神戸検察審査会は、30日までに、明石歩道橋事故の遺族が申し立てをしていた、明石署副署長の不起訴について、「起訴相当」の議決をしたことがわかった。
今年5月改正された検察審査会法が施行され、2度「起訴相当」の議決がでれば、検察が起訴しなくても、裁判所が指定した弁護士が公判を行うことができることになった。
元地域官らの刑事裁判でも、明石市などの責任を認め賠償を命じた民事裁判でも、明石署長らの過失責任にも触れ認めているのだから、神戸地検が明石署副署長を起訴するのは難しいとは思われない。
検察は、市民の良識が反映された検察審査会の議決を重く受け止め、再捜査し、副署長を起訴して裁判を行ってほしい。
《参考記事》
明石歩道橋事故、明石署副署長は「起訴相当」 神戸検察審査会 7月30日20時33分配信 産経新聞
兵庫県明石市で平成13年7月、花火大会の見物客11人が死亡した歩道橋事故で、神戸第2検察審査会は、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、神戸地検が不起訴処分とした当時の明石署副署長(62)について、「起訴相当」を議決した。元副署長に対する「起訴相当」議決は3度目で、2度続けて起訴すべきと議決されれば自動的に起訴されるとした改正検察審査会法施行後では初めて。議決は15日付。
事故をめぐり、地検は現場で警備を指揮していた同署の元地域官ら5人を起訴したが、当時の署長(平成19年に死去)と副署長は不起訴処分とした。これに対し遺族は、これまでに2度不服を申し立て、検察審査会は16年と17年にそれぞれ「起訴相当」と議決。しかし、地検はいずれも不起訴処分としたため、改正法が施行された5月21日に3度目の申し立てをしていた。
議決書で審査会は、元副署長の過失について、事故のあった歩道橋は駅と花火大会会場をつなぐ唯一の通路のため、雑踏事故の危険性は予測し得たと指摘。さらに、「警備計画策定に深くかかわりながら、不十分な計画内容を把握せず、過失は優に認められる」とした。
事故は13年7月21日の発生で、業務上過失致死傷罪の時効は5年だが、刑事訴訟法では「共犯の公判中には時効が停止される」との規定がある。審査会は、元地域官が公判中で、元副署長と元地域官は「立場は違うが『共犯』と考えて不自然とはいえない」として、時効には当たらないと判断した。
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■改正検察審査会法 裁判員法とともに今年5月21日に施行された。検察審査会は市民から選ばれた11人の審査員が検察の不起訴処分の当否を審査するが、従来は議決に法的拘束力がなかった。改正により、「起訴相当」の議決後、検察官が再び不起訴とするか3カ月たっても刑事処分しなかった場合には再審査を行い、再度「起訴相当」が議決されると、裁判所が指定した弁護士が“検察官役”になり、自動的に起訴される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000623-san-l28
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