2010年11月18日木曜日

東京大学柏キャンパスで、エレベーター不具合

 16日、国土交通省は、東京大学柏キャンパス(千葉県柏市)で、シンドラーエレベーター(東京都江東区)が製造・保守点検するエレベーターの扉が開いたまま降下するトラブルがあったと発表した。
 同省などによると、11日、当該エレベーターは、定員19名、積載荷重1250kgで、1階から学生18人が乗った直後、扉が開いたまま、かごが降下を始めた。このとき、エレベーター外に避難した学生2名のうち、1名が、床の段差でひざを打撲した。
 エレベーターは、地下1階近くで止まり、自動の復帰運転装置が作動して1階に上昇して止まったという。

 同省住宅局建築指導課には、平成22年11月12日、情報提供があり、同日、特定行政庁の柏市、昇降機等事故対策委員会委員、国土交通省による調査を行った。また、同省はシンドラー社に対して、全国に設置する同型機計約360基について緊急点検を指示した。

 シンドラー社製のエレベーターでは、2006年6月3日、港区の区立の高層マンションで、エレベーターを降りようとした高校生が、扉が開いたまま上昇したエレベータに挟まれて亡くなる事故が起きている。
  その後、昨年9月、国交省は、新たに設置されるエレベーターについては二重ブレーキを義務付けたが、既設のものについては、数年後に補助ブレーキの取り付けが義務付けられる見通しだという。
 既設のエレベーターは、全国に70万基あるといわれている。高層マンションや高層団地に住む人は増え、エレベーターは大切な「移動手段」になっている。また、公共施設だけでなく、商業施設や駅などでは、お年寄りや障害を持った方をはじめ多くの方がエレベーターを利用し、エレベーターは日常生活になくてはならないものになっている。

 今回の事故について、事業者や監督官庁は、利用者の安全のため、事故の事実を正確に把握して、事故原因を調べ、同じような事故が起きないよう、早急に再発防止策に取り組んでほしい。


《参考》
国土交通省「東京大学柏キャンパス総合研究棟におけるエレベーターの戸開走行について」 平成22年11月16日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000202.html


《参考記事》
「東大・柏キャンパスでエレベーター不具合」   2010/11/16 12:15
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E3E4E2E0968DE3E4E3E3E0E2E3E29180E2E2E2E2;n_cid=DSANY001

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