男性は重傷だが、命に別条はないという。
女性は、父親が運転する車で、一緒に会社にもどる途中だった。警報機の鳴っている踏切に男性がふらふらと入り、横たわるのをみると、女性は「助けなきゃ」と、父親が止めるのを振り切って車から飛び出し、男性を動かそうとしたとのことだ。
現場の踏切は、中山駅から200mほど鴨居よりにある。幅は6mくらい、長さは12mくらいだろうか。第1種踏切で、警報機・遮断機が設置されている。また、非常ボタンが2か所に設置され、3D方式の障害物検知装置もある。方向指示器もあり、電車がどちらから来るのか矢印で示している。
踏切やホームで非常ボタンが押されたり、踏切でセンサーが立ち止まっている人や車を検知すると、踏切の異常を知らせる特殊信号発光器もある。
事故当時、近くにいて踏切が開くのを待っていた男性が非常ボタンをおしたが、電車を止めるにはいたらなかった。
また、電車の運転士も200mほど手前で踏切内に人がいることに気付き、非常停止をかけたが、踏切の手前で止まることができなかった。
川和踏切 女性は踏切の向こう側からお年寄りをたすけようと
踏切内に入った。 2013年10月2日撮影
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女性は車の中で、踏切が開くのを待つ間、目の前で、人が電車に撥ねられるのを見過ごすことができなかったのだと思う。
何もせずに、男性を死なせてしまうことができずに、自ら助けに行かれた。
踏切には、献花台がおかれた 2013年10月2日撮影
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そんな優しい人が一瞬のうちに、目の前で亡くなってしまうなんて、誰が信じられるだろう。
女性といっしょに車に乗っていたお父さんの無念さはいかばかりだろう。
踏切には、朝から女性の死を悼んで献花に訪れる人が絶えないらしく、花束がたくさん飾られていた。
時折、涙のような雨が空から降りだす。空も、女性の死を悼むかのようだった。
《参考記事》
「父の目前 「助けなきゃ」 踏切内、女性はねられ死亡 JR横浜線」朝日新聞2013年10月2日
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