2009年7月22日水曜日

明石歩道橋事故から、8年

 7月21日、花火大会を見物にきた市民11人が亡くなった明石歩道橋事故から、8年がたった。下村さんら遺族は、事故当時の明石署副署長らを不起訴とした神戸地検の処分を不服として、検察審査会に審査の申し立てをしている。
 
 事故当時、明石署署長らは、会場周辺の警備を怠り、朝霧駅から明石歩道橋の周辺には、駅に向かう人と逆に歩道橋を下りて夜店の方に降りようとする人とで身動きもとれない状況になっていたにもかかわらず、見物客をう回路へ誘導するなどの対策をとらなかった。
 そのため、歩道橋上には人が集中し、群衆雪崩が起き、幼い子を含む11人が亡くなったのである。

 歩道橋は、会場へ降りる階段が橋上の幅が6mであるのに対して、階段は3mと狭くなっているボトルネック構造である。その上、踊り場から右側にしか階段がないので、踊り場で花火を見物する人が滞留するとますます、動きが悪くなる。
 当日、花火会場への参集者は、約15万人から20万人と予想されていたのだから、駅から会場へ行くのに、歩道橋に人が集中しないようにすべきなのは、だれでもわかることである。特別、用意周到な計画ではなくとも、う回路を整備し誘導するなどすれば、事故は防げたのではないかと云われている。

 神戸地検は、この警備の責任者だった明石署副署長らを不起訴としている。検察審査会は、遺族の2回の申し立てに対して、2回とも「起訴相当」という判断を出しているのもかかわらず、検察は再捜査の結果、不起訴にしている。つまり、都合3回不起訴にしているのである。

 今年、5月の法改正によって、検察審査会で2回「起訴相当」の判断がなされれば、検察が起訴しなくても、裁判所が指定した弁護士によって起訴され、検察から資料等を引き継ぎ、裁判が開かれることになった。
 
 司法改革によって、検察審査会の議決が拘束力を持つようになった。今後、裁判にも、市民の良識が反映されることを期待したい。
 
《参考記事》
明石歩道橋事故から8年 遺族が市職員らに訴え  2009年7月22日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200907220019.html

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