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2018年5月20日日曜日

西武池袋線池袋第8号踏切の事故~人も検知する装置を

 2017年2月9日、西武池袋線の池袋と椎名町の間にある池袋第8号踏切で、お年寄りが電車に撥ねられて亡くなった。手押し車を押しながら、踏切を渡っていたところ、転倒したとみられている。
 特急や急行はスピードを出すため、遠心力で脱線しないように、カーブの外側を高くしてある。そのため、踏切がカーブの上にあると、傾斜ができる。また、線路が複線だと、この傾斜が二回出来る。踏切道が波打つようになる。高 齢者、車いすに乗る人、ベビーカーを押す人、自転車に乗る人らにとって、歩きにくいところだ。
 国土交通省関東運輸局が作成した「踏切通行安全カルテ」によると、池袋第 8 号踏切は、過去 5 年間に 2 回事 故が起きている「事故多発踏切」である。
写真1 2017年2月15日 池袋第8号踏切

 池袋第 8 号踏切は幅約 6 メートル、長さ約 10 メートルである。踏切は、警報機・遮断機のある 第 1 種踏切。非常ボタンも設置されている が、事故当時は押されなかった。また、障害物検知装置も設置されていたが、倒れた人を検知しなかった。
 昨年(2017 年)事故直後の 2 月 15 日、私が踏切を訪れた際には、 作業員が踏切の白線などの塗り替えをしていた。(写真1)


写真2 2018年5月15日池袋第8号踏切に設置されている新しい検知装置
  西武鉄道によると、2017 年 6 月から、池袋第8号踏切に、新しい障害物検知 装置を設置して実証試験を行っているという。この装置は踏切道の地面から 13 センチメートル の高さにレーダを設置し、転倒した人も面で検知 しようというもの。実証試験を 1 年間実施し、安全対策に活かそうとしている。(写真2)

 踏切を利用するのは、自動車だけではない。池袋第8号踏切のように、生活道路として周辺の住民が買い物に行ったり、病院に行ったりする際に利用されているところも多い。(写真3)
写真3 2018年5月15日 池袋第8号踏切 路面に凹凸がある
 踏切を通行する人が凹凸につまずいて転んだり、動けなくなった時、踏切の異常を検知して、電車の運転士に知らせる方法をぜひ、考えてほしい。
 運転士が電車を減速したり、踏切の前で電車を停止させることができれば、踏切に取り残された人は助かるかもしれない。
 
 最後になりましたが、亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。
2018年5月15日 池袋第8号踏切に設置されている非常ボタン(右)


《参考》
〇西武鉄道「踏切の安全対策について」 西武鉄道 第 17-021 号(2017 年 6 月 13 日)

  https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2017/20170613fumikirianzen.pdf
〇「 踏切事故 高齢者に危険 浮き彫り」東京新聞2017年12月27日
  http://www.tokyo-p.co.jp/article/tokyo/list/201712/CK2017122702000137.html#print



 
  

2017年11月29日水曜日

東京・芝のエレベーター事故 遺族がシンドラー社と和解

 東京都港区のマンションで、2006年6月3日、都立高2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)が、戸が開いたまま上昇したエレベーターに挟まれて死亡した事故から11年がたった。
 11月24日、大輔さんの遺族が製造元の「シンドラーエレベータ」(中央区)などに損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(岡崎克彦裁判長)で和解が成立した。

 報道によると、マンションを所有する港区や、エレベーターの保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)などが遺族と和解した。
 和解は、シンドラー社や港区などが遺族に「深い遺憾の意」を示し和解金を支払う内容だという。再発防止に向けた取り組みの確約も盛り込まれ、和解金の一部は、遺族や支援者らが事故の再発防止活動を続けるための基金の創設に充てられる。また、港区が所有・管理する全エレベーターに事故防止装置を取り付けることも約束された。

 報道によると、亡くなった大輔さんの母・市川正子さんは
「賠償を受けるだけの判決ではなく息子の命を安全に生かす道を選んだ。安全項目の実行を約束させたことに意味がある。」と語った。
  市川さんらの訴えで、建築基準法施行令が改正され、エレベーターの扉が開いた状態で昇降した場合に機能する補助ブレーキの設置がメーカーに義務付けられた。
 しかし、市川さんは、施行令改正前に設置されたエレベータ70万台には、補助ブレーキ設置が義務付けられていないため、再発防止のための安全対策は十分ではないという。

 安全への道はまだ半ばと語る市川さんは、「息子のような被害者を二度とだしてはならない」と、エレベーター会社のみならず、安全対策にかかわる関係者に再発防止のための対策を徹底するよう訴えている。

<参考記事>
「東京・芝エレベーター事故死 事故から11年「やっと」遺族、シンドラー社と和解」
毎日新聞2017年11月25日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171125/ddm/041/040/121000c

2017年4月18日火曜日

東日本大震災から6年~七十七銀行女川支店

 東日本大震災から6年1か月近くが経った4月8日、石巻から女川町を訪ねた。

 田村孝行さん夫妻の息子さん健太さん(当時25才)は、震災当時、七十七銀行女川支店の行員で、屋上に避難して津波にさらわれ、半年後に発見された。今回、田村さん夫妻に女川や石巻を案内していただいた。

  七十七銀行女川支店で、津波襲来当時、支店の行員たちは、走っても1分という近くにある町の避難場所である堀切山に避難せず、屋上に避難して津波に呑まれた。12名が流され、今も8名が行方不明だという。

 町の防災無線が「大津波警報が発令されました。至急高台へ避難してください」と叫ぶ中、なぜ、女川支店の人たちは避難場所に避難しなかったのか、なぜ高さ10mの二階建ての支店の屋上だったのか? 勤務中であるため、上司である支店長の「屋上へ」という指示に従わなくてはならなかったのなら、銀行に責任はないのか?

 数々の疑問がわいてくる。誰でも「町中の人たちが避難している高台へなぜ避難しなかったのか」疑問に思うだろう。支店から100mほどにある堀切山は、国土交通省が、山を削って海を埋め立てをし、山には町立の病院を建て、災害時の避難場所にした。一石三鳥の公共工事と言われたそうだ。

 そんな立派な避難場所があるのに、なぜ、避難場所を屋上に選らんだのか、疑問に思う。

 そして、避難場所である堀切山の中腹に立って驚いたのは、何よりも、七十七銀行女川支店が、目の前にあったということだ。今は取り壊されて跡形もないが、銀行があったとされる場所は、目と鼻の先だった。
 ③の写真の中ほどに茶色い箱のようなプレハブが見えるが、このあたりに七十七銀行女川支店があったという。
 避難場所である堀切山は、女川町立病院があり、高さ16mにおよぶ津波はこの病院の1階まで押し寄せてきた。
①田村さんが、病院の柱にある、津波が到達した印を示してくれた。
女川町では、津波は高さ16mに及んだ。2017年4月8日 
三陸海岸のようなリアス式の海岸では、湾の入り口が狭く海岸線が入り組んでいるため、内陸にいくほど、津波が高くなる。この「遡上高」と呼ばれる内陸へ津波がかけ上がる高さは、気象庁が予想する高さよりも、4倍程度になることもあるという。

 銀行支店の屋上は10mほどしかない。もし、それ以上の津波がくれば、逃げ場がない。堀切山にも津波は襲来したが、その上の神社まで避難して、600名の町民は命を守ることができた。

 阪神大震災以降、企業の事業継続計画やマネージメントについて、策定が進んでいると聞く。
ぜひ、企業の従業員の命をどう守るのかという点に重点を置いて、計画を練ってほしいと思う。
 
 
②女川町立病院の駐車場。この病院の1階まで、津波がきた。
③堀切山の中腹、町立病院から女川支店方面を見る。
下には、津波犠牲者の慰霊碑がたつ。2017年4月8日
④堀切山の向かい側にも避難できる場所がある。
説明するのは田村弘美さん。  2017年4月8日

⑤慰霊碑の前で、女川支店の場所を説明する田村弘美さん。
2017年4月8日


⑥慰霊碑のある高台から女川湾を見る。  2017年4月8日

女川駅の前には真新しい飲食店が並ぶ。奥に見えるのは女川町駅。
このような景色は、まだ町のほんの一部。  2017年4月8日。
駅前の道路の向こうを見ると、津波に倒れされた交番が、横倒しのままだ。
2017年4月8日
最後になりましたが、亡くなられた方がたのご冥福を祈るとともに、一刻も早く行方不明の方々が発見され、ご家族の元に帰られるよう、祈ります。 そして、東北の復興を願います。
 
《参考》
「七十七銀行女川支店被災者家族会有志」 https://www.facebook.com/77onagawa/

2016年12月31日土曜日

広島市JR芸備線無連地第2踏切~事故から3年

 広島市にあるJR芸備線無連地第2踏切では、3年前の12月5日、お年寄り二人と介護福祉施設の職員の乗った乗用車と普通電車が衝突して、施設の女性職員とお年寄りの二人が亡くなった。また一緒に乗っていたお年寄りの妻も一命をとりとめたものの、重傷を負った。

 事故については、以前、ブログ(以下のページ参照)にも書いた。
「3人が死傷した踏切~広島市JR芸備線無連地第2踏切」
http://tomosibi.blogspot.jp/2014/06/2.html

 今年11月26日、この無連地第2踏切に行った。広島駅からJR芸備線に乗り、志和口駅に行く。駅からは車で踏切に行く。
無連地第2踏切で電車の来た方角広島方面を見る
                         2016年11月26日
踏切には、無連地第2踏切の事故を取材してきた広島テレビのスタッフに同行してもらった。広島テレビでは、事故の翌年の2014年、踏切の問題点を整理して、なぜ事故が起きたのかを検証した。
 この放送の中でも指摘していたが、列車の来た方角は、生け垣の木で電車がよく見えない。また、事故当時、電車を見るために設置されたカーブミラーは、朝露で曇っていて見えないこともあった。いったん、車を降りて電車がくるかどうか確認しないと見えない。
 また、電車が来た方と反対側も大きな欅の木が茂り、やはり車の運転者からは電車が見えにくいという。それは、電車の運転士からも踏切が見えにくいということでもあると思う。乗用車が踏切にはいって来たことに気付いた時には、ブレーキは間に合わない。
電車の来た方角は木が植えられていて、よく見えない。
                        2016年11月26日

反対方向も欅の大木で、電車が見えない。
                 2016年11月26日
事故の現場に行くといつも思うのは、失礼な言い方だが、思ったよりも開けているということだ。
「過疎」と言われるが、沿線には住宅地が広がっていた。無連地第2踏切を渡ってから入っていった集落は、たしかに戸数が9戸と少ないが、川をはさんだ向う岸には、住宅が並んでいる。付近の集落の自治会長である杉川さんに会って話をうかがった。無連地の集落が少ないのは、道路が不便で危険な踏切を渡らないとならないからだという。

 事故の後、杉川さんらは周辺の町村の人々などに声をかけて、踏切に遮断機警報機を設置してくれるよう要望する署名を集め、JR西に提出した。2014年6月、JR西は無連地第2踏切に、警報機遮断機を設置することを決め、12月に工事をした。

 杉川さんのお話によると、この踏切では40年前にもオートバイに乗って踏切を渡ろうとした女性が電車に撥ねられて亡くなったそうだ。亡くなった女性の家族が踏切のそばに地蔵を立てた。今現在は、遮断機を設置するために、踏切から少し離れたところに移されたものの、線路に近い場所で、鉄道の安全を見守っているようにみえる。
 
芸備線を見守るお地蔵様。踏切で亡くなった女性の遺族が建てた。
                                  2016年11月26日
今年は、警報機遮断機のない踏切で、事故が増えている。
2014年4月から、遮断機のない踏切で起きた死亡事故は運輸安全委員会の事故調査対象となり、この2014年、2015年は遮断機のない踏切での事故が前年に比べ減少し、2014年は6件、2015年は5件だった。
 しかし、今年度は4月から12月までに、すでに13件起きている。なぜ、事故が増えているのか、事故調査の結果を事故を減らすことに生かしていってほしい。また、鉄道事業者も死亡事故については、原因などを丁寧に調べて、事故の再発防止に努めてほしいと思う。

 最後になりましたが、無連地第2踏切で亡くなられた方のご冥福を祈ります。

《参考記事》
「遮断機・警報機ない「第4種踏切」ローカル線で進まぬ安全策」20161117日東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016111702000135.html

2016年10月2日日曜日

JR横浜線川和踏切の事故から3年

 10月1日、踏切内に入ったお年寄りを助けた村田奈津恵さんが亡くなって、3年がたった。
あれから、事故のあった川和踏切はどう変わっているのだろうか。今年もまた足をはこんだ。
事故のあったときと少しも変わらないようだった。

JR横浜線中山駅近くにある川和踏切  2016年10月1日
車は検知するが人を検知する設定をしていない障害物検知装置、列車を止めるには間に合わないことのある非常ボタン、遠くから見える「踏切」の表示、列車が来る方向をしめす表示器。警報機や遮断機もあるのに、いとも簡単に踏切内に入れてしまう。
 簡単なバーだけの遮断機は、子どもやお年寄りが誤って入ってしまう危険もあるのではないか。

スピードを出して、上りの列車が通過する  2016年10月1日撮影
今年は、献花台が設置されていなかった。献花台は、JR東が昨年まで設置していたと思う。
JRの敷地内に入って、花束をおく。

  どんなことば並べても 真実にはならないから 
  今日は贈ろう 涙色の花束を君に    (by 宇多田ヒカル)
川和踏切を下りの列車が通過する  2016年10月1日撮影

《参考》拙ブログでは、以下のページで、この事故について書いた。
「横浜市中山駅川和踏切の事故から2年」ほか、川和踏切事故について
http://tomosibi.blogspot.jp/search?q=%E5%B7%9D%E5%92%8C%E8%B8%8F%E5%88%87

 

2016年8月31日水曜日

横浜市鶴見区生見尾踏切の事故から3年


  3年前の8月23日夕刻、横浜市鶴見区にあるJR京浜東北線の生見尾踏切でお年寄が、踏切を渡り切れず踏切内に取り残され、電車に撥ねられて亡くなった。

 この事故を機に、横浜市と周辺に住む住民、商店街などと、踏切にどのように、線路をまたぐ歩道橋を設置するか、話し合いが持たれたが、未だに工事が始まる気配はない。
 生見尾踏切には、JR東日本の3つの路線と貨物線が走る。横須賀線、京浜東北線を渡ると、いったん踏切が閉まる。退避場所をはさんで、東海道線の踏切を渡ると、頭上に貨物線が走る。貨物線のガードをくぐると、今度は、京浜急行の踏切が待っている。北側の岸谷から、踏切を3つ渡らないと、南側の生麦地区に行かれない。生麦駅に行く歩道橋は急な階段で、足腰の悪い高齢の男性が渡ることはできない。

 
右から、横須賀線、京浜東北線、東海道線の線路が並ぶ。

生見尾踏切の北側から、歩道橋を見る。手前は横須賀線の線路。

 三つの踏切全部の踏切を渡り終えるのに、いったい何メートルあるだろうか?
踏切の周辺に住む人たちは、この踏切を渡らないと、商店街やスーパーに行かれない。
また、子どもを自転車の後ろに乗せて、この踏切を渡って、保育園に通う人もいると聞く。

 朝夕のラッシュ時は、通勤や通学、保育園の送り迎えなど、大勢の人で混雑する踏切。
歩道と車道を分けたり、踏切があることを知らせ踏切内で立ち止まらないように注意するアナウンスも設置された。
 しかし、開かずの踏切であることに変わりはない。遮断機が開いたと思うと、踏切を渡り切らないうちに、警報が鳴りだす。私はつまづかないように慌ててわたり、渡り切ると、ほっとする。

 そんな不安な思いをしながら渡るのは、嫌だと思う。早く、古い急な階段の歩道橋を改善し、エレベーター付きの歩道橋を設置してほしいものだと思う。
 鉄道会社と地元自治体、周辺の住民、皆さんで知恵を出し合って、一刻も早くこの踏切の状況を改善してほしい。

 最後になりましたが、3年前の8月23日、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

《参考》
拙ブログ
「88歳の男性死亡、踏切渡り切れず~JR京浜東北線生見尾(うみお)踏切」2013年8月25日
http://tomosibi.blogspot.jp/2013/08/88jr.html

《参考記事》
「踏切事故防止 地域の知恵を集めよう」朝日新聞2016年5月10日社説(2016年5月10日アクセス)
http://www.asahi.com/paper/editorial2.html?iref=editorial_news_one

2016年5月9日月曜日

東武伊勢崎線竹ノ塚駅 下り急行線が高架に

 5月8日、東武伊勢崎線竹ノ塚駅横を走る下り急行線の高架化が完成、「レールウォ-ク」が開催された。高架橋は高さ9mあり、仮設の階段をのぼって線路内に入り、長さ約80mの区間を歩いた。

 足立区長をはじめ、国会議員、都議会議員、国土交通省、足立区関係者、地元町内会や自治会会長などが、高架になった線路の上を歩いた。一般参加は、事前に応募した住民などから抽選で選ばれ、約700名が高架橋の上を歩いたという。
下り急行線のレールや枕木を見る参加者たち
                2016年5月8日撮影
2005年3月15日夕方、踏切保安係が誤って準急電車の来るのを忘れて遮断機をあげ、警報音が消された踏切へ、通行人が多数入り、4人が死傷した。その中に、私の母もいた。
 あれから、11年あまりがたつ。竹ノ塚駅付近の高架化工事は、鉄道立体化の工事としては、異例の速さで進められていると聞く。足立区はじめ、関係者の皆様のご尽力のおかげと、心より感謝申し上げる。

 2012年11月に工事が始まり、今回、下り急行線が最初に上にあがった。5月28日、レールの切替えをし、翌29日の始発から高架線路を走る。
 これによって、平日の通常ダイヤで、1日に踏切を通過する列車の本数は906本から、下り急行線の分238本が減るという。朝のピーク時には、1時間に数分程度、踏切の遮断時間が短くなるそうだ。
竹ノ塚駅付近高架化のようす(東武鉄道作成資料から)

 高架化工事は2021年春の完成予定。まだまだ、「開かずの踏切」の状況は続く。踏切事故が繰り返されないように、また、工事の作業中事故のないように、安全に工事が進むことを願っている。

≪参考記事≫
「『開かず踏切』事故、もう二度と 竹ノ塚に悲願の高架橋」
朝日新聞2016年5月9日(2016年5月9日アクセス) http://digital.asahi.com/articles/ASJ5843D9J58UTIL00L.html

「東武伊勢崎線竹ノ塚駅 高架線一部が来月開通」
東京新聞2016年4月26日(2016年5月9日アクセス)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016042602000236.html

2015年12月15日火曜日

危険な踏切の対策を急げ

報道によると、12月12日、国土交通省は、歩行者が事故に遭う可能性のある危険な踏切の対策を加速させる方針を固めた。

踏切内の歩道の拡幅、道路と鉄道の連続立体化などの改良の方法が決まらなくても、国の判断で「改良が必要な踏切」に指定し、自治体と鉄道会社に取り組みを促すことを柱とするという。
対象となる踏切は全国1000か所以上になる見込み。次期通常国会に踏切道改良促進法改正案を提出する。

国土交通省鉄道局の「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報 平成26年度」によると、2014年度(平成26年度)には、踏切では246件、事故が発生、92人が死亡している。亡くなった人の約8割は歩行者で、そのうちの4割が65歳以上の高齢者である。

2012年、2013年と、二人の女性が、踏切で倒れていた高齢者を助けようとして亡くなるという痛ましい事故がおきた。

女性が亡くなった踏切の横に、JR東が献花台を設けた。
朝早くから、献花に訪れた人がいた。2014年9月30日撮影

他の交通事故と同様、踏切においても、歩行者、特に高齢者が関わる事故が増えている。国交省は、今年10月「高齢者等の踏切事故防止対策について」も公表し、対策を強化する予定だ。

平成28年度から「第10次交通安全基本計画」がはじまる。この中でも、踏切道における事故対策が重視されている。鉄道と道路が平面交差する踏切は、もっとも危険な場所といえる。にもかかわらず、遮断棹は簡単にくぐれてしまうし、警報機は遠くからは見えにくい場所もある。カーブにある踏切道は、でこぼこしていて歩きにくく、お年寄りでなくても、躓いたり転んだりしかねない。

踏切を通らなくては、生活できない人がたくさんいる。私もその一人だ。
踏切の道路を管理する自治体と、踏切の施設を管理する鉄道事業者は、協力して安全対策を進めてほしいと、切に願う。
 
≪参考記事≫
「踏切改良、国の後押し加速 歩行者事故対策で国交省」東京新聞2015年12月13日

2015年11月8日日曜日

第10次交通安全基本計画(中間案)についての意見

 交通安全基本計画は、交通安全基本法に基づき、陸上、海上及び航空交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定めるものだ。
 現在、内閣府では、平成28年度から始まる第10次交通基本計画の作成に向け、作業が進められている。これまでの中央交通安全対策会議での検討を踏まえて、中間案がまとめられ、11月6日、公聴会が開催された。
 この公聴会には、関係する各省庁と各都道府県・政令指定都市の担当者も傍聴した。
 私も幸い公述する機会をいただいたが、公述する時間が8分と短いため、問題を絞って意見を述べさせていただいた。(公聴会で述べたことをまとめたので、以下に掲載します)
 なお、昨年9月に、内閣府は意見聴取会を開催して、交通事故被害者団体などから、交通安全基本計画にたいする意見を聴取、踏切事故遺族の会「紡ぎの会」も意見を述べさせていただいた。

~~~~第10次交通安全基本計画(中間案)にたいする意見~~~~
                                       平成27年11月6日
1.中間案の理念について
(1)事故を無くすには、なぜ事故が起きたのかを調査することが必要であり 各交通おける事故  調査体制を充実させることが肝要です
従って「理念」に「事故調査体制の充実」という項目を設定し、大きな目標に挙げることが必要です
(2)事故情報は当該事業者だけでなく、技術者や研究者、市民等各方面で共有されるべきと考えます。そのため「事故情報の共有・公開」という項目をたてるべきと考えます。
又、公的機関や鉄道事業者等、専門機関の事故調査にあたり、事故当事者の個人情報は直接個人を特定できる情報以外の情報は制限せず、情報公開すべきです。事故情報は再発防止や類似事故の未然防止という公益性があり、交通安全に資するものです。

2.「第3章踏切道における安全
(1)踏切事故が毎年300件前後起き、100人前後の方が踏切で死亡しています。しかし、25年度26年度と事故は300件を下回り、死亡者も100人を切りました
なぜ事故が減少したのか検討し、どんな対策が効果をあげたのか検討するならば、一層事故を減少させることができます。「平成32年度までに踏切事故件数を平成27年度と比較して約5割削減することをめざす」と目標を設定すべきです。(86ページ「目標」踏切事故件数約1割減に対して)
2)踏切事故の多くは鉄道事業者と踏切道管理者が協力すれば防止できます。今後の踏切道における交通安全対策を考える上で「道路管理者と鉄道事業者が協力し踏切安全通行カルテを作成・公表」(中間案89ページ)は有益です
具体策の実現にあたり、予算の後押しをお願いします。
3)被害者支援について、鉄道交通及び道路交通では、項目をとり詳細に記載されていますが、踏切交通については記載がありません。踏切道も鉄道交通のように、公共交通事故の被害者である場合は、支援の対象と考え、対策を講じるべきです
従って「被害者支援の実施」という項目をたてていただきたいと思います。
                                                          以上
≪参考≫
 内閣府は、この第10次交通安全基本計画(中間案)に対する国民からの意見を募集している。意見募集の締め切りなどについては、内閣府ホームページ
http://www8.cao.go.jp/koutu/kihon/keikaku10/kaisai.html

2015年9月30日水曜日

横浜市中山駅川和踏切の事故から二年

 踏切に倒れていたお年寄りを助けようとした村田奈津恵さんが亡くなって、明日で二年がたつ。

 報道によると、村田さんは、父親と会社に戻る途中で、父親の運転する車の助手席にすわっていた。川和踏切にさしかかり、遮断機の前で踏切が開くのを待っていると、お年寄りが踏切内に入ってきた。踏切内の横たわったお年寄りを助けようと、父親の制止を振り切り、遮断機をくぐり、お年寄りに近づき、線路の間に横たわらせた。直後、電車が踏切に入ってきた。村田さんは電車に撥ねられて亡くなった。
横浜市中山駅そばの川和踏切。横浜線の電車が通過する。
                       2015年9月30日撮影

 事故当時、なぜ村田さんは亡くなったのかと思った。なぜ、電車の運転士は、踏切の手前で止まれなかったのか。
 事故当時、川和踏切には、警報機も遮断機も、障害物検知器や非常ボタンも設置されていた。 
 しかし、踏切内の異常を電車の運転士に知らせる踏切の障害物検知器が、人を検知しない設定になっていた。鉄道会社によれば、人を検知するように設定すると、小動物なども検知してしまい、その都度、電車を緊急停止することになって、運行に支障をきたすというのだ。
 川和踏切はそんなに広くない踏切なのに、バスやトラックなどが行きかい、その横の狭い路側帯をお年寄りや子供を連れた母親、車いすの人たちが通行する。踏切は車両だけでなく、多くの人が通行している。だから、踏切内に取り残された人も検知できるようにすべきだと思う。検知したら、電車がすぐ止まらなくても、減速して踏切に接近すれば、その間に取り残された人も踏切から脱出できるかもしれない。
 
 電車が衝撃すると、多大な被害をうける自動車は検知するように設定しているのに、なぜ、人は検知しないのか。そのとき、いだいた問いかけは、今も続く。
 事故の後、踏切で人を検知し電車を安全に止めるしくみを考えようと、さまざまな取り組みが進められているときく。
 
 また、川和踏切では、非常ボタンの位置がわかるように目印となる張り紙をしたり、踏切の上に信号を設置し、遠く離れた車両からも、踏切の信号がわかるようにした。
 
 村田さんの尊い命が生かされるように、二度と同じような事故が起きないように、踏切の改善と安全対策をすすめてほしい。高架化の計画があるならば、スピード感をもって取り組んでほしいと思う。

 最後になりましたが、心より村田奈津恵さんのご冥福をお祈りいたします。
川和踏切には献花台が設けられていた。
その横には村田さんのメッセージが
貼られていた。    2015年9月30日撮影

≪参考≫
拙ブログでは、2013年10月、この事故について書いた。
「踏切の障害物検知器、人を感知せず~JR横浜線川和踏切」2013年10月3日
http://tomosibi.blogspot.jp/2013/10/blog-post_3.html
「お年寄りを助けようと踏切へ~JR横浜線川和踏切」2013年10月2日
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2015年7月22日水曜日

認知症のお年寄りが亡くなった事故~JR東海道線共和駅をたずねて

 2007年12月愛知県大府市JR東海共和駅で、認知症の症状のある男性(当時91歳)が、電車に撥ねられて亡くなった事故をめぐり、JR東海は男性の遺族に対して損害賠償請求をもとめていた。
 2014年4月24日、名古屋高裁で、この裁判の控訴審判決が言い渡された。
 裁判長は、判決で、認知症だった男性の配偶者として、男性の妻に民法上の監督義務があったと認定して、損害賠償の支払いを命じた。また、男性の長男には見守る義務はなかったとして、JR東海の請求を棄却した。一審の名古屋地裁では、男性の介護に携わっていた妻と男性の長男に対して、JR東海の請求通り約760万円の支払いを命じていた。
JR東海共和駅のホーム端には、階段が設置されている。施錠されていなければ
階段を下りて、線路に出られる。              2015年7月12日撮影

JR東海大府駅の改札口。男性は、切符を持っていなかったが、駅改札を通って
隣の駅へ行ったとみられている。               2015年7月12日撮影
判決では、男性の妻が、人の出入りを検知する入口のセンサーのスイッチを切っていたことから、「徘徊の可能性のある男性の監督が十分でなかった」と判断した。
 一方で、判決は、男性の長男の妻は、長男夫妻の住む横浜から、男性の住む大府市に転居し、男性の妻とともに男性を在宅介護をしていたことを評価した。そして、JR東海が駅で利用客等に対して十分な監視をしていれば、また、共和駅先端のフェンス扉が施錠されていれば、事故の発生を防止することができたとした。
共和駅ホーム端にはフェンスがあり、階段が設置されている。
                                 2015年7月12日撮影
事故当時は、施錠されていなかった。施錠されたのは、地裁判決の
後だった。事故当時は、回転式の留め具だけだった。
留め具は写真のように簡単に回せるから、男性は扉をあけることが
できただろう。                    2015年7月12日撮影
2015年7月12日、愛知県大府市にある、亡くなった男性のお宅を訪ねた。駅前に店を出すことを夢見ていた男性は、駅の目の前に店を出せたことをことのほか喜んでいたに違いない。
 男性の長男は、「父は、当日夕方、店の前を通る通勤客の流れにのるように歩いて行って、駅に入ったのではないか。改札を通り、突き当たると右に東海道線のホームに下りる階段がある。その階段を下りると、電車が来たので、乗車した。隣駅の共和駅でおり、ホーム端に行き、施錠されていなかった扉を開けて、階段を下りた。階段をおりたものの、今度はホームに戻る道がわからず、線路に出たところに新快速が来て撥ねられたのではないか…」と事故当時のことを振り返る。冬の夕方は暗くなるのが早い。ホームの端は暗く、共和駅手前の線路がカーブしているため、新快速の電車の運転士からは男性が見えなかったという。

JR共和駅のホーム端。男性は階段を下りた後、線路内に入ったとみられている。
新快速は共和駅を高速で通過する。            2015年7月12日撮影
男性は、出かけるときは、探しものをするように「かばんはどこか?」と聞いたりしていた。だから、出かけたいときは何となくわかったという。そんなとき、家族はいっしょに外に行き、散歩をする。外を歩くのは、気になる場所があるからだ。昔住んでいたところや、子供時代を過ごしたところへ行こうとするという。少し歩いて、それとなく「もうそろそろ帰りましょうか」と声をかける。
 認知症の人に対して、はじめから外に出てはいけないと家の中に閉じ込めるのではなく、外に出ても、安全に歩いて帰って来られることが大事なのではないか。
 
 安全に歩き戻って来られるように、町ぐるみで、認知症の人を見守る取り組みをしているところもあると聞く。認知症の人の介護を家族だけに任せるのではなく、社会で見守る取り組みがすすんでほしいと思う。

 名古屋高裁は、判決の中で、「被控訴人(注)が営む鉄道事業にあっては、専用の軌道上を高速で列車を走行させて旅客等を運送し、そのことで収益を上げているものであるところ、社会の構成員には、幼児や認知症患者のように危険を理解できない者なども含まれており、このような社会的弱者も安全に社会で生活し、安全に鉄道を利用できるように、利用客や交差する道路を通行する踏切等の施設・設備について、人的な面も含めて、一定の安全を確保することが要請されているのであり、鉄道事業者が、公共交通機関の担い手として、その施設及び人員の充実を図って一層の安全の向上に努めるべきことは、その社会的責務でもある」と、鉄道事業者の責務にふれている。
 2013年の名古屋地裁の判決に対して、認知症の人の介護をする家族や関係者からは、驚きと不安の声があがり、それに対して社会的な支援の必要を訴える識者の意見も聞かれた。
 鉄道事業者も、認知症の人への理解を進め、ホームや踏切の安全対策を検討し進めてほしい。

最後になりましたが、亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

≪参考≫
●名古屋高等裁判所判決 平成25年(ネ)第752号 損害賠償請求控訴事件 [原審・名古屋地方裁判所 平成22年(ワ)第819号]
●この事故については、以下に詳しく書かれている。
「踏切事故はなぜなくならないか」 安部誠治編著:高文研発行
  p.107~148 「介護ができない―JR東海認知症事故」 銭場裕司(毎日新聞)

≪注≫ JR東海をさす。
 

2015年5月29日金曜日

ハンドル型電動車いすの踏切事故~高砂市JR神戸線向沖東踏切

 2012年10月23日午前5時45分頃、兵庫県高砂市阿弥陀町にあるJR神戸線向沖東踏切で、電動車いすに乗って、踏切の前で、貨物電車が通過するのを待っていた男性が、電車にぶつかって亡くなった。 
 今年4月26日、男性の遺族に会うことができた。男性の遺族の話では、男性は、近くの神社にお参りに行くのが日課で、この日も朝早く家を出たところだった。
 向沖東踏切は、JR神戸線宝殿駅と曽根駅のあいだにある。警報機・遮断機・障害物検知器や、非常ボタンも設置されている第1種踏切である。(下の写真)

高砂市向沖東踏切。周辺は静かな住宅街が広がる。  2015年4月26日撮影
  男性の遺族が、踏切近所に住む男性に聞いたところによると、亡くなった男性は「遮断機がおりたため、踏切の手前でいったん停止した。その後、前のめりに倒れたあと、車いすが前に動きだし、降りていた遮断機を押し込む形で、踏切の中に入っていった。」危ないと思った男性は「非常ボタンを押そうと踏切に走ったが間に合わなかった」という。
 近所の男性は、「意識が無くなったように前かがみに倒れたあと、電動車いすのスイッチに触れたのだと思う」と語っていたそうだ。
 遺族によると、男性は、亡くなる2年ほど前から糖尿病を患い、血糖値を下げるくすりを飲んでいた。「亡くなった日の前日は夕方5時ころ夕食を終え、それからずっと食事をとっていなかった。そのため、朝、血糖値が下がり意識を失い前かがみになったのではないか。」と話していた。
 男性の遺族は、事故直後は、なぜ、男性が踏切に入ったのかわからなかったが、後日知人などから、治療薬のせいで血糖値が下がり、意識を失うこともあることを知った。
 亡くなった男性は、80歳の時、自動車の免許証を返納した。そのため、代わりになるものをと、レンタルで電動車いすを使うことにした。介護保険を使うと、レンタル料も1割の負担で済み、メンテナンスも受けられる。
 亡くなった男性が利用していた電動車いすは、アクセルレバーがハンドルよりも4センチほど上に出ている製品だったという。そのため、前のめりになった時に、レバーに体がぶつかり、前に進んでしまったのではないかと、遺族は推測している。
 
 男性の遺族は「夫は電動車いすで行動範囲が広がったと喜んでいた。高齢者が楽しく生活できるよう、電動車いすが安全な乗り物になってほしい」と話していた。
向沖東踏切を通過する電車。通行者と電車を間には、細い遮断棒のみ。
                              2015年4月26日撮影
   これから、ますます利用する人が増えるだろうと思う。 高齢者だから誤って操作したのだろうとか、まだ不慣れだったのではないかといった見方で、事故を見るのではなく、なぜ操作を誤ったのか検討し、安全対策を講じてほしい。
 事故を調査し、事故をなくすには何が必要か、関係する行政や事業者は検討してほしい。

≪参考≫拙ブログでは、以下で電動車いすの事故をとりあげた。
「電動車いすの事故~もとめられる安全対策」2015年4月1日
http://tomosibi.blogspot.jp/2015/04/3131010-8-112428138106-4-47810-2410-nhk.html