2009年7月、北海道大雪山系トムラウシ山(2,141m)で、台風が近づく悪天候の中、ツアー登山に参加していた登山者ら8人が凍死した。この遭難事故を受け、観光庁は、ツアー登山を行う旅行会社に、登山マニュアルを作成しているかアンケートをとった。
報道によると、アンケートの結果、添乗員や山岳ガイドのための登山マニュアルを作成していないと回答した旅行会社は三分の一に上ることがわかったという。
今年三月、調査結果をふまえて、観光庁はマニュアル作成を業界団体に要請したそうだ。観光庁の担当者によれば、各社が天候が悪化した場合の危険を回避するための判断基準などを具体的に決め、最低限の約束事を決めるべきだという。
アンケート結果によれば、「添乗員を必ず正社員が務める」は27%、「ガイドを必ず正社員が務める」は4%で、非正規のスタッフがツアーを支える実態もわかった。
近年ツアー登山の人気が高まっており、ツアー登山には年間30万人が参加するという。ツアーの参加者が安全に登山できるよう、旅行業者は、山の知識や事故対応について講習などを通じて、スタッフを教育したり、専門の山岳ガイドとして認定されたスタッフをツアーの添乗員にしてほしい。
自然とのふれあいをもとめて参加した登山が、参加者にとって楽しく思い出深いものとなるよう、ツアー登山を企画運営する旅行業者のみなさんには、十分計画を検討し、経験豊かなスタッフをツアー登山につけてほしい。そして2度と同じような事故を繰り返さないでほしいと思う。
(なお、当ブログでは以下で、昨年の事故を取り上げたhttp://tomosibi.blogspot.com/2009/07/blog-post_24.html)
《参考》
(社)日本旅行業協会 「ツアー登山運行ガイドライン」(平成21年9月1日作成)
http://www.jata-net.or.jp/membership/info-japan/climbing-tour/pdf/200909tourclimb_guideline.pdf
《参考記事》
「登山ツアー マニュアルなし3割 観光庁 旅行社に作成通達 」 東京新聞2010年5月24日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/yama/CK2010052402000186.html
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