2011年2月6日日曜日

コースター事故~徹底した原因調査を

 1月30日、東京都文京区にある「東京ドームシティアトラクションズ」のコースターから、34歳の会社員の男性が転落して亡くなるという痛ましい事故が起きた。

 安全バーは乗客が自分で固定し、従業員が確認することになっているが、固定が不十分なまま、コースターが走行し、男性が8メートルの高さから転落したとされている。事故当時、安全バーが固定されているかどうか確認する作業をしていたアルバイトの女性は、バーが固定されているかどうか手で確認しておらず、「バーは下りているようにみえた」と説明しているという。
 コースターはドイツ製で、毎朝開園前の点検のほかに、毎月1回と年1回の定期点検をしており、今まで事故は起きていないということだ。

 又、報道によると、コースター運行の手順を記した手引書が従業員に配布されていなかったことがわかっており、警視庁は管理運営会社「東京ドーム」の安全管理が徹底されていなかった可能性があるとみて調べている。

 しかし、従業員への安全管理の不徹底や人員の配置の不十分さに事故の原因をもとめて調査を終えるのではなく、コースターの設計そのものを調査すべきだという意見もある。
 人命にかかわるところは、現場の人間に安全確認を任せるのではなく、機械に安全装置をつけるべきではないか。現場の従業員に安全確認を任せれば、安全バーが固定されているかどうか手で押されるのを嫌がる乗客もいたりするだろう。そんな苦情が出たことから従業員は手で押して確認するのをやめたという報道もある。そんな場面をさけるためにも、安全バーが固定されていなかったり、機械が故障していたら走行できない設計にすることが必要ではないだろうか。

 遊園地の運営会社や事故調査にあたる機関には、あってはならない事故を繰り返さないために、事故原因を徹底的に調査して、楽しい休日をもとめて来園した人の命を守る仕組みを真剣に検討してほしい。 

《参考記事》
「安全確保を人の作業に任すな」朝日新聞2月3日「声」欄

「現場任せの安全管理露呈 コースター事故から1週間 管理手法、業界での共有が課題 」
2011/2/5 14:15
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E2E6E2E7878DE2E7E2E0E0E2E3E39191E2E2E2E2?n_cid=DSANY001

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