月3日(水)18:10~20:30
会場:港区障害保健福祉センター(ヒューマンプラザ)
    港区芝 1-8-23
    JR浜松町駅南口から徒歩8分
    *6階 講演会・報告会(竹芝小記念ホール) 開場17:30 開演18:10
    *7階 活動資料と写真展 14:00~20:30
講演:柳田邦男氏(ノンフィクション作家・評論家)
    今年で7回目になる柳田氏の講演。さまざまな事故の被害者・遺族たちを支援し続けてい      
    る。氏は、「たったひとりの命」だからこそ、事故原因と構造的背景要因をあきらかにし、次 
    の事故を引き起こさないようにしなくてはならないと話す。
他に裁判報告など:遺族、弁護士

資料代として300円
詳細は、「赤とんぼの会6・3」ホームページ http://akatonbo-6ten3.org/

2015年4月1日水曜日

電動車いすの事故~もとめられる安全対策

 ハンドルのついた電動車いすの事故が相次いでいる。報道によると、過去3年間に起きた事故13件の重傷・死亡事故のうち、10件までが同じメーカーの製品に集中していることが、消費者庁の消費者安全委員会の調査でわかった。事故の頻度は、他社の製品の10倍以上で、製品の構造が原因の一つとみられることから、消費者安全委員会(消費者事故調)は、メーカーに改善を促し、メーカーもアクセルレバーのつけ方などを検討するという。

 重大な事故が相次いでいるのは、松山市にある農業機械メーカー「アテックス」が製造する電動車いすで、他社のブランドで販売されているものも含め、これまでに全国で約8万台が出荷されているという。
 身の回りの事故の原因を調べる消費者事故調が、昨年11月からハンドル型電動車いすの事故を調査した結果、平成24年度以降の2年8か月の間に、消費者庁に報告された13件の重傷・死亡事故のうち、8割にあたる10件までが、この会社の製品で起きていることがわかった。このうち、6人の利用者が亡くなっていることがわかったという。
 事故は、お年寄りが電動車いすに乗っていて、道路わきに転落したり、踏切で列車にはねられたりして起きている。
 消費者事故調は、その原因の一つとして、この会社の製品のアクセルレバーが、他社のものと異なり、ハンドルよりも4センチ高い位置についていることがあると見ている。ハンドル操作がしやすい反面、お年寄りが具合が悪くなってうなだれたり、意図せずにレバーに触ってしまい、レバーを押して前に進んでしまう恐れがあるという。
 このため、消費者事故調はメーカーに対して改善をうながした。メーカーは、アクセルレバーのつけ方などについて改善を検討すると消費者事故調に伝えた。

 これまでに国内では、ハンドル型電動車いすが約47万台販売されているが、このうち、このメーカーの製品は8万台あまり。重大な事故は他社の製品全体の10倍以上の高い確率で起きているという。
 
 平成24年10月に、兵庫県高砂市でおきた踏切事故では、電動車いすに乗っていた男性(83歳)が、貨物列車にはねられて亡くなった。
 
 この踏切の近くに住む男性が、この事故を目撃していた。NHKがこの男性を取材したところによると、電動車いすに乗っていた男性は、遮断機が下りたため、踏切の手前でとまった。その後、前のめりに体が倒れた後、車いすが動き出し、降りていた遮断機を押し込むかたちで、踏切の中に入ったという。目撃していた男性は、非常ボタンを押そうとしたが、間に合わなかった。この男性によると、「意識が無くなったように前かがみにたおれた。倒れた体が電動車いすのスイッチに触れたのだと思う。」と話しているそうだ。
 また、亡くなった男性の家族によると、男性は糖尿病を患っていたため、血糖値をさげる薬を飲んでいた。事故のあった早朝は、前日夕方5時の夕食から食事をしておらず、血糖値が下がったことで、意識を失ったのではないかと話しているそうだ。
 亡くなった男性の妻は、「車いすで前かがみになったのは、血糖値が下がったからだと思う。夫は、電動車いすによって、行動範囲が広がって喜んでいた。高齢者が楽しく生活に利用できるよう、より安全な製品にしてほしい」と語っているという。

 電動車いすは、30年ほど前から販売が始まった。電動車いすは、主に高齢者が利用するハンドル型と、車いすと似た形で、主に体に障害のある人が利用するジョイスティック型と、2種類ある。
 バッテリーを充電してモーターで走行し、時速6kmまで出すことができる。運転には免許は必要なく、歩行者扱いだ。足腰の弱ってきたお年寄りには行動範囲が広がると喜ばれ、利用者が増えてきている。価格は20万から30万円で、介護保険を利用してレンタルすることもできる。
 消費者事故調によると、ほとんどの電動車いすは、アクセルレバーがハンドルの上の面よりも下についているが、改善を促した電動車いすは、ハンドルよりも4cmほど上にアクセルレバーがついていたという
 
 昨年、国際福祉機器展で、あるメーカーの電動車いすに試乗した。アクセルレバーが軽く動き使いやすいと思う半面、何かの拍子で押してしまったり、具合が悪くなって倒れこんだりしたら、レバーを押してしまい、前進してしまうのではないかと思った。
 道路交通法では、歩行者扱いの電動車いすは、免許が必要ない。高齢化が急速に進む中、お年寄りの行動範囲が広がるということで、普及が進んでいるという。しかし、高齢者が乗るものだから、事故が起きてもしかたないというのではなく、事故を防ぐ改善も必要となっているような気がする。
 高齢者も自分のすむ地域で、自立して生活することが求められている。ならば、なおさらのこと、安全に暮らせるよう、さまざまな改善や安全対策が求められていると思う。 

≪追記≫2015年4月4日
株式会社アテックスは、ホームページで、NHKの報道に対して、抗議文を掲載した。
NHKの報道は消費者庁の正式見解ではなく、NHKの独自取材による報道で、消費者庁から改善指示等も受けていないとしている。
「NHK に対する抗議文」2015年4月3日付
http://www.atexnet.co.jp/pdf/20150403.pdf
「NHK報道(電動車いす)による弊社見解」2015年4月2日付
http://www.atexnet.co.jp/pdf/kenkai.pdf

≪参考記事≫
「電動車いす事故 同メーカーに集中」2015年3月31日NHKニュース 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150331/k10010034301000.html

≪参考≫拙ブログでは、消費者事故調の調査について、以下でとりあげた。
●「ハンドル型電動車いすの事故調査を決定~消費者安全委員会」2014年11月25日
  http://tomosibi.blogspot.jp/2014/11/blog-post_25.html

 また、電動車いすの事故については、高知県佐川町白倉踏切の事故や、阪急神戸線旧庄本踏切の事故などについて書いた。これらの事故の電動車いすは、製造メーカーがわからないものもある。
●「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」2010年4月26日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2010/04/blog-post_26.html
●「電動車いすの女性が亡くなった事故~阪急神戸線旧庄本踏切」2014年5月6日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
●「電動車いすのお年寄りが亡くなった事故~大阪府高石市南海本線羽衣7号踏切」2014年7月22日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/07/7.html
●「車いすで踏切を渡るこわさ」2014年10月20日
 http://tomosibi.blogspot.jp/2014/10/blog-post_20.html


2015年2月27日金曜日

安全・安心なまちをめざして~竹ノ塚駅踏切事故から10年~

  今年で竹ノ塚踏切事故から10年がたつ。竹ノ塚駅付近の鉄道高架化への歩みを
振り返るとともに、作家の柳田邦男氏を迎えて、安全・安心な社会をつくるには、何が
必要かを考える。

内容:「安全・安心なまちをめざして~竹ノ塚駅踏切事故から10年~」
   ・報告:近藤弥生足立区長「竹ノ塚駅付近鉄道高架化工事の進捗状況」
   ・講演:柳田邦男氏
      「一つのいのち、みんなのいのち~安全・安心な社会をつくるために」
      (講師プロフィール)
      1936年生まれ。ノンフィクション作家。現代における命の危機をテーマに、
      様々な事故、災害、公害の取材・執筆活動を半世紀にわたり続けている。
      福島原発事故の政府事故調委員、運輸安全委員会のJR福知山線事故検証会議
      委員を務めた。
   ・あいさつ:加山圭子(踏切事故遺族の会紡ぎの会代表)
日時:2015315日(日曜日)午後2時~4時、午後130分開場
場所:竹の塚地域学習センター(竹の塚センター)ホール
    http://www.city.adachi.tokyo.jp/bunka/shisetsu/shogaigakushu/009.html
    東武伊勢崎線(スカイツリーライン)竹ノ塚駅東口より徒歩5
参加費無料、事前予約不要
問い合わせ先:
   ○踏切事故遺族の会・紡ぎの会  kei.kym@gmail.com
   ○竹ノ塚駅付近高架化促進連絡協議会事務局
     足立区竹の塚整備推進課立体化推進担当 ☎(03)3880-5484

講演会終了後、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)37号踏切(竹ノ塚踏切)において、足立区長・遺族・参加者で、献花・黙とうを行う予定。





 

 

2015年2月18日水曜日

大型トラックと普通列車が衝突~倉敷市JR山陽線八人山踏切

 
 報道によると、2月13日午前8時20分頃、岡山県倉敷市船穂町船穂にある八人山踏切で、大型トラックと福山行きの普通列車が衝突した。
 トラックは踏切で立ち往生したため、運転手がトラックから降りて、非常ボタンを押したが、列車は非常停止したものの、間に合わず、トラックと衝突したという。踏切は、JR山陽線西阿知駅と新倉敷駅との間にあり、遮断機と警報機が設置されている第1種踏切だった。列車内には通勤や通学の乗客ら300人が乗っていた。乗客ら18人が負傷し、そのうちの20代の男性が意識不明の重体だという。

 トラックの運転手は、大型トラックはエンジントラブルが続き、昨年12月に修理したばかりだったが、事故当時もエンジンが動いてもギアが入らず、踏切内で動けなくったと話しているという。

 2月17日、岡山県警は、トラックを所有する運送会社と、販売・修理を担当した自動車販売会社の水島支店を、過失往来危険の疑いで捜索した。
 運送会社によると、立ち往生した三菱ふそうトラック・バスの「ふそうスーパーグレート」は約3年前に購入、これまでも動かなくなるトラブルがあったため、昨年2,3,4月に修理した。また、7月には、リコールの対象になったため、12月にも修理したという。県警は、過去の整備記録なども調べ、事故との関係を調べる方針。

 この捜索を受けて、三菱ふそうトラック・バスは、捜査や関係機関の車両調査の要請に対して、全面的に協力して、原因究明を行うとするコメントを発表した。

 この事故は、直後の報道でも、トラックの運転手が、エンジンの不調を訴えていたことが報じられている。運輸安全委員会では、なぜ踏切内でトラックが立ち往生することになったのか、十分調査してほしい。

 最後になりましたが、負傷された方々が一刻も早く回復されることを祈ります。

≪参考記事≫
「JR山陽線 乗客10人が病院に搬送」毎日新聞 2015年2月13日
http://mainichi.jp/select/news/20150213k0000e040207000c.html
「運送会社とトラック販売会社を捜索 踏切事故で岡山県警」朝日新聞2015年2月17日
http://digital.asahi.com/articles/ASH2K2JH1H2KPPZB002.html