2008年6月に成立した「改正特定商取引法」と「改正割賦販売法」が、12月1日から施行された。「消費者団体訴訟制度(以下団体訴権制度と略)」も導入された。
消費者被害は1件ごとの被害額が少額であることが多く、個人で訴訟を起こすまでには至らないため、被害が広範にわたってしまうことが問題だった。団体訴権制度の導入により、被害を未然に防ぐ効果があるという。
改正特定商取引法では、原則すべての商品やサービスがクーリングオフの対象となった。
特定商取引法はトラブルが生じやすい取引形態についてルールを定めたもので、規制対象となるのは、訪問販売や通信販売などの取引。
これまでは訪問販売や電話勧誘販売、通信販売に関して、取り締まりの対象を58品目21サービスに限定していたが、改正特定商取取引法では食料品を除いて原則すべての商品が対象となった。改正点は、他に、
しつこい勧誘を禁止したこと。消費者が拒絶した場合、勧誘を続けることができない。しつこい勧誘に対しては、はっきり「いりません」「お断りします」ということ。「忙しいから」「またあとで」など、あいまいな意思表示は拒絶の意思があるとみなされないので注意が必要。
また、過量販売が禁止された。不要なリフォームや大量の布団など、非常識な大量販売はクーリングオフ期間後も解約でき、既に払った代金は返還される。改正法では、具体的な基準は定められていないが、業界団体の日本訪問販売協会が、「過量に当たらないと考えられる目安」をホームページで作成、公表した。
ただし、販売会社が倒産した場合は返還対象とはなっておらず、過量かどうかの線引きも曖昧な感じがする。
通信販売の返品について、初めて法制化され、返品についての記載がなければ、商品を受けとってから、8日以内は、返品が可能になる。
自治体では、「訪問販売お断り」というシールを住民に配布し、玄関に貼って、悪質な勧誘を防止しているところがある。お年寄りなどが玄関先に出て、業者と会って話してしまうと、業者のたくみな話術にのせられてしまい、不必要な商品をたくさん買わされたり、高額でいい加減な「リフォーム」を何度もさせられたりする被害が後を絶たないからだ。
かく言う我が家でも、市から配布された「お断り」シールを玄関に貼っている。また、電話で毎日のように不動産や投資の勧誘も来るので、「お断りします」とはっきり断っている。
悪徳商法の手口や、トラブルになったときの相談先などを、自治体が住民に情報提供しておくことも大切だ。自治体が悪徳商法についての勉強会などを町や村単位で開き、いざという時、住民同士が助け合って被害を防ぐ関係をつくっておくことも、トラブルを減らすことにつながると思う。
消費者団体訴訟制度については、消費者庁HP
http://www.consumer.go.jp/seisaku/caa/soken/index.html
日本訪問販売協会のHP「過量に当たらないと考えられる目安」を公表http://www.jdsa.or.jp/www/rireki/shousai/21pdf/20091029meyasu.pdf
《12月11日追記》
消費者庁は、10日、「お断りシール」についての見解を公表した。「改正特定商取引法における再勧誘禁止規定と「訪問販売お断り」等の張り紙・シール等について」
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/091210kouhyou_1.pdf
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