2011年2月11日金曜日

ホームの転落防止ドア、設置をいそいで

 8日、国土交通省のまとめによると、全国の14の鉄道事業者が2011年度以降、285の駅でホームからの転落を防ぐホームドア(可動式ホーム柵)を設置することを計画していることがわかった。すべて設置されれば、既設の駅と合わせて783駅となるという。バリアーフリー新法が設置を求める約2800駅のうちの3割弱で整備が進むことになるそうだ。

 今年1月16日、JR山手線の目白駅で、目の見えない男性がホームから転落し、列車に撥ねられて亡くなった事故や、JR山手線新大久保駅で転落した男性を救おうとして日本人カメラマンや韓国人留学生がなくなった事故から10年経つことなどから、大畠国交相が、ホームドアの設置計画を調査を指示していた。
  大畠国交相は「今後、設置基準を検討し、整備が前倒しで進むよう期待したい」と話しているという。
 また、国交省は「混雑駅で整備を進めるか、視覚障害者の施設が近くにある駅でまず設置をめざすのかなど議論を深めていきたい」としている。

 ホームドアは、バリアフリー新法で、1日の乗降客が5千人以上の駅には設置が求められているが、新設の駅には義務付けられているものの、既設の駅では努力義務になっている。
 既設の駅に設置する場合は、ホームドアの重さに耐えられるようホームの補強をしなくてはならなかったり、ドアの位置がさまざまな車両が乗り入れる路線の駅では、ホームドアの設置が難しいとされている。

 しかし、1日の乗降客が75万人という京王線新宿駅では、昨年ホームから男性が他の客に押されて転落し亡くなるという事故が起きている。山手線や京浜東北線など、乗降りする人が多いのにホームの狭いところや、目の不自由な方の利用の多い駅などから、ホームドアを設置したり、ホームの点字ブロックを改善するなどの対策を急いでほしい。

《参考》 「平成23年度以降のホームドアの整備計画」 (国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000134960.pdf
「第1回 ホームドアの整備促進等に関する検討会」の結果について (国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000135244.pdf
「ホームドアの設置状況について」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000133960.pdf
《参考記事》
「ホームの転落防止ドア、14社285駅で設置予定」 2011年2月8日15時2分 朝日新聞
(永田工、宮嶋加菜子)
http://www.asahi.com/national/update/0208/TKY201102080199.html

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