かねてから、鉄道や航空の重大事故の遺族や被害者の方々は、事故の発生時や事故後十分な情報提供を行ってほしい、突然大切な人を失って心の安定を失うことの多い被害者へ心のケアなどの支援についても検討してほしいと、行政などに要望してきた。
また、2008年、運輸安全委員会が発足する際には、被害者・遺族への支援の重要性が、国会でも論議され、「総合的な施策の推進のために必要な措置を検討すること」とする附帯決議がなされた。
その結果、2009年から、公共交通の事故被害者等への支援のあり方を検討するため、遺族団体や支援団体の協力も得て、有識者、行政関係者が一堂に会する検討会が国土交通省で開催された。今度、昨年度の調査の内容が報告書としてまとめられ公表された。
報告書によれば、事故の遺族や被害者がどのような支援を必要としているか把握するため、遺族らにヒアリングをしたり、被害者以外の関係者にもヒアリングをしている。また、海外の被害者支援については、アメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)に調査にいき、報告をまとめたということである。
まとめられた被害者へのアンケート結果をみると、具体的にどのような支援が必要か、どのような課題が残されているかがわかる。
知りたいこと、必要な支援は被害者によって異なるだろうと思う。細かな要望にていねいに応えられる支援の体制がどのようなものなのか、検討会で十分論議して、大切な人を失った遺族や被害者が二重三重に苦しみ嘆くことのないようにしてほしい。
《参考》
国土交通省 「公共交通における事故による被害者等への支援のあり方検討会」
「公共交通における事故による被害者等への支援ニーズ等に関する調査 報告書」(平成22年3月)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_fr_000007.html
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