2001年7月、兵庫県明石市で、11人が死亡、247人が負傷した事故で、検察官役として強制起訴の手続きを進めていた裁判所の指定弁護士が、19日、記者会見した。
報道によると、指定弁護士である安原浩弁護士は、検察審査会の議決を受け、榊和晄(さかき・かずあき)・元明石署副署長(63)を20日に業務上過失致死傷の罪で、在宅のまま強制起訴することを明らかにした。
検察審査会は、今年1月、元副署長について、歩道橋事故が起きる約7カ月前に、同じ場所で実施されたイベントでも危険な混雑が生じていたことから、花火大会の警備計画が不十分であることを認識し、「事故を予見できた」と指摘していた。事故当日も「ビデオカメラの映像や携帯電話などで現場の状況を十分に確認せず、警察官を出動させるなどの規制措置を怠った」としている。
昨年、改正された検察審査会法では、検察が不起訴処分にした容疑者に対して、市民から選ばれた検察審査会の審査員11人中8人以上が、2回続けて起訴すべきだと議決したときには、裁判所が検察官役として弁護士を指定し、指定された弁護士が、強制的に起訴し、裁判を行うことになった。
市民から選ばれた審査員の議決が、ようやく意味のあるものとなるのではないだろうか。改正前ですら、2度も、検察審査会によって「起訴相当」の議決が出されていながら、神戸地検は元明石署の署長らを不起訴としてきた。
これから指定弁護士のよって開かれる裁判では事故の事実が明らかにされ、私たち市民にわかり易い裁判が開かれることを願っている。
《参考》
今年1月の検察審査会の議決については、拙ブログでも取り上げた。
http://tomosibi.blogspot.com/2010/01/blog-post_28.html
《参考記事》
「元副署長を強制起訴 明石歩道橋事故 」(神戸新聞 2010/04/20 12:05)
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0002894731.shtml
「元明石署副署長、20日強制起訴 検察審の議決に基づき 」(朝日新聞2010年4月19日18時59分)
http://www.asahi.com/national/update/0419/OSK201004190104.html?ref=any
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