専門家によれば、鉄道がかかえる大きな問題のひとつは、プラットホームだという。
国土交通省の調べでは、ホーム上で、または線路に転落して列車に接触した死傷事故は、昨年度は193件で、6年前の1.8倍にもなる。
8月23日、京王線新宿駅のホームで、列の先頭にいた男性が、列にぶつかった酔客に押し出され、電車とホームとの間に挟まれて亡くなるという痛ましい事故がおきた。
ホームと線路を切り離すホームドアや可動式の柵があれば、事故の多くが防げたはずだと思う。
報道によると、全国の鉄道の駅ホームに設置された転落防止のための「可動式ホーム柵」と「ホームドア」は、今年3月末現在で、全国28の鉄道事業者によって、38路線の449駅で設置されていることが国土交通省のまとめで分かった。昨年3月末からでは、17駅増加した。
2006年、バリアフリー新法の施行をうけて、1日当たりの平均的な利用者数が5000人以上の駅2800駅については、国交省は視覚障害者のための安全対策として、ホーム柵やドアの設置をあげている。大都市圏の大半の駅はこれに該当し、鉄道会社は設置の努力を続けているものの、該当するすべての駅に設置するには程遠い。
これらの設置には、一駅あたり数億円以上かかるという費用の問題や、車両の扉の位置がまちまちであることなど、難しい問題が多い。鉄道会社や政府、自治体は知恵を出し合って、高齢者や視覚などの障害を持つ人がホームを安心して利用できるよう、安全性の向上をはかってほしい。
《参考記事》
「38路線の449駅で設置 転落防止のホーム柵など」 2010/08/28 08:25 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082801000030.html
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