2010年5月16日日曜日

秩父市大野原で、踏切事故

 15日朝8時15分ころ、埼玉県秩父市の秩父鉄道の大野原の踏切で、自転車で通学途中の高校1年生(15)が、羽生発三峰行きの下り列車に撥ねられて亡くなった。警察は、高校生が接近する電車に気付かずに踏切に入ってしまったのではないかとみている。

 TBSの動画ニュース(5月15日)を見ると、踏切は幅1メートルほどで複線になっており、警報機・遮断機はない。踏切には、踏切をしめすマークと注意喚起の看板、急な進入を防ぐためのポールぐらいしか見当たらない。ニュース映像では、付近の線路はカーブしているようだが、列車の来た方角なのかはわからない。

 事故の詳細は、調査中でまだわからないが、複線で急行なども通る踏切に列車の接近を知らせる警報機すら付いていないのは安全対策が不備ではないだろうか。「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年)62条は、踏切保安設備について、最低限、通行者に列車の接近を知らせることができる装置をつけることを義務付けていると思う。

 生徒の通う高校では、15日は創立記念日だったそうで、通学時間が平日と異なっていたかもしれない。また、新学期で、新1年生の男子生徒は警報機や遮断機のない踏切に慣れていなかったことも考えられる。地図を見ると、付近の線路はカーブしており、踏切から列車の来る方向の見通しが悪くなかったかどうかも調べる必要があると思う。

 秩父鉄道には警報機・遮断機のない踏切が106か所残っている。毎年、幼い子や生徒が犠牲になる悲惨な事故が起きているのに、なかなか有効な対策をとらない鉄道会社や行政に、憤りを感じる。

《参考》5月22日、事故の現場を訪ねた。詳しくは当ブログの以下を参照。
「踏切事故の現場をたずねて~秩父市大野原黒谷7号踏切」
http://tomosibi.blogspot.com/2010/05/7.html

《参考記事》
自転車の高1、秩父鉄道の踏切ではねられ死亡(読売新聞5月15日)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100515-OYT1T00416.htm
電車にはねられ高1死亡、イヤホン装着か(TBS動画ニュース5月15日)
http://news.tbs.co.jp/20100515/newseye/tbs_newseye4428246.html

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