9月8日午後4時30分ころ、熊谷市曙町2の警報機・遮断機のない第4種踏切で、自転車に乗って踏切を渡ろうとした熊谷市の大学生が秩父鉄道の普通電車に撥ねられて頭を打ち、意識不明の重体になっているという。
大学生は、携帯音楽プレイヤーを身につけていたことから、音楽を聴きながら自転車に乗っていたとみられ、警察は事故との関連を調べているが、秩父鉄道では警報機も遮断機もない踏切での事故が相次いでいる。警報機も遮断機もない踏切での事故が発生する割合は、全国的にも第1種踏切(警報機・遮断機のある踏切)に比べて高いことは、国土交通省の統計でもわかっており、早急に対策が求められていたところだ。
秩父鉄道の第4種踏切では、今年5月にも、高校生が接近する列車に気付かず撥ねられて亡くなる事故が起きており、1999年以降第4種踏切では13人の方々が亡くなっている。これらの事故の対策として、秩父鉄道では、この夏、通行者に注意を促す自動音声装置の設置をすすめていたところだという。
列車の接近を知らせる装置のない踏切はあってはならないと思う。通行者の注意だけにたよるのではなく、十分な踏切の安全設備が必要だと思う。また、踏切での見通しがわるかったり、踏切道の路面が悪いこともある。事故のあった場所では、十分事故の原因を調査して同じような事故が起きないよう、再発防止策を講じてほしい。
秩父鉄道は、経営が苦しいことから、費用のかかる第4種(警報機・遮断機ともない踏切)や第3種踏切(遮断機のない踏切)の改善が進まないという。秩父鉄道が公共輸送機関として重要なら、自治体や国も、経営の健全化や安全性の向上にむけて、積極的に援助するべきではないかと思う。
最後になりましたが、事故に遭った大学生には、一日も早く意識を回復して、元気になってほしいと願っています。
《参考記事》
「自転車で音楽聴き踏切渡る、大学生はねられ重体--熊谷・秩父鉄道 /埼玉」 毎日新聞 9月9日(木)11時32分配信 【平川昌範】 9月9日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100909-00000073-mailo-l11
《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」(平成22年7月 国土交通省鉄道局)
http://www.mlit.go.jp/common/000120718.pdf
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