今月16日、東京都豊島区のJR山手線目白駅で、目の不自由な男性が、誤ってホームから転落、駅に入ってきた電車に撥ねられて亡くなった。亡くなった男性は、病気で視力を失い、目が全く見えなかったという。ホームには、点字ブロックはあるものの、転落を防ぐ柵はなかった。
24日、視覚障害者団体の代表が、JR東日本を訪れて、早急な安全対策をとるよう要望した。具体的には、電車とホームの間を仕切る「ホームドア」の設置や、駅員をホームに必ず配置して安全確認をするなどを要望した。
これに対し、JR東日本は「安全対策は重要であり、できるだけ早く進めたい」と答えたという。
全日本視覚障害者協議会の調査によると、目の不自由な人100人にアンケートをとったところ、そのうちの半数がホームから転落したことがあり、全く目が見えない人では3人に2人が転落を経験しているということだ。
また、報道によると、25日、大畠国土交通相はこの要望を受けて、転落事故を防ぐ対策として有効とされるホームドアがいつごろまでに設置できるのか、鉄道会社に聞き取り調査をしたうえで、国としてさらなる支援ができるかどうか検討する考えをしめした。
今月の26日で、新大久保駅で転落した男性を救助しようとした韓国人の男性と日本人の男性が転落した男性とともに列車に撥ねられて亡くなった事故から、10年になる。事故の後、ホームの下に待避スペースをつくったり、転落検知マットや非常停止ボタンが設置されるなど、鉄道各社は対策を進めている。
しかし、駅のホームでは、転落する事故が後を絶たない。ホームドアの設置は、去年3月末現在で、全国の駅の5%に満たない449駅にとどまっているという。ホームの端を携帯電話をしながら歩くなど、危険な行為をしないよう利用者に注意をうながすことも大事だろうけれど、乗降客が多いのにホーム自体が狭い駅も多いと思う。
山手線や京浜東北線の駅では、列車の編成が長くホームに進入してくる際の速度も、50~60㎞とかなり速いのではないかと思う。このように早い列車と人が接触したら危険なのに、ホームの端は狭く、転落を防ぐ柵もなく、傾斜もあったりして危険だと感じる駅もある。
なぜホームドアなどの設置が進まないのか、早急に調査し、ホームドア等の設置を進め、痛ましい事故をふせぐようにしてほしい。
当面、ホームドアが設置されるまでの間、目の不自由な人や障害を持った方が駅に入る際には、駅員が付き添うとか、目の不自由な方などの利用の多い駅のホームには駅員を配置するといった対策は可能なのではないかと思う。
《参考》
「ホームドアの設置状況について」(1月25日大臣会見参考資料)国土交通省鉄道局
http://www.mlit.go.jp/common/000133960.pdf
《参考記事》
「ホーム転落 視覚障害者が要望 」1月24日 19時10分 NHK
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110124/k10013596721000.html
「ホームドア 設置見通し調査へ」1月25日 13時1分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110125/t10013609611000.html
「ホーム人身事故、増える酔客絡み 注意呼びかけにも限界」2011年1月9日5時2分朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0108/TKY201101080225.html
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