7月9,10日、都内で安全工学シンポジウム2009が開かれた。今年で39回目となるこのシンポジウムは、さまざまな分野の学者・研究者、技術者が集まって、事故を防ぎ、安全な仕組みを作るには、どうしたらよいか討論する場である。ことしも40近い学会・研究会が参加して開かれた。
私などは、昨年初めて、参加させていただいた。正直言うと聞いたことのない、学会名だけではどんな研究をしているのか、想像がつかない学会もあった。
学問の分化が進み、研究者は自分の研究に専念すると、他にどんな研究が進んでいるのかわからなくなることもあるだろうと思う。
このシンポジウムに参加する学者・研究者のみなさんは、自分の研究が他の研究とどんなつながりがあるのか、社会の中でどんな意味があるのか、様々な分野の研究者が、意見や情報を交換し合うことが大切だと思って、毎年シンポジウムを開いていらっしゃる。
私たちのセッションでは、それぞれの専門家が、各自の分野で今何が問題なのか、課題と提言をまとめて下さった。各分野の今もっとも核心とされるテーマだけに、分野が異なるとわかりにくいこともあると思うが、各専門家のみなさんの熱意が伝わってくるセッションだったと思う。
さまざまな分野・事業に携わる研究者・技術者のみなさんが、事故調査をし、事故を防ぐための対策を検討し、提案・実現していくこと、そういう地道な仕事の積み重ねが、悲惨な事故をなくしていくのだろうと思う。
《シンポジウムのプログラムから》
安全工学シンポジウム2009
OS-B テーマ「事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~」
№ 講演テーマ
1 事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~
加山宏 竹ノ塚踏切事故遺族
2 事故調査記録の訴訟手続における開示の在り方-イギリスの法制度との比較-
米倉勉 弁護士
3 再発防止を考える 本江彰 日本ヒューマンファクター研究所
4 製品安全と事故防止 高杉和徳 製品安全コンサルタント
5 死因究明制度と事故防止 一杉正仁 獨協医科大学法医学教室准教授
6 踏切事故の実態と事故調査 加山圭子 竹ノ塚踏切事故遺族
2 件のコメント:
今年もまた安全工学シンポジウムの申し込みが迫ってきました。2009年には、踏み切りのお話をお聞きしたことを思い出しながら、今年の原稿を書こうと思っています。
コメントありがとうございます。
また、安全工学シンポジウムでの発表をお聞きいただきありがとうございました。
今年は、なるべく多くの踏切事故の現場に足を運び、踏切の実情を見てきたいと思っています。
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