2017年9月17日日曜日

JR山陽線踏切事故、電車の運転士を書類送検~JR山陽線八人山踏切

 報道によると、9月15日、一昨年岡山県倉敷市のJR山陽線の踏切で起きた事故で、岡山県警は、電車の運転士を業務上過失傷害などの疑いで、岡山地検に書類送検した。一昨年2月、JR山陽線新倉敷ー西阿知駅間の八人山踏切で、立ち往生したトラックと電車が衝突、乗客1人が重傷、運転士を含む44人が軽傷を負った。
 運輸安全員会の報告書によると、トラックの運転手は踏切の非常ボタンを押して、電車に異常を知らせる発光機が作動したが、架線の支柱が運転士の視界を妨げ、電車の運転士は異常を知らせる発光機が見えなかった可能性が高いとしていた。
 
 運転士は踏切の手前約210mでトラックに気づき、非常ブレーキをかけたが間に合わず、トラックと衝突したという。

 今回、岡山県警は、電車の運転士が前方を確認を怠ったことが事故につながったとして、業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで書類送検。また県警は、トラックの運転手についても、過失運転障害のうたがいで書類送検している。
 警察は、警察が調べたところ、少なくとも400m手前から踏切の状況が見通すことができ、その時点でブレーキをかけていれば、衝突を避けられたことがわかったとしている。
 警察は、運転士はこれまでの調べに対し、「計器に気を取られていて、前方をよく見ていなかった」と話しているということだ。

 なお、運輸安全委員会の事故調査報告書によると、衝突した大型トラックは、制御装置に不具合があるとして、6回リコール対象となっていたが、すべて改修していた。また、変速機の異常発生が記録されていたが、異常発生時刻が記録されていないため、異常発生が立ち往生の原因と特定することは避けた。

<参考記事>
「非常灯が運転士の死角に 岡山踏切事故、架線の支柱が遮る」日本経済新聞
 2016年3月31日
 https://www.nikkei.com/article/DGXLZO99087010R30C16A3CC0000/
●「JRの踏切事故で電車の運転士を書類送検 岡山」NHKニュース2017年9月15日 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170915/k10011140481000.html?  utm_int=nsearch_contents_search-items_001