2011年4月14日木曜日

電動車いす踏切事故から2年~白倉踏切、非常ボタン設置へ

 2009年4月13日、高知県佐川町の白倉踏切で、電動車いすに乗って踏切を渡ろうとしていた女性(86歳)が、踏切内に取り残されて、特急列車に撥ねられて亡くなってから2年がたった。

 2009年、亡くなった女性の遺族は、JR四国に安全対策をもとめて民事裁判を提訴した。
 裁判では、
○事故のあった白倉踏切は、付近の他の踏切にくらべて警報機が鳴りだしてから遮断機が降りるまでの時間が短いこと
○踏切に取り残された場合に、下りている遮断機を電動車いすで押し破って脱出するのは不可能なのに、踏切内の非常事態を列車の運転士に知らせる非常ボタンが設置されていないなど、踏切の設備に不備があったことなどが争われた。

 昨年2010年9月、女性の遺族はJR四国と和解したが、その際に、高知地方裁判所の裁判長は、JR四国に対して非常ボタンの設置を要望した。JR四国は「付けるかどうかも含め検討する」と述べるにとどめていた。
 報道によると、今年2011年4月、JR四国は白倉踏切に非常ボタンの設置を決定、平成23年度の早いうちに設置されるという。
 和解から半年、ようやく事故のあった踏切に非常ボタンが設置される。それで安全対策が万全とはいえないかもしれないが、すこしでも安全な踏切に近づいたことで、踏切を利用する方が安心して通行できれば…と思う。

 亡くなった女性の遺族は、「非常ボタンが設置されることはよいことだが、この踏切事故が事故調査されていないことが残念だ」という。事故の調査をして、原因を調べることで、事故をなくすのにふさわしい安全対策が出てくるはずだと語っていた。
 鉄道会社や事故調査をする機関には、踏切に残っていた通行人が悪いと決めつけずに、なぜそうなったのか、十分調査して事故の再発防止策を検討してほしいと思う。

《参考》 白倉踏切については、当ブログ
「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」
http://tomosibi.blogspot.com/2010/04/blog-post_26.html

《参考記事》
「佐川の車いす女性踏切事故死:事故から2年 白倉踏切、非常ボタン設置へ」
毎日新聞 4月13日(水)16時36分配信 
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20110413ddlk39040529000c.html

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